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ゆったりアテンション  作者: アグネス
3/3

文芸部

わたし達が通うことになる高校の文芸部とは、所謂本を読んで鑑賞し合うとか、そういうものではなくて、思い思いに取り組む個人競技、創作を指す。

だから部室はPCルームだし、記録を保存するUSBも必要だ。

私と由奈ちゃんは若干迷子になりながら、なんとかPCルームにたどり着いた。しかし今は丁度部員の勧誘中らしく、先輩たちは大方出払っているらしい。そのせいか中には二人ほどしか人がいなかった。一人は先生らしき大柄な男性、そしてもう一人は優しげな雰囲気の女生徒だ。

私は早速男性に話し掛けた。ちなみに由奈ちゃんは人見知りらしく、私の後ろで待機している。


「あのぉ」

「は、はい!なんでしょう?」


女の先輩が慌てて対応してくれた。タレ目で愛らしい人だ。

私はなんとか愛想笑いを浮かべて先輩をみた。初対面の人にはなるべく笑顔の方がいいと聞いてのことだけど、私にはやっぱり無理なようだ。頬筋がイタイのなんの。


「文芸部に興味があったんですけど...」

「え、ほ、ほんと!?やった!どうぞこちらにいらして!」


女の先輩はわたし達を中に招いて椅子を用意してくれた。

小柄な体だからか、ひとつひとつの動作がちまちましていてとっても可愛い。由奈ちゃんとこそこそしながら「何あの先輩かわいすぐる」「やばいなあれは」と言ってるわたしたちは変態かもしれない。そして由奈ちゃんや。やっぱり君はオタクとかそんな類だろう?そうだろう?だんだん崩れてきてるぞふふふ。

私のなかで再び由奈ちゃんオタク説が浮上してると、先輩がいそいそと椅子を用意してくれたうえに、お菓子を出してくれた。なにこれ天使か。いただきます。


「遠慮せずいっぱい食べていいからね」

「おい、田畑。ここは飲食禁止だろ」


ずっと後ろでだんまりしていた怖そうな先生が静かに言った。...静かに言ったにも関わらずすごい部屋全体に響いた。

なんだあれ。私がクッキーを落としそうになってる横で、由奈ちゃんが早速落とした。それを見逃さなかった先生がギロっと由奈ちゃんを睨んだ。あーあ。


「ひぃ!!」

「ちょっと高瀬君!ダメでしょ一年を怖がらせちゃ!!」

「しかし...」

「いいのいいの。先生からちゃんと許可はとったから今日だけ特別!」

「む...そうだったのか...?」

「でも、流石にジュースとかは無理だったけど」


...ほ?タカセクン?

目をパチクリして、先輩方?の会話を聞く。嘘だろ。

あのごつい人が?先輩?


「ふふ、本当よー高瀬くんはおっきく見えるけど、貴方達より一個しか差がないのよ」

「...今年から二年だ。驚かせてすまん」

「で、私がここの部長の田畑恵です。一応これでも3年です」


高瀬くんは敬語使ってくれないのよーと嘆く田畑先輩に、

別にいいだろとそっぽ向く高瀬先輩。


まじかよありえねー


私と由奈ちゃんの心が一つになった瞬間でした。



敬語はちゃんと使いましょう

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