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第14話

14.


 私がシャワーを浴びに行こうとすると、貴志さんに呼び止められた。

「そのままでいいよ。ちょっと話をしようよ」

 きっと、横井さんのことを聞かれるのだろう。そう思った。

「もしかして、横井さんのことを気にしていますか?」

「気にしているのは優里の方だろう?どこか後ろめたいことがあるんじゃないの?だから、わざわざ席を外して僕を呼んだんだと思ったよ。それで、こんなところに誘って僕の機嫌を取ろうとしているのではないのかな?」

 確かに後ろめたいことはある。不本意ではあったけれど、私は一度、横井さんに抱かれたのだから。でも、あれは事故のようなもの。今日は本当に参った。貴志さんにあんなところを見られるなんて。横井さんに触られたところがけがらわしく感じて仕方がない。だから貴志さんに清めて欲しい。私は正直に貴志さんに抱いて欲しかったのと告白した。その時、私の携帯電話が鳴った。ディスプレイには横井さんの名前。

『どうした?具合悪いのか?』

「はい、だいぶ落ち着きました」

『じゃあ、これから二人で飲み直さないか?』

「いえ、今日はもう休みます」

『まさか、あいつと一緒に居るんじゃないだろうな?お前、あいつと付き合ってるのか?』

「えっ?違いますよ。今日が初めてですから」

『うそつけ!この前、一緒に居るところを見た…』

「ごめんなさい。もう、切ります」

 横井さんはまだ何か喋っていたのだけれど、私は耐えられなくて電話を切った。


 貴志さんは横井さんは私のことを好きなのだと言った。けれど、私にはそうは思えない。横井さんは私に嫌がらせのようなことばかりする。貴志さん曰く、それはヤキモチなんだと言う。そして、貴志さんも同じなのだと。

 私には貴志さんと横井さんが同じだとは思えない。いずれにしても、私が愛しているのは貴志さんだけ。

「運命だから?」

 貴志さんは私の運命の人。少しはそのことを受け入れてくれたのだろうか…。でも、そんなことはどうでもいい。貴志さんは私を愛してくれている。それが何よりもうれしい。

「はい!」

 私はそう返事をすると、彼に身を任せた。





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