絶体絶命の洞窟
2話目 修正完了です!
(アティモス)「なぜ恋人かって? それは最後のお楽しみ!」
(アスタルテ)「隠すなし」
ここにいる一同は、この爆弾・・・・いや、アティモスをどう扱うか、考えあぐねていた。
ちなみに近くで戦ったりするのは、命知らずのやることだ。
つまり戦ったら自動的に爆発(?)の可能性があるということだ。
「・・・・戦おうにも戦ったらあいつがなぁ・・・・」
と、英雄が言う。
静寂だけがこの洞窟に、充満していた。ここにいる一同は、この爆弾・・・・いや、アティモスをどう扱うか、考えあぐねていた。
ちなみに近くで戦ったりするのは、命知らずのやることだ。
つまり戦ったら自動的に爆発(?)の可能性があるということだ。
「・・・・戦おうにも戦ったらあいつがなぁ・・・・」
と、英雄が言う。
静寂だけがこの洞窟に、充満していた。
静寂を打ち破ったのは、バロンにも似た鳴き声だった。
「なんで・・・・ バロンが?」
アスタルテ。
「・・・・まさか、まだ罠を仕掛けていたのか?」
ナモロの訪ねたそのまさかだった。
「あぁ・・・・よりに限って今この罠に引っ掛かったものが居るらしい。 特に今はやばい罠に・・・・」
英雄が言ったとき、時すでに遅し。
黒の英雄の部下の部下が、バロンと目の前で戦い始めた。
事情を知ってる一行は、パニックになって硬直していた。
英雄の鶴の一声ともいかない。
なぜなら、「兵」は、「指揮官」の言うことしか聞かず、「指揮官」は、「黒の英雄」の言うことしか聞かない。
つまり、今戦っている「兵」は、英雄の言うことを聞かないのだ・・・・(ちゃんと従わせろし!)
炎は大きくなり、戦いは激しくなった。
炎は、アローが放った矢の炎だ。
「これこそ修羅場だな。」と思ったアスタルテだった。
まぁそれはどうでもいいのだが・・・・
問題のアティモスは・・・・・
夢の中に居た。
ん?
「ファァ。」
いかにも子供っぽい欠伸。
母が居る。
わたしは子供に戻ったのか。
「今日はステーキよ。 パパが買ってきたのよ。」
母が言う。
「たくさん食って大きくなれよ。 今日は4人で食べようか。」
父が言う。
「食べよ、食べよー!」
ニコニコしながらアローが言う。
懐かしい、いっそこのまま居てもいいだろうか?
今日は、2月30日・・・・そういえば私の誕生日だ。
4059年・・・・まさか・・・・この日は母が・・・・
チャイムが鳴る。
待って、出てはいけない。
でも、目の前で母が殺されるのを見ているしかなかった。誕生日なのに・・・・
泣きじゃくった。
その頃の無邪気なわたしは。 アローは・・・・
・・・・・
アティモスが眼を覚ましたら、戦場だ。
アティモスは、寝っころがっていた。
頭が割れるような痛みと同時に呼吸に肺が悲鳴を上げた。
こんな最悪の状態に起きた自分を恨みたかった。
体中が痛み、動くこともできない。
アティモスは、軽く焦った。
「じゃあ、この矢の降る戦場の中で動けない私は、今ここで、死んじゃうってことか!」そう考えてた・・・・はずだ。
でも、そこで終わるアティモスじゃない。
何を考えたのかは知らないが、薄い笑みを浮かべた。
ナモロは、ボーゼンとしていた。
何にもすることなく、ただただボーっとするだけ。
戦いが、ヒートアップするにつれ、観客にも火の粉が散るようになっていた。
そして、気の狂った兵がナモロ達に、背後から襲い掛かった!
