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時の巡り手は何を思う  作者: narikori11
アカイア界編
11/17

知らない痛み

アティモス:「・・・・ やっとか・・・・」

ナモロ:「待ちくたびれたし、7000文字ってそんなにかかる?」

narikori11:「結構ありますよ・・・・ けど、w」

アスタルテ:「はいはい・・・・ 自慢話はいいから速く始めるよ!」

narikori11:(さえぎられた)

「あ・・・・ あてぃもす・・・・ 起きないで・・・・ 起きないで・・・・」


かすかに声が聞こえた。

薄く眼を開けてみると、緑の髪の黒い角の生えた五歳くらいの男の子が居た。

男の子は眼を輝かせて、


「起きなかった! 起きなかった!」


とはしゃぎ回る。

記憶の中で、また内容が書き換えられた。


アティモスはこの子に会った事がある。

天邪鬼と言う種族で、背丈が低く、言いたい事と逆さまのことを言う。

名前は鬼百合。


「鬼百合?」

「違うよ、鬼百合だよ!」

「そうだな、鬼百合じゃないな!」


鬼百合の頭をアティモスは軽く叩いた。


「心配しなかった! 怪我してなかったもん・・・・・」

「あぁ・・・・」


そうだった・・・・

あの機械の奴に襲われて・・・・

と思い出し始めた。


煙に乗っていい匂いが漂ってきた。

鬼百合とは別の天邪鬼が、兎のシチューを作ってくれていたようだ。

鬼百合が何所かに行くと、アティモスは、起き上がろうとして痛みに顔を歪めた。


「流石に・・・・ 今は無理か・・・・」


すると木製の器を持って鬼百合が駆け寄ってきた。


「食べないで。 食べたら元気出ないよ。」

「ありがとう・・・・」


アティモスは、器を受け取ったが、一つ不思議の感情が芽生えた。

何で、鬼百合の言っている事がすぐに分かるのか?

口に入れると、優しい味が口の中に広がった。

それと同時に、緊張の糸がほぐれていった。


アティモス森の大きな木に身を預けながら、動かない身体で、ただじっと、枝に動物たちが止まるのを見ていた。

木漏れ日の中に手をを伸ばしてみる。

記憶は掴めそうで掴めないこの木漏れ日のようで蜃気楼のように揺れている。

もし、皆と会った事さえもゆがんでしまうのだろうか・・・・


============================


霧が晴れた二日後、皆は焦りながらアティモスを探しに行った。

大きな機械と赤くなっている土。

アティモスは居なかった。

皆、不安になってきた。

黒の英雄とか言うのに連れてかれた? もしくは別の何か? それとも・・・・ もう・・・・

その時、近くの茂みが揺れる。

そこからは、アティモスにそっくりなエルフがたくさん出て来た。 服装も、瞳も、言葉も・・・・


戦闘の腕前も。


気付いていない仲間たちが不意打ちを食らい倒れていく。

全員、この中にアティモスが居るのか? 裏切ったのか?

その考えが浮かんだ直後、胸に衝撃を感じて意識が飛んでいった。


==========================


木々から小鳥が甲高い鳴き声を出しながら、飛び立っていく。

黄色の髪が止まる反動で揺れる。

あのチェーンソーの音が響く。


「まさか・・・・」


魔法を使い、チェーンソーの音に足を向けた。 出来るだけ速く。


たどり着く。

仲間が酷く傷ついているのが眼に飛び込む。 食材を探していた鬼百合も。

アティモスに似ている誰かがいやらしく微笑みナイフを投げてくる。

ナイフは全部当たらなかった。 ただ真っ直ぐに進むアティモスはオレンジの髪の半妖の所に行く。

そこに座り込んで手を握った。 氷のように冷たくて、脈も無いただの冷たい塊。

今まで笑っていた筈なんだ。 今まで、心配して探し回っていた筈なんだ。 急にこうなるのか。 動かなくなるのか? もう二度と・・・・

赤いマフラーが手に止まる。 もしかしたら・・・・

マフラーをその半妖に巻きつけた。


「なぁ、聞こえるか・・・・ 私はココにいるぞ。 芝居はもうコリゴリだ速く起きてくれ。 なんてな・・・・ 無理だろうな・・・・ 流石にな・・・・ 生きてないと意味無いもんな・・・・」


涙が落ちて行く。

息苦しいのが呼吸を助けるマフラーを外したためか、泣いている為か分からなかった。

皆消えていく・・・・ ならば・・・・ もう・・・・

消えてしまおう。 自分も。

時間を戻しても意味は無い。 生きていく理由も無い。

だがその前に、敵を打とうか。

似た存在が襲い掛かる。 

ナイフを一振りしただけで、絶命していく。

長い長期戦ではなく、短い戦闘だった。

生きる場所を失ったアティモスは、護るものがない。

居場所も、生きる理由も・・・・


記憶が書き換えられる。

そうだった、もともと、私の居場所は無かったんだ。

私は・・・・ 作られたんだ。

人工的に・・・・

じゃあ、この痛みは何だ。 胸が張り裂けそうなこの思いは何だ。 この思いは・・・・ なんだ?

