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魔女の遍歴

『花の歌、剣の帰還』用語集

作者: 天谷あきの

『花の歌、剣の帰還』用語集。

貨幣単位の目安は「つ:通貨」項目にあります。



あ~お


【アスタ】:地名、および集団の名前。暴君エリオット王に反抗する人々の集まり。【契約の民】や黒髪の娘を匿っている。後ろ盾には有力な貴族がいるという噂がある。ちなみに【】抜きで、ただのアスタだと、五枚花弁の可憐な花の名前になる。


アナカルシス:舞台となる国の名前。


イェルディア:港町。アンヌ王妃の実家、イェーラ家が治めている裕福な街。アナカルシスを代表する都市のひとつ。港町なので魚を使った風変わりな料理がたくさんある。【最初の娘】の巡幸の拠点のひとつ。


ウルクディア:地名。王の離宮のある小さな街。かつては大通りには屋台がずらりと建ち並び、それを目当てに観光で訪れる客が尽きない、宝玉とまで言われた美しい街だった。


エスティエルティナ:主人公の持つ剣の名前。主人公自身がそう呼ばれることもある。


エスメラルダ(旧ルファ・ルダ):アナカルシス国の一地方。王太子エルギン=スメルダ・アナカルシスが治めている。ティファ・ルダが滅ぼされた折に行き場を失った学者たちを受け入れて保護し、国内でも有名な学問所がある。かつてはルファ・ルダと呼ばれ、闇の女神ルファルファ神を奉じていたため、16年前にエリオット王によって滅ぼされた。最後の王には子どもが二人いた。息子はエルヴェントラ=ル・ランダール・ルファ・ルダ(当時13歳)、娘はエルカテルミナ=ラ・ニーナ・ルファ・ルダ(当時3歳)。


エルヴェントラ:かつてはルファ・ルダの領主に当たる地位だった(現在はエルギン王子が領主ということになっている)。【最初の娘】の対になる存在。特定の例を除けば世襲ではない(たとえばランダールは、先代と先代の【最初の娘】が一度に殺されて、他になり手がいなかったため、息子として一時的に継いだ。【最初の娘】が夫を迎えられる年になるまでその責を担ったが、ニーナが妊娠・出産できる年になったのでニーナの夫を指名してエルヴェントラを継がせ、自分は降りた、という事情がある)。職務はエスメラルダの住民をまとめ、導くことと、次代の【最初の娘】を誕生させ、成人まで立派に育てること。

 


か~こ


カシロ:味噌のこと。お好きな味噌をご想像下さい。


【枯葉】:【契約の民】の隠語。


銀狼:銀色の巨大な獣。犬と言われると怒る。人間に関わりたがらず、よほどのことがない限り近づいてこない。崇高で気高い『世界の番人』と言われるが、結構お茶目で話しやすかったりもする。個人差はあるが、全体的に強情で頑固で融通が利かない。


クィナの実:果物。大きさはリンゴくらい。赤い果肉を持ち、良く熟していると皮がぺりぺりはがれる。汁気たっぷりで美味しい。旬は秋。


クロウディア家:かつてウルクディア、【アスタ】、リヴェル近辺を治めていた貴族。既に没落している。


【契約の民】:体に火や水といった属性との契約印を彫ることで、その属性を意のままに操ることが出来る人々のこと。契約印を露出していないと契約を発動させることが出来ない。現在のアナカルシスではこの人々を認めておらず、捕らえ次第火あぶりにしている。本人はもちろん、捜していることがばれて捕らえられても火あぶりにされるらしい。属性には火(光)、水、大地、風があり、契約した属性の数に従って【一ツ葉】【二ツ葉】【三ツ葉】【四ツ葉】と呼ばれる。

 


