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時の巡り手は何を思う  作者: narikori11
モノリス界編
9/17

記憶の改造につき死に岸に立つ

自分的に、グロ注意です!

苦手な人は、この話は飛ばしてください!

テントの中で、アスタルテは一人で敵の攻撃でボロボロになった服を縫っていた。

すると、テントに入ってくるものが居た。


「カロスバーナ? 何の用? アティモス達(完治しました)と遊ばなくていい?」

「はい。 クリアヌの世話で手一杯で・・・・ あの子は元気になった途端ポップコーンの様に活発になりますから・・・・」

「ポップコーンとは?」

「あぁ・・・・ ポップコーンというのはですね・・・・」


テントの中は、少し騒がしくなった。


水分・食料は、近くの崩れた都市の店から貰っていた。

人が居たら大変なので、一応お金を置いておいた。

・・・・つまり、あまり苦しい生活は送っていない。


各世界を繋ぐ通路が閉じられたので、帰るすべがなくなった事意外。


その頃、外では・・・・

生命というのはたくましいものだ。一週間で草が沢山生えてきた。

アティモスが頭痛に顔を歪めた。


「大丈夫か?」

「・・・・ いや、何もない。 所で、ハーピー三兄弟は何をしている?」

「なにせ、クトゥルフという物をやっている様だ。 だいすという物の音はうるさいが・・・・ アティモス?」

「・・・・ ん? 何だったか・・・・ ハーピー三兄弟の餌の取り合いについてか?」

「まぁ、確かに奴ら良く食うけどさ・・・・」


アティモスは、遠くで、バロンと遊んでいるクリアヌを見た。


「日が暮れる・・・・」

「? だからアティモス、何を言って・・・・」

「・・・・さぁ、帰ろうか。 誰がクリアヌを背負うかじゃんけんで決めようか。」

「おい! 話をずらすな!」


アスタルテと、カロスバーナが話し合っている時にテントに三人+一匹の影が見える。


「全く・・・・ 俺がクリアヌを背負っているからテントはアティモスが開けろよ!」

「はいはい、お望み通りに王子様。」

「お前、何時キャラ変わった?」

「・・・・ ただのギャグだ。 気付け。」「あぁ・・・・ なんかすまない。」


アティモスとナモロが話し合っている間に、バロンが先に入った。

続いて、三人も入ってきた。

クリアヌは、遊びつかれぐっすり眠っていた。


バロンが、帰ってきたことを知らせるため飛び掛る。


「ちょっ、バロン、やめて! 針が刺さる!」


その言葉の後、アティモスが右手を押さえた。


「イッタ!」


アスタルテの指の腹から赤い血が丸く出て来た。


「バロン! いい加減にしてよ!」

「まぁ、舐めときゃ治るよそれくらい。」


その時、ハーピー三兄弟が慌ててテントに入ってきた。


「やばい! イヒロが6の異常食を引いた! アスタルテ、異常食の即興ってどんな感じ?」

「私に聞くか! 何でも知ってるわけじゃないんだよ!」


周りの騒がしい言葉に雑音が入ってくる。

母が、アティモスの体質について語っている暖かい記憶が、段々変わっていく。

白い洋服、列をなすアティモスを含める子供たち、目の前にある銀色の液体の入った注射器の針の先が光る。

前の子が注射を打った直後、あたりに肉片と骨片と血液が飛び散った。

白い洋服が赤く染まった。

犬の化け物が肉片をあさって食べている。


「さぁ、次は君の番だよ。 生き残れたらいいね。 何せ、この最終段階でモルモットは死んでしまうのだからね。」


無理やりベットに括り付けられ、白い衣服を着た人が注射器を持っている。


やめて・・・・


腕に注射器の針が刺さる痛みを感じた。


やめて、まだ死にたくない!