涙が溢れてくる。 喉が熱くなって声が飛び出す。

嘘だ・・・・ 嘘だ・・・・ 全部全部嘘だ・・・・ 信じたい。 コレが夢だったら・・・・

夢だったらよかったのに・・・・

辺りにある仲間の遺体が現実を突きつけてくる。

息も、気配もしない。一人泣き叫ぶ。


涙も枯れて、泣き疲れて、酸素不足で意識が朦朧としている中、オレンジの半妖の木に寄りかかっている遺体に頭を乗せて歌った。

皆の出会い、短いすごした時間、やり足りない事が沢山あった。

もっともっと、一緒に居たかった。 もう叶わない夢。 全てを込めて、命を削るつもりで・・・・

手を握った。 冷たい手を温めるように。 生き返るはず無いけどね。


その手は弱々しく握り返してきた。

はっとして、脈を確かめた。

微かに動く脈に眼を輝かせた、皆の肺が呼吸していた。

ナノハナの家に薬を取りに行くにしても、皆が心配だ。

そうだ、いっそのこと皆を運べばいいんだ。 

二回の部屋を何回も往復して・・・・ 所で、ガロウとシュナを何所にどうすればいいのかが分からない。 トラだから・・・・

とりあえず、仲良しだからアスタルテの近く・・・・ いや、爪が引っかかって怪我をしたら意味が無いし・・・・ もう、一匹+一羽は一階の部屋に置こう。 入りきらないし・・・・


薬学は少しは分かる。 何せトラブル体質だ。 一つや二つ、治療法を覚えていないと死んでいるだろう。

治療薬と、麻酔薬・・・・ 他になんかいるっけ? あ、包帯とかの治療器具か。

日が暮れて、星が眼を覚ます頃、妖怪たちが押し寄せる。 薬を求めているのか、もしかしたら別の用件か・・・・

ふと、近くの本に目がつくナノハナには失礼だが、見させてもらった。

どうやら、この集団は薬を求めているらしく、夜が明けるまでやってくるらしい。

仕方ない・・・・ この格好は新しい助手で言い訳がつく。 本を見ながら薬を探そうか。 じゃあ、開店しようか。


太陽が昇るころ、妖怪たちは、自分の住処に帰っていく。

受付に疲れて突っ伏していたアティモスはやっと仲間の手当てに手をつけた。

自分の手当てではないので、額から冷や汗が出ていた。 そして、ふと思い出した。


「そうだな・・・・ ナモロ、この銃借りっぱなしだったな。 この銃、肌身離さず持っていたから、ここにおいて置くぞ。」


そう言って、そっと、ナモロの近くに置いといた。


終わったら、料理に洗濯・・・・ その他家事全般・・・・ そしたら、日が暮れてお客様ラッシュ・・・・


食料を探し、食料庫に入れた帰り、錆付いた突いた音が聞こえる。

チェーンソーの音が逃げる小鳥の鳴き声と不協和音を奏でる。

冷たいナイフを腰からいくつか抜いた。

機械は1体じゃなかった。 周りに10体ほど。

正面の機械に切りかかる。 チェーンソーを振り上げる。 弱点はもう分かっている。 中心の丸い蓋の鍵を弾くと赤黒い燃料が流れ出す。地面に当たり、視界を赤く染め上げていく。