さ~そ


時間の数え方:四半刻:三十分。半刻:一時間。一刻:二時間。一日は十二刻。でも五分は同じ五分。大きな街では鐘を鳴らして時間を知らせる。


巡幸:【最初の娘】が春にエスメラルダを出発し、各地の拠点を巡りながらアナカルシスの北側を通って夏頃イェルディアにつき、しばらくの休息後、アナカルシスの南側を通ってエスメラルダに戻る旅のこと。大気から歪みを払い、魔物を遠ざけ、人々の心に平穏を与える目的で、基本的に毎年行われる。


草原の民:アナカルシスの北方、辺境を荒らしていた遊牧民。基本的に戸籍がない。アンヌ王妃が16歳の頃に、ふたりの護衛だけ連れて草原の民の本拠地に乗り込み、略奪をやめて自分のために働くよう要請した。アンヌ王妃の護衛隊長はそれ以来、草原の民の長が勤めるのが慣例となっている。現在の長はヴェガスタ。護衛隊に入っている草原の民は戸籍をもらえる。長が権力に屈したと批判をする民たちもいるが、長の命令は絶対なので、不満のある者たちは草原を出て流れ者として流浪の旅をしている。そういう者たちでも、長がアンヌ王妃を庇護する限り、アンヌ王妃に害をなしたりはしない。庇護の他にもいろいろと独自の風習を持っている。たとえば気に入った者とは朝食を交換するとか、長のすぐ下の弟は長の補佐をしなければならない(どんなに苦労しても放り捨てることは許されない)とかその他諸々。

 


た~と


通貨:粒、盤、板、玉、棒、と五種類ある。粒(鉛)は100円、盤(銅)は1000円、板(銀)は10,000円、玉(金)は100,000円、棒(金)は500,000円くらいの感覚。ヴェガスタが『魔女の冒険』でエルギンたちを連れて行ったような店で、四人の大人がたらふく食べて板一枚くらい。飲み放題をつけると板二枚くらい? 雑貨とか旅用品はもっと高いかも。地下街の宿代はたいへん安いので盤一枚くらい。手紙を出すのに鳩一羽使うと玉ひとつくらいの値段がかかる(便箋代は別料金)。

護衛の報酬は十日で棒一本が相場。報酬はたいてい革袋で渡される。たいていの商人や流れ者は、中を見ずに音や感触だけで中にいくらくらい入っているかわかる。流れ者相手に棒や玉ばっかりで渡すと崩すのに苦労させることになるので、第五話の初めでフィガスタはわざわざ崩してアルガスに渡してました。中身は合計すると棒一本くらいになったと思います。舞をエスメラルダまでちゃんと護衛しろよ、と念を押すための金額です。(この項目はこっそり代わることがあるよ……!)


ティファ・ルダ:別名【学問の国】。学問の女神ティファを奉ずる小さな国。彫師を多数抱え、【契約の民】の総本山のような存在だった。七年前エリオット王に滅ぼされた。滅亡時の領主の名はセルデス、その妻の名はローラ。


ディオノス:ティファ・ルダの領主の地位。


【手紙の出し方】

紙は高価なため、一般の人々は板を使用する。(表面を洗って再利用する)

伝言板、通常便(荷車に便乗)、飛脚、鳩、の順に高価になる。鳩は速いが板を運べないため便箋代も加わるので最も高価。

 ※伝書鳩は実際には、迷子対策のため、何羽かに同じメッセージを運ばせたそうですが、この小説では一羽のみです。たぶん魔力を使って特別な訓練を施してるんだと思います……!



