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ゆったりアテンション  作者: アグネス
1/3

はじめまして。

こんにちは&はじめまして。

もしかしたらこれでサヨナラかもねフッ(不敵な笑い

朝の眠気に私はもう一度大きなあくびをした。

今日は世にいう入学式で、私はJKというものになるらしい。

とても私には縁遠いものだと思っていたが仕様があるまい。

天気はそこそこ良くて、桜はちょっと散りかけていて、まぁ、どこにでもある風景が転がっていた。

慣れない朝の電車からバスに乗り継いで、トロトロ歩いて約10分。

そこにあるのが、私がこれから通うことになる高校である。

嗚呼、(´・ω・`) カエリタイ…

今の私の心境である。

早く帰って寝たい。私は暇ではないのだ。寝るという大事な責務が私にはあるのに...こんなことにかまけてる暇はないのに...


体育館で自分のクラスと出席番号を伝えられ、指定の席についてぼーっとすること数十分。やっとちらほら人がきた。

...え、なになにどゆこと。皆来るの遅くないか?私が早すぎるだけ?

式が始まるまで何回あくびをしたかは覚えてない。なんかもうすごく眠かったことだけは鮮明に覚えている。

私の左の席には女の子が、右にはどっかで見覚えのある男の子が座った。ぼーっとその男の子を眺めていて、どうせこの子も鈴木君だろうなぁと思う。出席番号上、私の後ろは大体鈴木君or鈴木さんだ。いすぎだろう、鈴木さん。

それからまたぼーっとして、式が始まるのを待つ。何回あくびをしたかは覚えてない。数えるのがめんどくさくなった。

途中右の男の子は同じ塾にいた人だと気づいた。だから見覚えがあったのか。独り合点してまた虚空を見つめてあくびをする。

式の最中もこんな感じだったな。何回あくびしたっけ?こんなにあくびすればドライアイには心配する必要ないな。うん。


終わった。校長の話とか全部すっ飛ばしたな。まぁいっか。

教室に入る。出席番号順に座る。なんか書けといわれた。多分、担任から。どうしよう。ボールペン持ってない。ネームペンならあるのに。

...しょうがないなぁ。隣の席の人に借りるか。


「す、すみません」(こそこそ)

「え!?...なっ、なんですか!?」(こそこそ)

「あっ、えと、ぼ、ボールペンなくて...貸していただけますか?」(こそこそ)

「え、ええ!もちろん!」(ごそごそ)


よっしゃ交渉成立。

借りました。初対面の人から。

適当に書いて急いで返す。その時気づいた。

あ、この人ガチオタクだ。

見た目は地味目で、決して中心に立つような子には見えない。どこにでもいるようなふっつーの女の子に見える。髪が無造作に見えるのは天パだろう。しっかりまとめんかい。

でも、わかる。この人は絶対オタクだ。かけてもいい。絶対だ。

私はにっこり笑ってこう言った。


「ありがとうございます!本当に助かりました」


オタクは大歓迎だ。仲良くしようぜ、同士よ。

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