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明日の俺は美少女です。  作者: 夜桜
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俺の日常

お久しぶりです。


『…………』


 ん。だれだ……?


『私だよ……』


 あぁ。紗矢香か。どうしたんだ?


『ううん。なんにも……様子を見に来ただけ』


 ……どういう意味だ?


『いいからいいから。もうすぐ朝だよ。おやすみなさい』


 ……おい。紗矢香……。紗矢香……?

 ……なんで……紗矢香……が……。



 ・ ・ ・



 某有名バンドの音楽が鳴り響く。

 俺は布団の中から手を伸ばし、目を閉じたまま手探りでスマホを見つけ出しては適当に画面っぽいところを連打して音楽を止めた。


 2月の末。まだ気温も上がってこず、そして日曜日ともなればなおさら布団から出る気は起こらない。

 というか、そもそもなんで俺は日曜日に目覚ましをかけていたのか。

 なにか用事があったのか……布団の中、働かない頭で考えるが、特に何も浮かんでこない。

 この音楽をアラームに設定した時に日曜日を切り忘れたのだろうか。まあ、そう思えば確かに切った覚えもないし、きっとそうなのだろう。


 もう一度手探りでスマホを探し当てては、それを暖かい布団の中に(さら)って起動する。寝起きの目にはあまりにも刺さる光を、薄目にしてダメージを最小限に抑えながら画面を覗く。

 通知欄にはLINE通知が1件。送り主の名は“千晴”とあった。

 メッセージは非表示に設定してあるので通知欄からは内容は見えなかった。


 そういえば一昨日は千晴とデートの日だった。だからそれ関連のLINEか何かだろう。

 ……いや、あれは昨日か。どうにも昨日と今日の間に一日があるのは変な感じだ。不思議と一週間を長く感じることはないのだが、それだけに記憶として残るのは気持ちが悪い。


 まあ、もっとも一週間を長く感じる方が面倒なのでこれはこれで良いのだが。



 千晴への返信も終えた俺は布団の中で何をするか考えていた。

 イケメンになってからというもの、友達に誘われることが多くなってはお金も足りなくなり、バイトまで入れるという始末になっている。そのおかげと言うべきか、そのせいと言うべきか、土日に家にいる時間はかなり減ってきていたのだ。

 そんな中で、今日は珍しく一日中なんの予定もない。久しぶりに昼まで寝れて、家の中でゆっくりできる。

 加えて外は寒い。こうなると俺はもはや外に出ようとは思わない。しかもこれを見越して俺は一昨日に買い物を済ませてある。なんたる有能さ。

 つまりだ。俺は今日はずっと家から出ずに過ごすことができるのだ。


 イケメンとなってから友達が増え、遊ぶことが増えたのも楽しいが、やはりこうして家で1人でゆっくりするというのも相変わらず好きならしい。


 さて、何をしようか。久しぶりになるといつもどうしていたか忘れてしまう。

 とりあえず起きようと身体を起こせば、見慣れたPCが目に入る。

 ……悪くないな。


 あの不遇時代はよくこれに浸っていたものだ。時には学校を休んでただひたすらネットに浸っていた日もあった。

 そんな過去を半ば嘲笑しながら思い返す。あの時の俺は果たして今の俺を想像出来ていただろうか。いや、夢にも思ってなかっただろう。


 朝の食パンの最後の一口を食べ、残ったジュースを口の中に流し込めば、PCの前に座って電源ボタンを押した。



 思い返してみれば、実に一週間ぶりのネトゲだった。

溜まったメッセージの中に『最近どうした?彼女でもできたか?www』なんてメッセージがあったくらいだ。

 こいつは俺のネット友達で、オフ会をしたこともある。つまりこいつは俺の“昔の”顔を知っているのだ。

 そのためにこんな、あるわけないか、とでも続けたそうな文章になっているが……まあ、まさかその通りだとは夢にも思っていないだろう。

 話すと面倒なことになりそうな気もしたので、適当に流しておいた。


 それから俺は久しぶりのネット友達とともにゲームのマルチプレイに休みの一日を費やしたのだった。

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