「あ・・・・ あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


叫んだ。

吐き気よりも、現実に恐怖しただ叫んだ。


===========================


周りに居る仲間は焦りだした。

アティモスが耳を塞いで行き成り叫び始めたのだ。


「おい!その話をやめろ! 裁縫道具をしまえ!」


怒鳴り声がテントに響く。

だれが怒鳴ったのかは分からなかったが、言うとおりにした。


「あと、ココから隔離できるか!」

「出来ません!」


アスタルテも敬語になっていた。


彼の支持をやり終えると、糸が切れたように、倒れこんだ。


テントの中に、アティモスを寝かせて、食料集めしているアローと龍介以外の仲間を集め、外で焚き火を炊きながら、夜空の下話を始める。


「クリアヌ、こういうことが起きても寝ていられること、ある意味尊敬するよ。」

「それで、どうやってきたのですか? アカモートさん。」


アスタルテが言う。


「それはおいとってほしい。 まず、この状況の説明だ。」

「ゼロもそれに賛成!」

「って何時の間に?」

「アティモスが叫んでから。」


アカモートがやれやれ、と首を振る。


「過去の話をしよう。」


ある時、モノリス界は目覚しい発展を遂げ、神の星とあがめられた。

そして、異世界の扉が開くとき、子供を生贄に渡すという制度が出来た。

その中の一人がアローだ。

元々エルフだったアティモスは、身体が強かった。

強かったがゆえに、ココに来てしまった。

アティモスは身体を色んな種族に変える事ができる。

何故かと言うと、人体実験を受けたからだ。

麻酔無しの手術に、劇薬の投与。

成功したのはアティモス一人。


しかも、やつらは、人工的にエルフを作ろうとした。

その一人の名が、アティモス。


アティモスが苦痛のあまりに、実験室を抜け出し、同族というため、アローを持っていった。


実験を行ったやつらは、アティモスに呪いをかける。

アティモスの記憶はすっかり変わった。


どんな呪いかって?

記憶を思い出すと殺される呪いだ。


この悪行を行ったのが、『黒の英雄』というもの。


「おい・・・・ それって・・・・」

「残酷です・・・・」

「そうじゃなくて、それを知っているっていうことは、まさかおまえ自身が・・・・」


ナモロが、敵意を覚える。


「いや・・・・ それが・・・・ 恥ずかしながら・・・・ 幼い頃、連れて行かれる子供を助けようとして、道ずれに・・・・ アティモスが来たのは、20年後だよ。 そして、強制的に、一時的に、黒の英雄の兵士にされた。」

「えっ・・・・」

「じゃあ、黒の英雄の仲間は、アティモスの・・・・」

「全員ではないが、少なくとも3人は居る。」


他の皆は固まった。


食料調達のアローと龍介が戻ってくる。

アローが、微笑んだ。


「話した? 僕は途中まで聞いてるから分かるけど・・・・ なんとも言えなくなる。」


ナモロは、アカモートの顔色をふと見た。

真っ青だった。


「アカモート、他に言う事があるのか?」


アカモートは言った。


「もし、それが彼女が死んだ記憶だったら、すぐに全て思い出すかもしれない。」

「彼女とは?」

「・・・・言えない。 もうアティモスが起きてしまったからな。」


テントからアティモスが頭を抱えて出て来た。


「何を話しているんだ? さっきから頭痛が酷くてな。」


アカモートとアティモスの目が合う。

いつも通り、アティモスが蹴りを入れる。

様にみんなには見えた。

アカモート蹴られた後、けられたところを触って、触った手を硬く握った。


「さよなら。 また会える日まで。」


と言い残し、何所かに行った。


次の日、ゼロは早くに目覚めた。

空が青いが、まだ太陽は顔を見せない。

そこで、アティモスが居ない事に気付く。

ゼロはアティモスを探し行く。


クリアヌとカロスバーナの居た木下に着いた。

人影が見える。

ゼロはその人影を見つけ、嫌な予感がする。

駆け寄ると、アティモスで、辺りの草が赤色の液体から日光を反射する。

アティモスの口元に血の後が付いていた。

アティモスが一瞬をくれた後、気配に気付き、


「内緒にしといてくれ。」


と言った。


ゼロは思った。

あぁ・・・・手遅れか・・・・

と。



次の食料調達はアティモス・???