な~の


流れ者:戸籍のない者たちの総称。草原の民や辺境出身の者たちのように、そもそもアナカルシスの戸籍を持たないものもいるが、王や権力や体制から逃れるために自ら戸籍を破棄する者もいる。戸籍を持つ者が流れ者になるためには、少なくとも三人以上の前で戸籍を焼く必要がある。


人魚:上半身は人間、下半身は魚という、人間以前に繁栄を誇っていた種族。女性しかいない(魔力も左巻きのみ)。人間を嫌い、自分たちの世界に引きこもっている。銀狼と仲違いをし、現在は銀狼を避けている。


練り粉:食べ物。さらさらの粉に水分を加えて練るともちもちして食べやすくなる。火を通さずに食べられるので携行食として重宝されている。味はほとんどないので加える水分によって美味しさが左右される。

 


は~ほ


ヘス:服用した者の精神を肉体から遊離させて別の生き物に乗り移らせることが出来る、という作用を持つ草。最近になってその効用が発見されたがそれまでは雑草扱いだった。草のまま食べるより抽出して薬にして飲んだ方が飲みやすいし手っ取り早いし少量で済む(普通の状態では草をちょっと食べたくらいで効果は得られない)。乗り移る生き物は、自分より遥かに知能の低い生き物である必要がある。たとえばイルカ程度になると入り込んでも体を自由に動かすことが出来ず、追い出されて迷子になって大変危険。


彫師:人間に【契約印】を彫ることで【契約の民】にすることが出来る技術を持つ人のこと。七年前の大虐殺でほとんどが殺され、現在ではほとんど残っていない。

 


ま~も


マーセラ神殿:マーセラ神を祀る神殿。マーセラ神は女神で、マーセラ神殿の教義では、世界を創世したとされている。光を従える女神で、双子のルファルファ神と共に世界を創ったが、姉のルファルファが魔物や闇の存在にばかり耽溺するようになったために放逐したということになっている。エリオット王の庇護を受け、現在国中で一番信仰されている女神。最高位は大神官で、現在は王の次男であるカーディス=イェーラ・アナカルシスが勤めている。


マス・ルダ:アナカルシスの北方にある国。マーセラ信奉の本拠地。


魔物:世界の隙間にいる負の存在。正の存在の持つ生命の流れ(魔力とも呼ばれる)が好物で、世界のほころびから正の世界へ入り込んでくる。肉体的には非常に強いが(特に魔力によって)生じた光や炎に大変弱い。力の強い者になると好きな形を取り・維持することが出来るようになる。


【魔物の娘】:ティファ・ルダの生き残りの少女に王がつけた蔑称。陥落するティファ・ルダから逃げ延びるときに魔物の力を借りたと言われており、王が黒髪の娘を集めるのは、どこかへ潜んだまま出てこない【魔物の娘】をいぶり出すためだと吹聴している。一般的には既に亡いものと思われている。


丸め焼き:日本で言うハンバーグのこと。ウルクディアの料理長、モリーが、十何年も試行錯誤を重ねてついに発明した幻の料理。現時点で作れるのはモリーだけ。

 


ら~ろ


ラク・ルダ:アナカルシスの西にある小さな国。光の女神ラカネアを奉じる神官の国。光の女神を『アイミネア』と呼ぶ国もある。フランクな国柄なのでどっちでも通じる。ルファ・ルダとティファ・ルダが相次いで滅ぼされたので、次はここではないかと戦々恐々としている。


リルア石:無色透明で、たゆたう光を内包した結晶。『魔力の結晶』と呼ぶ人もいる。高級品。持つものの意思を他の対象へ伝えやすくするという効果を持つ。【契約の民】の刺青にも使われている。


リヴェル:【アスタ】の麓にあるのどかな村。


ルファルファ神:エリオット王によって信仰を禁じられた闇の女神。かつてはルファルファ神が世界を創世したと信じられていたが、現在はその地位はマーセラ神に取って代わられている。願いに見合った困難を与えた後に願いを叶えると信じられている。その信仰の中心はエスメラルダ(旧ルファ・ルダ)にあった。


レイデス:アナカルディアから馬で三日ほどの南に位置する街。街中を川が流れており、ナルデ河とイェルディア近郊との間で交易が盛ん。珍しい産物が集まり活気がある。


レギニータ号:バルバロッサの持ち船のひとつ。船長はマーティン。イェルディアで今のところ一番大きな船。優美な外見も手伝って、イェルディア湾の女王というふたつ名を持つ。

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