ちなみに、仲間達はなんにも知らず、ただ突っ立っていた。
「はは・・・・ 私の仲間を殺そうとは、どういう了見だ? 私はもうとっくの昔に起きていると言うのに・・・・」
アティモスは、不満げな顔をしながら言った。
ナモロ達に襲い掛かった兵の仲間は、アティモスの怒りを買ってしまい、コテンパンにされてしまった。
「あーあ。 1番強い軍隊なのにさぁ、一瞬でこれだよ。(倒された兵達を指差す) さすがアカモート家。
母を逝かせてほんと良かったかもな。」
この英雄から出た言葉が、治まった爆弾にまた火を点けることになった。
「母は、もう土の下っていうことは、そうとう恨んでるはず(棒)」
「それってやばくない?。」(お前の母じゃないんかい)
ナモロの発言に、アローが乗っかる。
「導火線に、火が付いた・・・・と言えばいいか。」
ナモロが、汗を流しながら言う。
「つまり、逃げたほうが身のためってこと!」
「冗談だといって・・・・」
「こんな時に、冗談なんぞ言うか・・・・」
ナモロと、アローの会話に、この場に居る全員が震え上がった。
「いや、その前にここから去った方が良い。 なぜならこの人こそが、私の父だから。」
仲間には、ついでにこう告げておいた。
「もし、この島ごと爆発したら、ほぼ死んでるいると思ってここからすぐに立ち去れ・・・・」
言い替えると、「もし、この島が爆発したら、私は死んでいると思って戻ってこないいい。」という事だ。
アティモスは、奥に進んだ・・・・
ここならナモロ達も付いてこないだろう。 なんせ死体がゴロゴロころがってるからな。
特に、アローが断固拒否するだろう。
アローが拒否するのを想像して、アティモスは、意地悪そうな笑みを浮かべた。
そして気持ちを切り替えた。
今、私は、死に場所を探しているんだ。
まず、私は父に勝てないだろう。
まぁ、戦友を失うよりはましだ。
いや、ナモロは「恋人」のほうが正確か。
そう考えるとアティモスは顔を赤らめた。
この雑念を打ち払うかのように、後ろから兵が押し寄せてきた。
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「大丈夫だろうか。」
ナモロ。
「ぜっっっったい大丈夫じゃないでしょ。」
イノリ。
アローは、パニック状態、アスタルテは、考える像になってて、イヒロとイブキは、こっそりアティモスの後を追っていた。
こっそりと。
「吐き気がする・・・・」
「俺も・・・・」
2匹は、転がっている死体に吐き気を憶えた。
「こんなに死体が転がっていると言うことは・・・・人食い霊って可能性も・・・・」
イヒロが言う。
「おいおい、こりゃやばいことになったぞ。」
この後のイヒロの言うことが的中するのだが、それはまた後の話。
ちなみに人食い霊とは、人の屍を食らう生き物・・・・じゃなくて、化け物。
「他にもゾンビ、キョンシー、生きる屍って可能性も・・・・」
「それ全部ゾンビの類だから・・・・」
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その頃アティモスは、落とし穴に落ちていた。
最初は、「しまった!」と、思っていたが今は、「何でこんなに長いんだ。」と、思っていた。
落ちて、落ちて、結局一分以上たつのだが。
アティモスは、「まだ底に着かないのか。」と思い下を見て、「とんでもない所に落ちた・・・・」と思った。
エルフは、鉄で攻撃または、縛る、または、鉄の部分を持つと、死んでしまうという可能性がある。
それは、エルフは元々木の精霊なので、鉄には弱いのだ。
で、何を見たのかって?
柄の方が地面に刺さった、つまり刃が上を向いた状態で刺さっているのだ。
さてと、どうしようか・・・・
多分このままじゃ、確実にあの世逝きになる・・・・
この方法も、あの方法もあまりお勧めじゃない・・・・
まぁ、身体の中心(心臓)に、突き刺さるよりは良いが・・・・
・・・・
一か八か、やるしかないだろう!
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一方、ナモロ達は、とんでもない事態に巻き込まれていた。
ゾンビの軍隊(?)が押し寄せてきたからだ。
なぜかというと・・・・
死体を操る糸が見えてるのと、その死体が糸に絡まり、動けなくなっているからだ・・・・
「見え透いた罠を仕掛けるのはやめてほしいです。」
と、アスタルテ。
アローは・・・・
ダウンしていた。(アローは、ホラー映画とか、お化け屋敷とかが、苦手なのだ。)
バロンが背中に乗っけているが、見るからに気分が悪そうで、真っ青だった。
ナモロは・・・・
この状況でアティモスが心配になり、すっ飛んで行った。
イノリは・・・・
現在絶賛混乱中・・・・
