はじめまして。
こんにちは&はじめまして。
もしかしたらこれでサヨナラかもねフッ(不敵な笑い
朝の眠気に私はもう一度大きなあくびをした。
今日は世にいう入学式で、私はJKというものになるらしい。
とても私には縁遠いものだと思っていたが仕様があるまい。
天気はそこそこ良くて、桜はちょっと散りかけていて、まぁ、どこにでもある風景が転がっていた。
慣れない朝の電車からバスに乗り継いで、トロトロ歩いて約10分。
そこにあるのが、私がこれから通うことになる高校である。
嗚呼、(´・ω・`) カエリタイ…
今の私の心境である。
早く帰って寝たい。私は暇ではないのだ。寝るという大事な責務が私にはあるのに...こんなことにかまけてる暇はないのに...
体育館で自分のクラスと出席番号を伝えられ、指定の席についてぼーっとすること数十分。やっとちらほら人がきた。
...え、なになにどゆこと。皆来るの遅くないか?私が早すぎるだけ?
式が始まるまで何回あくびをしたかは覚えてない。なんかもうすごく眠かったことだけは鮮明に覚えている。
私の左の席には女の子が、右にはどっかで見覚えのある男の子が座った。ぼーっとその男の子を眺めていて、どうせこの子も鈴木君だろうなぁと思う。出席番号上、私の後ろは大体鈴木君or鈴木さんだ。いすぎだろう、鈴木さん。
それからまたぼーっとして、式が始まるのを待つ。何回あくびをしたかは覚えてない。数えるのがめんどくさくなった。
途中右の男の子は同じ塾にいた人だと気づいた。だから見覚えがあったのか。独り合点してまた虚空を見つめてあくびをする。
式の最中もこんな感じだったな。何回あくびしたっけ?こんなにあくびすればドライアイには心配する必要ないな。うん。
終わった。校長の話とか全部すっ飛ばしたな。まぁいっか。
教室に入る。出席番号順に座る。なんか書けといわれた。多分、担任から。どうしよう。ボールペン持ってない。ネームペンならあるのに。
...しょうがないなぁ。隣の席の人に借りるか。
「す、すみません」(こそこそ)
「え!?...なっ、なんですか!?」(こそこそ)
「あっ、えと、ぼ、ボールペンなくて...貸していただけますか?」(こそこそ)
「え、ええ!もちろん!」(ごそごそ)
よっしゃ交渉成立。
借りました。初対面の人から。
適当に書いて急いで返す。その時気づいた。
あ、この人ガチオタクだ。
見た目は地味目で、決して中心に立つような子には見えない。どこにでもいるようなふっつーの女の子に見える。髪が無造作に見えるのは天パだろう。しっかりまとめんかい。
でも、わかる。この人は絶対オタクだ。かけてもいい。絶対だ。
私はにっこり笑ってこう言った。
「ありがとうございます!本当に助かりました」
オタクは大歓迎だ。仲良くしようぜ、同士よ。