「名前」
消滅予定のブログhttp://biblia-yuuri.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_a17c.htmlからの発掘品です。2007年2月11日 (日)製作&公表
文中の日付はあえて半角数字のまま残しました。年齢の数字を漢数字に変えた以外は原文そのままです。雰囲気そのままに手入れするのが難しいと判断して数字以外そのままにしました。
わたしの名前は、神田はる。1992年1月12日に生まれた。
名付け親はとうさんだ。
わたしは、この名前が嫌だった。
おばあさんみたいで、変な名前だって。
そのうえ、
いつだか「アフガン」だの「タリバン」だのというあだ名を付けられた。
別に、アレクサンダー大王に文句を言う気はないけれど、
どうしてああいう場所なんだろう。
その少し前。
九歳の誕生日、とうさんの友達にプレゼントをもらった。
開けてみると、中からビデオテープが出てきた。
とうさんのオーディオルームの、一番いい席に座らされ、
むりやりそのビデオを見させられた。
わたしの名前の由来を、初めて知った。
わたしは拗ねた。とうさんとケンカした。
でも、
十歳の誕生日、とうさんは言ってくれた。
好きだから、この名前をつけたのだと。
どっちがすき?
ってきいたら
おまえにきまってるだろ、
といってぎゅっと抱きしめてくれた。
だからわたしは、この名前が好き。
花壇に植えた雛菊を見ながら、キミにあの歌を歌うよ。
キミは自転車には乗れないけどね。