課せられた難題
久々の家でゆっくりする日ということでただひたすらにネトゲをしていたのだが、やはりこれはこれで楽しいものだ。
だが、やはり腕は格段に落ちていた。別に数ヶ月単位でやっていなかった訳でもないが……今までクリア出来ていたものでも、何回かロストしたくらいだ。情けないかぎりである。
これで最後、と言っていたものを終えればPCの前から顔を離し、大きく伸びをする。そのまま時計を見ると、短針は11をさしていた。
いつもはもう少し長くやるのだが、明日は早いからということで相手が先に抜けたのだ。それにつられて俺も抜けた。
まだ23時だが、特にすることも思いつかなければ、そろそろ寝ようかという考えが頭を満たす。
そういえば次は紗矢香の日曜日か。予定は果たして入っていただろうか。入っていなければ……さすがにネトゲをする訳にも行かないしな……ん。
「……待てよ。確か……」
重大なことを忘れていた。
紗矢香は告白を受けているところだったのだ。そして明日の日曜日に会う約束もしてしまっていた。
もちろん俺が男と付き合うなんて、例え紗矢香の、女の身体だとしても嫌なことだ。相手は確かにイケメンだったが、そんなものは何の魅力でもない。断ってやりたい気持ちしかない。
しかし、その断り文句を考える宿題をすっかり忘れてしまっていた。ネトゲなんてやってる場合じゃなかったのだ……。
これは完全に失態だ。どうする。女として告白されたのなんて、当たり前だが生まれて初めてだ。なんと言えばやんわり断れるのか。後に悪く響かないのか……。
しかし、そんなものが簡単に浮かぶはずがない。
行き詰まる俺は最新の文明機器・スマートフォンを取り出し、某先生や某知恵袋にも頼った。が、どれもイマイチピンとくるものはなかった。
そして追い打ちをかけるよう、もう一つの危機が訪れた。
朝から夜までずっとネトゲをしていた俺の目はそろそろ限界らしく、スマートフォンの画面なんて見ようものならさらに瞼が重くなってくる。そう、奴がどんどん襲ってきたのだ。
俺は必死に目をこじ開けては断り文句を考えたが、考えれば考えるほど眠気が増す悪循環となった。
それから俺の抵抗は何分もったのだろうか。
いつの間にかひんやりとした机の感触を頬に感じては、意識がまたたく間に遠のいていった。




