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明日の俺は美少女です。  作者: 夜桜
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美少女の人生(上)

 端的に言おう。視線がすごい。


 なんと説明すればいいのだろうか。イケメンになった時も視線は感じたのだが、それとはまた違うものだ。


 なんというか、いやらしいんだよな。


 美少女となった俺の身体は、スタイルはとても良かった。細身でいかにも好かれそう、って感じだし、脚も細ければ胸もそれなりに膨らんでいた。

 それゆえなのか、男子からの視線がすごいのだ。気付いただけでもこんなに視線を感じているのだから、きっともっと見られているのだろう……。

 なんというか、美少女って大変だな……。




 学校に着いては、話しかけられても相手の名前はすぐに出てくるし、なんと言えばいいかはすぐに分かる。そのあたりは既にある程度形成されている紗矢香の人格が俺にも無意識下で伝わっているらしい。意外と便利に仕上がっているようだ。“私”という一人称がスラスラ出てくるのは少し気持ちが悪かったが。


 イケメン時同様、やはり昼は一緒に食べようと誘われた。何が違うかを挙げるとするなら、その誘った子が女の子ということだけだった。

 知能や運動能力についても、やはりイケメン時同様、最高だった。

 当てられてもすぐに答えれたし、体育でも思うように動けた。


 そんなこんなで、俺は不思議な力に包まれるような感覚で、“望月 紗矢香”を演じたのだ。



 ──6時間目の授業が終わった。いつもの俺ならすぐに帰り支度をして帰るのだが、どうやら紗矢香は部活に所属していたらしい。

 こんな容姿・人気なら部活に入っておけばよかった、そう思っていたところにこれだ。都合が良すぎて怖くなる。


 どうやら紗矢香の部活は野球部のマネージャーらしい。野球が好きなのだろうか。俺は全くスポーツに興味はなかったが、やはり野球のルールは何故か熟知している。それだけ紗矢香は野球好きだったのだろう。


 ……俺がこの人生を渡る前の“望月 紗矢香”とは誰だったのだろう。そして、元の“望月 紗矢香”はどこに行ったのだろうか。

 そんな疑問が頭をよぎったが、考えれば考えるほど分からないし、正直どうでも良かった。

 とにかく。俺はイケメンになって、美少女になった。それでいいじゃないか。


 俺は無意識に持ってきていたジャージに着替えては、野球部のマネージャーとして放課後を過ごした。



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