尻尾を出した奴から鍵を弾いて、真っ赤な霧を濃くしていった。

さいごのやつの鍵を弾いて気を緩めた時、赤黒い燃料と共に、エルフが飛び出す。 しまったと思った。

肩に強い衝撃が来る。 ナイフを刺された後、そのそっくりなエルフは、泣いていた。 声も無く。


「1239」

「???」

「私の番号・・・・」


そのエルフは右手の爪を見せる。 親指に小さな赤い字で1239と書かれていた。

アティモスは不快な気持ちになった。


「番号は・・・・ 妙だ。 そうだ、ひなげしにしよう。 ひなげし。」

「ひな・・・・ げし? 名前?」

「そうだ。 名前だ。 ひなげし!」

「ひなげし! ひなげし!」


ひなげしはとても喜びながらはしゃぎ回った。 アティモスとは何か違うこの子は、他のそっくりそうで違う。

感情を持っている。

ひなげしは此方を向く。 近寄るとまた泣き出す。


泣きつかれたひなげしが怪我してない肩に頭を乗せ寝ていた。

まるで姉妹みたいだと思って微笑んだ。 霧が止んだ頃、ひなげしが起きた。


「・・・・ ひなげし、ちょっと寄って行くか?」

「・・・・ うん。」


起きようとしたとき、激痛が走った。 傷口が開いていて激しく出血していた。 時間が戻ったのだ。

ひなげしがこちらを振り向く。 なんでもないと手を振った。

傷口を押さえながら歩く。 気付かれないよう、心配をかけないように・・・・


入った後、両方とも止血して、包帯で巻いた。

ひなげしは興味があって、棚を開けたり物をかきだしたり・・・・・

一番上の一番隅のほうにある棚を引いて中身から、白い花を出してきた。


「これ、傷、効く?」


聞いてくる。 首を横に振った。


「そっちじゃなくて、こっち。」


ひなげしが引いた棚の右の棚からしおれかけの紫の花を出した。

すぼんだ花は干からびていて触れると花びらが散った。

けど、アティモスによく似ている。 すぐに命を散らすけど、人を癒しながら死んでいくこの花と・・・・

ひなげしはじっと見詰めていた。


「大丈夫・・・・?」

「? 大丈夫だ。」


顔から血の気が無くて、ふらふらしている。 ひなげしは、アティモスが我慢していることを知っている。

痛みも、傷も、感情も・・・・


「ホントに、顔色悪いし、フラフラしてる・・・・」

「・・・・ 本当に大丈夫だ。」


ひなげしは心配しながら行動を行った。

時間を巻き戻して、傷が塞がっている状態で家事を済ませ、来る客の薬の調合を済ませた。

仲間は目覚めない。

生きているけど、動いていない。


============================


そういっているうちに、日が暮れた。

接客がうまくなっていると自分でも思った。 戦闘を生きがいにしているのに、今商売している・・・・

何か可笑しくて、心の中で笑った。

ひなげしも一緒に店番をやっている。 外で薬草を取ってくる係りだが。

アティモスと似ているから、記憶力もいい。 棚に入っていた草を正確に覚えて、似ている毒草さえも無かった。

閉店後、アティモスが傷を押さえるのを見て、声をかけようとした。 けど、やめた。 アティモスはどこか寂しそうにいて、責任を沢山背負っていた。

言うと、アティモスの心が崩れてしまいそうで・・・・ 言い出せなかった。


=================================


夢を見た。 アティモスが泣いている夢。 赤い景色の中、仲間の中、一人声を上げて泣いていた。

近寄ってきたと思った時、首を絞めてきた。 感情無い、そっくりなエルフが嫌らしい笑みを浮かべながら、手に力を入れてきた・・・・

目が覚めた。 湿ったオレンジ色の髪が顔に張り付いていた。布団を被されて、手当ても終わっていた。

皆、近くの茣蓙に寝かされていた。 まだ皆起きていない。 起き上がろうとしても、力が入らない。

襖が開いた。 日の光が差して、眩しくて、眼を細めた。

包帯を替えて、汗を拭いていく誰か。

尖った耳、日を浴びて金色に輝く黄色の髪。

自分の近くに来たと思って、寝たふりをする。

冷たい手が額に当たって、驚いて眼を開けた。 緑の瞳が自分の瞳を驚いたように見詰めている。


「・・・・ お帰り?」

「・・・・ ただいま・・・・か、これ?」

「・・・・ あぁ・・・・」


幻覚でも見ているかのように驚いた瞳の奥に、弾ける様な喜びが見えた。


「少し待っていろ。」


襖を閉めたあと、微かに血の臭いがした。


============================


襖を閉めた後、近くの壁に寄りかかって、傷口を押さえた。 白い包帯に血が滲んで赤く染まっていく。

ココで倒れたら駄目だ。 今、動けるのは私だけなんだ。 仲間が起きたからって油断するな。

そう自分に言い聞かせて、立ち上がった。 壁を辿りながら囲炉裏まで来た。 囲炉裏の近くに座ったら、ため息が漏れた。 向かい側にひなげしが座っている。 火の上に浮かぶ鍋に食料庫にあった粟と少し多めに水を入れた。