テントの中ナモロが、しまったという顔をする。


「決めてない・・・・」

「じゃあゼロ行く! ゼロが行きたい!」

「ゼロでしゃばるな。 アティモスは誰と・・・・」


ナモロがアティモスのほうを向くと、居なかった。


テントの外に居たアティモスは、片手に花を沢山握って、

「行かなきゃ・・・・」

と一言残し、町に走っていった。


「待って、ゼロも行く!」

「おい、アティモスの俊足舐めんなよ! ぜ・・・・ろ・・・・」


ナモロがゼロを見ると、ドラゴンだ。


黄色いバハムートもエルフのもとに飛んでいく。

そして、何時の間にか、不死鳥も一緒に飛んで行く・・・・


「ま・・・・ 俺も行くから、少しぐらい待っていろ~!」


ナモロもそう叫びながら追いかけた。


「確か・・・・ ここ。」


町に入るとアティモスは目の前にあったマンホールの蓋を開け、飛び込んだ。

ゼロは人型に戻り飛び込む。

不死鳥のシュナとナモロも続く。


下は、下水道ではなく、真っ白な建物の中のようだった。

アティモスが一番手前の部屋に入る。

大人一人入れそうな1つの容器は血が擦れ擦れに溜まっていた。

容器の前にアティモスは一本花を置いた。


それを繰り返す内に、やたらと大きい部屋に出る。

とても寒く、周りの壁には六角形の形をしている線のくぼみと取っ手らしきものがあった。

アティモスは一つの取っ手らしきものを引っ張る。

その中には、上半身の皮膚と筋肉を丸々剥がされ、内臓がむき出しになった遺体があった。

その子には花を四つ置いた。

この空間にアティモスが引いた取ってはさっき一つだけだった。


何の事か分からないナモロとゼロは遺体の状況を見て、吐き気がこみ上げてきた。

アティモスがおかしいのかと思い始めるくらい、酷い所だった。


「皆、ココで死んだんだ。 地上の奴もこうなっているだろう。」

「あのモンスターの件は?」

「もっとその前にこうなっていた。 三人は運よく逃れたんだ。


アティモスがそう言う。


先に進むと、上から見下ろす白衣を着た嫌らしい笑みを浮かべた奴の視線が降り注ぐ。

白いスカートを真っ赤に染め、虚ろな眼をした白髪の少女がそこに立っていた。

肋骨を剥き出しにした犬を横に従えていた。

辺りには骨や服、臓器が散らばっている。

アティモスの歩く速度が速くなる。

犬が襲い掛かってくる。

あっさりナイフで犬の喉を切るアティモス。

彼女の前に来て、ナイフを振り下ろそうとする。


ナモロとゼロは眼を瞑った。

けれど、床に血が落ちる音はしない。

ナイフが落ちる音がした。


目を開けると白衣を着た奴が何かのスイッチを入れる。

アティモスが血を吐いた。

白いスカートの子がナイフを拾い上げる。

その子がナイフを振り下ろそうとする。

二人の身体が勝手に動いた。

ゼロとナモロの組み付きにその子は倒れる。

シュナがナイフを持ち去った。

けれど、その直後、その子が暴れだして振りほどかれた。

その子は殺す気でアティモスに走り出す。

アティモスが立ち上がり、その子を抱きしめる。


「日が暮れるからもう帰ろう。 もう誰も居ないよ。 誰も縛らない。 あんな痛い思いしなくて良い。

本当だとも。 私は嘘をつかない・・・・ だから帰ろう・・・・ ユリ・・・・ 」


アティモスの掠れた声にユリの眼に光が戻る。


アティモスが顔を上げる。

シュナのところに行って、ナイフを拾うアティモス。


「じゃあ、皆によろしく! 大丈夫・・・・ 死にはしないから。」


アティモスはそう言って幼い笑みを残し、心臓の辺りにナイフを突き刺した。

止めようとするナモロやゼロの話など聞かずに。


「あっちゃん! 何やってんの?」


ガラスが割れて、紫の髪と耳の半妖が飛び降りてくる。


「ココに飛び込むよ!」


と言ってアティモスほ半妖が背負って次元の歪むところに飛び込む。

ナモロとゼロとユリが飛び込んで、シュナが知らせに行く。


まだ、細い息があるアティモスの口が開いた。


「ありがとう、ナノハナ。」


そう言って、一時、何も聞こえなくなった。


======================


テントの近くの枯れ木に一羽の鳥が止まった。

金の輪が鈴のような音を立てる。

アレキはアローの裾を引っ張って、


「(やな感じがする。)」


と言って、強引に引きずって言った。


皆が後を追っていく。


マンホールの下をくぐって、花を辿り、皆もアティモスたちが飛び込んだところに飛び込んだ。


後ろに一人、白衣を着たものも一緒に・・・・

読んでいただいてありがとうございます!

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