翼をバタつかせているので、あっちこっちに羽が飛び散った。
ハーピーの羽は、武器にもなるので周りの者は、一ヶ所に留まることが出来なかった。(アローの分は、バロンが動いた。)
「アティモス・・・・もう耐え切れない、助けて!」
アスタルテは、苦痛に耐え切れず(?)、助けを求めた。
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アティモスは、一か八かの作戦に出ていた。
そして今、左足を犠牲にして、なんとか着地した。
「あぁ、今誰かが振って来たら嬉しいのだが・・・・ いや、さらに深く刺さって危険か。」
苦笑いを浮かべながら、アティモスが言った。
「あいつか、あいつか、弟か(その可能性は低いが・・・・)、3匹か・・・・」
痛みを誤魔化す為、喋り続けていたが、追い討ちをかけるように「あいつ」が落ちてきた。
あいつが、着地した所は、刃物の上。
しかも、アティモスに刺さっている刃物の平たい所に見事に着地した。(刃物を抜いていなかった)
危うく刃物の上に、寝っころがりそうになった。
「ナっ・・・・ナモロ一体どこにのっかていると思うか・・・・」
「まさに、絶体絶命という言葉が相応しい。 っとこんな感じかなぁ。」
見知らぬ誰かがその一部始終を見ていた。
見知らぬ誰かは、ペンとノートをもっていて、ノートをペンで2回叩いた。
「あのー、聞こえてますか? こちらゼノ・・・・」
「・・・・ 至急応援頼む・・・・」
するとその誰かが、丸い円を二つ、その中に逆三角を書いた。
「こちらゼノ、任務を遂行することを誓います。」
「よし、降りてくれ。」
すると、ロープが降りて、黄色い中途半端髪の男の子がいた。
「これはチョットやばいかもねぇ・・・・」
「だれだ?」
「僕ゼロだから、本名は、ゼロ・カンタルテだから。 めんどいなら、ゼロで良いから。 さっ、ゼロに乗って乗って。 こう見えても、結構頑丈だし、力持ちだから。」
「・・・・その弱弱しい体で言えることか?」
「ゼロはね、兄弟が二人いるの。 ウンディーネと、アレキサンダー。 アレキサンダーは長いから、アレキで良いから。」
「人の名前、勝手に省略していいのか?」
「大丈夫だから。 5歳の頃に、許可貰ったから。」
「多分憶えてないと思うぞー、その許可。」
「いや、アレキ今、6歳だから。」
「一体いつ産まれたんだ!」
なんか漫才している様な気分で、ナモロは、観客気分だった。
「んで、どうやってこのやけに長い落とし穴から抜けようか?」
「これこそゼロの番! でも・・・・狭すぎるから先に背中に乗って欲しいなぁ。」
「あぁ、分かった分かった乗るから・・・・」
1人が2人を背負うとは妙だが、なぜか背負えた。
すると段々大きくなり、翼が生え、ドラゴン級の大きさ・・・・いや、ドラゴンになっていた。
「おい、これは聴かされてないぞ・・・・」
ついには、ドラゴンの中で一番大きいバハムート位になっていて、ドラゴン化したゼロの頭が落とし穴からひょっこり見えた。
2人は、飛んで出ると思ってしっかりしがみ付いていたが、ゼロは洞窟が狭すぎて飛べないのだった。
ゼロは仕方なく首を丸めて2人を出そうとした。
その勢いがあまりにも速かったから、もしも首が壁に当たっていたら、首ちょんぱ状態になっただろう。(幸いに、ちょんぱせずに済みました)
なんとか出た2人はゼロをどうしようかと考えたが、ゼロが
「僕はほっといて良いから。」
とか言うので、ゼロはそんままにして、もの凄い速さでどこかに行ってしまった。
ゼロは「やっぱりね。」と言う顔を、ナモロは「普通は、そんなこと言うな とか言いそうだけど・・・・」という顔をしていた。
ー1時間後ー
結局出せずじまいに終わったが、
「何考えてるんだ!」と言うアティモスの怒号が聞こえてきた。
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一方、アローが居るチームも聞こえていた。
そして、その現場は・・・・
おろおろする元(?)父の英雄と、血で赤く染まったアティモスがいた。
皆がこっそり覗くとアティモスが指を鳴らして、髪以外、ナモロそのまま書き写したような半妖になったのを目撃した。
「さて、これで問題は無いだろう。」
そして、ブツブツ文句を言いながらナイフの準備をこっそりした。
バックからさらに小さい刃物を取り出し、何かした。
そのナイフは、投げてもないのにナモロの手の中に入っていた。
「えーと、何々?」
「こらゼロ、勝手に取るな!」
「良いじゃないですか、隊長。」
「っていうか一体どうやって出た?」
「あーあー聞こえませ-ん。 もう読んじゃいますね。」
ゼロは書いてある物を棒読みした。
「(さっさと船に戻ってくれ。 さもないと100%皆あの世逝きだぞ。)?」