洗濯物が乾いた所だろうと、立ち上がった。 が、視界が歪んでうまく立てない。 少し吐き気もしてきた。

ひなげしが立ち上がろうとするが、手で制した。

目眩が止んだ頃、洗濯物を取りに行った。

赤く染み付いた血が皆の服に薄くついている。

自分の手を見た。 自分の血で真っ赤に染まったこの手で持てない。 我慢している事がばれてしまう・・・

近くの川に血塗れの手をつけると、水の中に赤い線になって手から血が洗い流された。

私たちの運命のように、交じり合って、時に分かれて・・・・ 消えていく。

溶けて、赤い線がなくなると、干した洗濯物をもって、部屋に上がっていった。


あがった後、服はひなげしにどうにかさせた。

ナモロを着替えさせると思うと恥ずかしくなってどうしても二階に上がれなくなるからだ。

囲炉裏で火に当たっていると眠くなってきた。

いや、火の番が居ない中寝るなんて、自殺行為に等しい。 焼け死ぬのは間に見える・・・・

でも、最近三日ほどまともに寝ていないな。 眠たい・・・・

眼を瞑りかけた時、腹に響く音が外から聞こえた。

外に出ると、いつもより一回り大きい巨大な機械がチェーンソーで切りかかってきて、後ろの家に直撃した。 ナモロ達の居る部屋が二つに分かれていた。 皆の顔が頭をめぐる中、機械のほうから人の笑い声が聞こえてた。


ナイフの刃先が機械内の人の首の皮を掠って後ろに刺さって、低い音が響かせる。

ナイフが通った長細い隙間から外の様子を上から見るとと、一人のエルフが居る。


「・・・・ 死んでしまえ。」


エルフは呟き、髪の影で見えない瞳は此方を殺意を込めた目で見つめる。

いきなり顔のすぐ隣にナイフの刃先が飛び出た。

ココにいて何もしなかったら殺される。 その前に・・・・ そっちを・・・・!!

チェーンソーを持っている右腕のレバーを引いた。


錆びた音を立てながら、機械は、チェーンソーを再び振り下ろす。

アティモスは、腰を落として、ナイフで受け止めた。 傷なんて考えていなかった。 痛みを感じなかった。

弾き返すと、機械が後ろに反れ、機械に蹴りを入れて機械を(たお)した。 エンジンの鍵を外すと同時に、頬に弾丸が掠った。

弾丸が飛んできた方を見ると、短髪の黒い髪で白衣を被った男が此方に拳銃の銃口を向けている。

アティモスが、男に視線を向けると、男は怯えながらあっちこっちに銃弾を放つ。

消えたと思ったら、機械が起き始めた。

エンジンが零れてアティモスに掛かって、機械は最後の最後に、チェーンソーをアティモスに向けて振り下ろして前に上半分を前に倒した。

チェーンソーを弾き、機械から離れた。 倒れたところにあるのは、まだ回転しているチェーンソー。

金属を削る音と、男の悲鳴が聞こえてきた。


後ろを振り返ると、皆無事らしく、ひなげしが明るい顔で窓から手を振っている。

だが、皆心配で行こうとした。 けど、敵は私を狙っているんだ。 私さえいなければ、私さえ関わらなかったら皆無事で居られるんだ・・・・ けど、人質になってしまう可能性もある。

・・・・ 行こう。 皆の所へ。 何所かに行くにしても行かないにしても皆が心配するだろうなこの格好じゃ。

何だろう、息苦しい・・・・


「 死ね! この化け物! 」


男の声と銃声が響いた。

振り返ると男が銃口を向けていた。

震えていたのか、脇腹に弾丸はあたった。


「っ・・・・」


倒れそうになった。 けど、倒れまいと踏ん張った。 倒れたら・・・・ 皆死ぬ! 

傷口を時間の力で無理やり塞いだ。 投げたナイフは相手が避ける暇も無く、額に刺さる。

ため息を付いた時、傷が開き痛みが悪化した。 時間の力も弱ってきている。

息苦しい。 息が出来ない・・・・ 駄目だ。 ココで倒れたら。 皆、皆、まだ動けないのに・・・・ 

痛みを気付けにして動くしかないが、息絶えたら元の子もない。

何時も迷惑かけている。 今日くらいは、役に立たなければ・・・・


錆びた金属音がいくつも聞こえる。


「しまった・・・・ 囮か!」


巨大な人型の機械が、銃や、お決まりのチェーンソーを持っていたり、中には捕獲用の網や入れ物持っていたり・・・・ 捕獲用・・・・って私を捕獲するだけか。 入れ物に入れられても、蓋を閉めたら穴が無いから、窒息死。 満身創痍で戦っても・・・・ もうどうせ死ぬなら。


