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時の巡り手は何を思う  作者: narikori11
モノリス界編
7/17

過去に渡り行く

省略します!

まことにすいません!

跳んだ時間・・・・想像以上の文明開化時!

コレが本当に滅びるのかって位・・・・

ただし、アティモスが飛んだのは、例のジャリョウの住む社だった。

多くある樹の中の、太い一本に、身を預けていた。

樹が沢山生えているのだが、吸血カタツムリにとっては、苦労したのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


======================


うつらうつらしていたらしく、誰かが頬を突いてびっくりした。

それは紛れも無い男の子だったので、ナイフを抜くような事はしなかった。

その子は、興味津々な目でアティモスを見詰めていた。


その子、手の平の蝸牛を出して、

「コレ、なんて言う生き物?」

と、質問した。

あちらの世界(マグネス界)では、見ようとしなくても目に入る位、蝸牛好きな町があるので、虫には慣れていた。

アティモスは、答えた。

「蝸牛と言うんだ。」

すると、目を輝かせて、鞄からメモを取り出し、メモを取って、メモをしまって、違う虫を出して、聞いてを繰り返して・・・・


20回目でようやく、手持ちの虫が無くなったらしく、質問を止めた。

蝸牛以外の虫を放ってやると、

「僕、龍介(りゅうすけ)。 また来て良い?」

と言った。


良い話し相手になりそうだと思って、うなずいた。


で、今頃気付く。

ナモロが居ない・・・・(ナモロ可哀想・・・・)


1日後・・・・・


約束道理、龍介は来た。

勿論、手や鞄にいっぱいの虫を詰め込んで。

初日と同じ事を繰り返す。


2日後も、3日後も・・・・・


5日後・・・・


龍介にある疑問が浮かんだ。

何故か、一番最初に聞いた蝸牛は、何度来てくれても、最初に質問することだった。

しかも、全く同じ蝸牛を。


アティモスは、聞いてみた。

「なんで、一番最初に蝸牛を聞くんだい?」

龍介は、言った。

「貴方が、まだ僕の事を覚え、信じてくれてるか確かめるため。」

「なんで、確かめるんだい?」

アティモスの質問に、今度は、少し間を空けていった。

「僕、今年で小6になるんだ。 でもね、皆、僕の事全部忘れてて、僕が虫の話をすると、そんなの嘘じゃない?とか、こいつ、虫なんか信じてるぜ。とか、からかわれるんだ。 だから・・・・」

「だから、一番好きな蝸牛を質問する。と。」

アティモスが、龍介の言葉を継ぎ、龍介は、頷いた。

アティモスは、少し微笑んで言った。

「質問する前に、胸を張りな。 僕はコレを信じてるんだって言う意見はいいが、突き通さなきゃ意味が無いだろう? 社会では、こういう知恵も必要なんだよ」


龍介は、涙を流しながら聞いた。

「貴方の生まれた場所はどんな場所だった?」

「父が母を殺すような、残酷な場所だった。 流血沙汰なんて、日常茶飯事だ。 おまけに、日常をまともに過ごせず、毎日を怯えて過ごし、父も母も無くしたある姉は、赤ん坊の弟を1人で養っていかなければならない場所。」

「何人も居るの?」

「掃いて捨てるほど居るよ」

龍介は、涙をぬぐって、

「明日来るね。」

と言って、帰っていった。


===========================


龍介も疑問があった。

あんなに色んな事を知っているのに、なぜずっと、あの樹によりかかっているのだろうか。

この森を歩き回って知識を得たんだと思うけど、1日たっても、2日たっても、動いた様子は無い。


龍介は、真夜中に窓越しにあの人を観察することにした。

だが、眠くなって寝てしまった。

・・・・・・・・


起きたら、寝ているあの人の隣に、仰向けのリス・・・・・・

一瞬食べるのかと思った。

だが、起きたあの人は、リスを擽って起こした。

あの人は、立とうとしたが、立てないのか樹を頼りに座ってしまった。

あの人は、苦笑いすると、また眠ってしまった。


龍介はそっと近寄った。

尖った耳が気になったのだ。

つついてみたが、変化が無かったようで、触りまくっていた。

どんな構造になっているのか・・・・


=============================


朝・・・・


アティモスが目を覚ますと、龍介は肩に頭を乗せて寝ていた。

さすがにびっくりしたらしく、固まったまま何もしなかった。

しばらくすると我に返り、言う事を聞かぬ身体で、何とか龍介と隙間を空け、龍介を寝かせ、鞄をおいて、丁度良いマントがあったので、布団代わりにかけてやった。


さてと、予想からすると、龍介が吸血カタツムリが生まれた元凶になる。

この子が死ななかったら吸血カタツムリは生まれることが無い。

時間軸が狂って、多分、龍介はあの時代に生きている3人目になるだろう。

後、おとぎ話の内容も、あの玉の様になったカリョウ・カンニュの記憶も皆から消え去り、また1人だけが知っている時間が出来る。

多分、龍介でさえも。


「・・・・えっ、寝てた? ・・・・作戦失敗、撤収撤収!」


龍介の言葉に正直「えっ」と思う部分がいくつかあった。

まず1つ、「寝てた?」の部分は、普通の人は寝たという自覚があるけど、さっきの子には無い。

あと、「作戦失敗」の部分は、なんか企んでたのかという様な反応を顔に出しそうになる。

最後に「撤収撤収!」の部分は、「作戦失敗」の言葉を確信に変えかけた。


龍介は足を止めた。

「そういえば、貴方の名前は?」

アティモスは、少し微笑んで、

「アティモス・リーナ・アカモート」

と答えた。

「アティモス・・・・か。 良い名前だなぁ~。」

アティモスは、驚いた顔をして、龍介を見た。

「そんな事言われたのは初めてだ。」

「そう? じゃ、また会おうね!」

龍介は帰った。


これから龍介を見かける事は無くなった。


今日、手紙が落ちている事が分かった。

飛行機型の手紙。

内容は、たった1文。

たった1文だったが、運命を変える1文だった。

アティモスは、よろめきながらも起き上がり、体の許す限り走った。


手紙の内容はこうだった。


『お願い、助けて。』



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