「何でこんなものを?」
ナモロが言うと、次のナイフがゼロの手の中にあった。
「(なるべく犠牲は最小限にしたい。 全員が逃げると通路の死体が動いて、全員食らうらしいからな)」
「あれって本当にゾンビ衆だったのか?」
「(分かったらさっさと行け)」
「おい、なんでそこ分けた。」
「だって鉄の所に赤ーく書いてあったんだもん。」
・・・・
漫才の後の沈黙・・・・
「それって・・・・」
最悪のパターンを皆が思い浮かべたその時
「ん?(ちょっと間違えて指を切ってしまったが、3本目を使うのはなんなのでここに書いておく)・・・・ドジだなぁー。」
「「「重要な部分読み忘れるな!」」」
「だって小さく書いてあったんだよ、いくらゼロでも飛ばしちゃうくらいちっちゃなやつ。」
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ごたごた言っていたがやっと気付いたらしい。
船の所までワープされていたのだ。
再び洞窟に入ろうとすると弾かれた。
眼を凝らすと、洞窟に(糸に吊るされた)ゾンビがいっぱい居て、今さっきナモロ達に気付いた。
ナモロ達に近づこうと来ると、弾き返され、来てを繰り返した。
「娘さん、ありがとう。 さっきのままだったら僕達あのゾンビの餌になってたよ・・・・」
「いや、ゾンビにはならないし、食われもしないさ。 だが、なんでアティモスだと分かる?」
ゼロは急に悲しい顔になった。
「僕達を守るこの結界の中、聞こえないのかい? あの悲しそうな歌。 見えないのかい? 血塗れになろうとも守ろうとする娘さんの意思が。 もし僕達が、助けなかったら確実にここが娘さんの墓場になっちゃうよ。」
「・・・・どんな歌詞なんだ?」
「聞かないほうがいいよ。」
聞いたら余計に悲しくなるだけだ。
けれどゾンビはまだ、引き換えし、こちらへ来るを繰り返していた。
つまり、これを繰り返し歌っているのだ。
「お前にはアティモスのどんな姿を想像する?」
ナモロが聞くと、
「何億といるゾンビ達の真ん中に張り付けにされてる娘さんの姿が見える。」
ゼロの言ったことは、現実となっていた。
張り付けとまではいかなかったが、黒の英雄と2人ゾンビと戦っていた。(アティモスは歌いながら)
英雄にもゾンビが居たことは、全く知らなかったようだ。
魔法の効果が切れて、血塗れになっていた。
「このメロディー、俺の歌とよく似ている。」
そう言ってナモロは小さな声で眼を瞑りながら歌った。
小さいにもかかわらず大砲が、何億と宙に浮いていた。
ナモロが眼を開けるととんでもないことになっていた。
ナモロの大砲が洞窟に向けて放たれたとか、ドラゴンのゼロが突進した訳でもない。
でも、洞窟は見事に砂山になっていた。
「上質な砂だねぇ・・・・ でも今はこの砂に飲み込まれそうな感じなんだな・・・・」
ゼロが言った。
黒の英雄の仕業かと思ったら、ゾンビと共に砂山の下敷きに・・・・
じゃあ誰の仕業かと言えば残った危険人物は・・・・
アティモスしか居ないだろう。
でもあんな状態でこんなことできっこ無いと思うだろう。
でも、今のアティモスならやれるかもしれない。
空中に浮いていて、しかも青白く光っているし・・・・子供だし・・・・泣いてる・・・・
母を殺された思いは消えるものではない。 父に裏切られた思いも、一人で弟を育ててきた思いも・・・・
俺のこと分かるかな?と思いつつも、近づいていた。
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また・・・・やってしまった・・・・
皆は逃げているだろうか?
罠に捕まってなどいないだろうか?
近づきすぎて、巻き添えになってないだろうか?
皆はこれからちゃんと付き合ってくれるだろうか?
不安で泣いた。
今なら誰も見ていない。
心のまま周りを気にせず泣いた。
だが、肩を叩かれ驚いたので少し飛び上がった。
誰かと思ったので、振り向くと、彼がいた。
安心したせいか、気が緩み、眠りの中に沈んでいった。
===========================
目が覚めると、そこは病室だった。
弟と、彼と、アスタルテが、けんかしている。
窓が開いて、何事かと思えば、父が窓からヒョッコリ顔をだしているので、ムカついて回し蹴りをかましてやった。(一時的に怪我が消える魔法を使って)
回し蹴りするとき、ゴトンと言う音がしたので、騒ぎもすっかり治まった。
「お帰り、三日ぶりだぞ。アティモス。」
ナモロ
アティモスと呼ばれた少女は苦笑いから、笑みに変え、
「あぁ、ただいま。 ナモロ。」
と優しく言った。
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