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きみとの距離  作者: くろさわゆきじ
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プロローグ




視界にガードレールが入ってきた瞬間、僕は死を覚悟した。

迫りくる光景がやけにゆっくりで、ああ、僕の人生ここまでか、まだやらなきゃいけない仕事あるのにな。なんて思ったりして、その次に浮かんだのが彼女のことだった。

仕事の次に彼女のことを思ったなんて知られたら怒られるんだろうな。

それでも、会う約束をしていた彼女へなんて謝ろうって思ってたら、車がガードレールにぶつかり、停止した。

結果として僕は死んでしまったわけなんだけど。


そう、これは僕が死んでからの物語。

死んでから始まるなんて嫌な話だよね。

実際、僕自身幽霊なんてもの信じてなかったし、死んだら何もなくなるものだと思っていたよ。

だけど、自分が体験してみて初めて実感したというか、実感せざる負えないというか。

こうして語る機会も与えられた事だし、ゆっくり僕という人間の人生を振り返ってみようと思う。




振り返ると言っても、そんなに大した話がないのが残念なんだけど。

僕自身の人生は四半世紀で終わってしまったわけだし。

25年の人生の中で最高に幸せだったのは、ついこの前。

彼女が僕のプロポーズを受けてくれた事。

あの瞬間は最高だった。

だって10年もずっと好きだった相手とこれからの人生ずっと傍にいて、支えあって生きていけるなんて、夢みたいに幸せな瞬間だったよ。

ほんとに、夢で終わっちゃったけど。

彼女のウエディングドレス姿、見たかったな。


彼女は僕にはもったいないくらい素敵な人。

優しくて、強くて、いつだって誰かのために動く。

凛とした佇まいはみんなの憧れだった。

そんな彼女がまさか僕の恋人になってくれて、そして結婚してくれるなんて!これを最高と言わずなんと言えばいいのか僕は知らない。



これは僕と彼女が結婚に至るまでのささやかなお話だ。



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