「いっそのこと暴れてやる!」


ガラスが割れる音がした。


「アティモス・・・・じゃないよな。 誰なんだ?」

「ん~? ひなげし!」

「ひなげし、明るいな・・・・ って、おい、ちょ、ま・・・・」


ひなげしが窓からダイブした。


「あぁ・・・・ じゃあ、皆、用意は出来た? タイムリミットは30分だ!」

『とっくに出来てる!』

「じゃあ行くか!」


皆が飛び降りてきた。


「・・・・ 大所帯になったな。 後、どうやら自分にかけたはずの魔法は、そっちにかかったようだな。」

「察しが良くて何よりです。」

「「「全く・・・・ メンバーやっと揃ったね。」」」

「お姉ちゃんは無理しすぎなんだよ。」

「ゼノの魔方陣は、既に出来てるよ! 後は撃つだけ!」

「・・・・戦力外だと思うけど、包丁持ってきたよ ・・・・」

「こっちも同じ魔法使えるんだけど、二重は不味いよね・・・・ まあ、がんばりますか。」

「(がんばるよ)」

「バウ!」

「私も医師だけど、護身術くらいはあるわ!  あっちゃんは動けるまで休んどいて!」

「手を出したら・・・・ 痛い目にあうよ・・・・」

「ヒヴの恨み、晴らさせてもらう!」

「ひなげしも、行けるよ!」

「私に訓練受けさせた事を後悔させてやる!」

「鬼百合も戦わないよ! 角取れないから!」 『取れるんだ!?』


皆に大きな大勢の影が落とされた。


「さて、アティモス、絶対に戦うなよ。」


ナモロに念を押されて、アティモスは両手を挙げて、


「動ければ後方支援に回らせてもらうよ。 言い忘れていたが、機械の胸部の丸い蓋の鍵を外せばいい。」


と言った。


「攻略法も教えてもらったし、じゃあ、行きますか!」


ナモロの掛け声と共に、皆が駆け出して行った。


アティモスは、戦う仲間を見ながら考えていた。

ひなげしは大丈夫だが、タイムリミットが来たらみんなどうする気なのかと。

喉から血が上がってくるのを感じた。 同時に、ひなげしに戦い方を教えるのを忘れていたのを思い出した。 あと、私が死んだら・・・・

あっ、いろんな意味でこれ終わった・・・・


戦闘組の方・・・・


頭の回転が速いアスタルテ、ナノハナ、ナモロが、アティモスと同じ考えにたどり着き、焦り始めた。


「「「・・・・ コレ、ある意味詰んだかもしれない・・・・」」」


ひなげしが、急に戦闘放棄する。

アローが止めようと、敵から眼を逸らしひなげしに注意する。


「ちょっ、お姉ちゃんが心配だからって戦闘放棄は・・・・」


その隙に銃弾がアローを狙った。

近距離で放たれた弾は確実にアローの額に風穴を開ける筈・・・・ だった。


日の光が反射し時折り金色に見える長い髪に赤い血が巻きついている。 赤いマフラーが風に乗って飛んでいった。

それだけで誰かぐらい分かる。

弾を弾く音が響いて、そちらを振り向く。 マフラーが取れたあと、喉元には大きな穴が開いている。

前は部屋が暗かったから見えなかったが、明るい昼間の今、確かに見える。

アティモスの、呼吸と声が消えて仲間が固まった。

敵が今こそとばかりアティモスを捕まえようとよってくる。

動いたようには見えなかったが、エンジンの蓋が全部外れて、機械が倒れていく。


「お・・・・ お姉ちゃん?」

「                  」

「?」


何を言ったのか聞き取れないうちにアローは二階の皆が寝ていたところに運ばれていた。

まだ、戦えると、立ち上がろうとしたのだが、立てなかった。 時間が戻っている・・・・

皆も、目をパチクリさせている。


「どういうこと、お姉ちゃん」

アロー:「さっきの技何? ワープ?」

アティモス:「アロー・・・・ ずいぶん近いと思わないか? cmくらいしか距離が無いぞ。」

ナモロ:「そういえばキャラ表・・・・ っていうのを作っているとか・・・・」

narikori11:「キャラが多くなってきたからね。 出来上がり次第投稿したいと思うよ!」

アレキ:「次回も・・・・ お楽しみに・・・・」

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