表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は誰も倒せない  作者: 覇我王
魔王たる器、勇者たる覚悟
36/36

魔王と忍者

リクパートです

「いやーホント奇遇だなぁ〜」





遡ること数十分前、公園で休んでいた俺達は、たまたまレアとバッタリ会う



なんでも、ギルドで請けた仕事が公園の草むしりだったらしく、俺達が来る前からむしっていて丁度終わった所だった様で一緒にアリシアと合流して昼食を食べることになった




「はぁ〜••••••2人っきりのランチタイム計画が••••••」




「?なんか言ったか、シアン」





なんでも無い!とぶっきらぼうにヅカヅカと先行ってしまうシアン


なんだ?あいつ急に機嫌悪くなって•••




「••••••やっぱり、私とアリシアがサラを連れていこう、サラ?ファミレスでお子様ランチでも食べないか?」



「ホント?サラお子様ランチ食べたい食べたい‼︎」




「••••••シアン、2人で行って来い」




「あ、ありがとうございます!レア様ぁ!」





え?何?何が起こってるんだ?なんでシアンは一気に機嫌が良くなって頭にお花畑が?




訳が分からないぞ?



「と、とにかくアリシア迎えいこうぜ?別れるのはそっからでもさ?」





まぁ、シアンの機嫌が良くなったならいいか






そんなこんなで歩く事およそ5分、この街では貧民区と呼ばれる地帯にやって来た





さっきまでの優雅な街並みから一転、寂れて所々塗料の剥げ落ちた家が立ち並ぶ質素な住宅



この国で1番人口の多いとされる、低所得者層が軒を連ねる、貴族達がよく使う差別用語で貧乏長屋(スラム)と呼ばれる集合住宅街が密集している地域で、その日暮らしがやっとこな貧しい人々が慎ましく暮らしている





しばらく長屋街を歩く、他の地区からの来訪者が珍しいのか、はたまたスリを働く機を狙っているのか



周りからの多くの視線を自然と集めた



皆、殺伐としているな••••••生活が厳しいからだろうか?








「あんなに女連れて道の真ん中歩きやがって••••••爆発しろ!」




「美人にお姉さんにロリ••••••爆発しろ!」




あ、やべえ ギルドの時と同じドス黒い殺気だ••••••何をどうすればこんな気が出せるのやら





足早にその場を立ち去ろうとすると、気になる声が聞こえて来る





「見たか?さっきの白い髪の女の子、数人いた強盗にたった1人で剣抜いて構えてたぞ?」



「ああ、正義感の暴走ってやつか?••••••可哀想に、ああいう心の綺麗な娘から穢され尽くされて死んでくんだよな••••••」




嫌な予感がした、




••••••勇者(アリシア)ならやりかねない!





そう思った頃には俺は既に走り出していた





「アリシア〜!」




道をまっすぐに走り抜くと、次第に人が減っていき数人のみが見えてくる、きっとあれがアリシア達に違いない




「ふぇっ⁉︎リ、リクさん!」




白い髪に低めの身長、手に持った聖剣••••••間違い無い、アリシアだ!




その周りには、壁に突っ伏して寝てる奴から意味不明の言葉を叫びながら発狂してるやつ、




極めつけは全身黒の忍装束に仮面••••••











「変態ばっかじゃねぇか⁉︎」





なんでこんな奴らが強盗してんだよ⁉︎特に黒の奴!





「だ、誰が変態だ!この格好良さが分からないとは、さては増援か!相手になるぞバカ面!」



黒の変態(ニンジャ)は短刀を手にし身構える、こいつ••••••やる気か?




「誰が馬鹿面だ!上等じゃねえか!てめえみたいな変態に、負けるわきゃないぜ!」





「ふ、二人ともやめてください!誤解なんですぅ!」





「「問答無用だぁ‼︎」」





ほぼ同時に得物を振りかざす


















「••••••俺、完全に忘れられて••••••なんでこうなっちまったんだろう」



ガクリと斧と共に崩れ落ちる大男



「••••••そういう時もあるさ、大男君••••••君も本当はこんな事はしたくないんだろう?」


ポンっと肩に手を置く店主



「店主のおやっさん••••••」



「今回の事はもういい、仲間を連れて帰りなさいそして、もうこんな事はやめなさい家族も望んではおるまい」



「う、うぅ!かたじけねぇおやっさん!俺、足洗って出直して今度は無視されない男になる!悪かったな影朧、嬢ちゃん」




大男は一人を担ぎもう一人に方を貸し泣きながら去って行った





「あれ••••••もしかして解決ですか?」



「あぁ、奴はもう大丈夫だよ助けてくれてありがとうお嬢さん」






「あぅ、二人は何の為に争いを••••••」



意味の無い戦いが虚しく続く









コイツ、結構やる⁈




ただの変態だと思っていたが中々の手練れの様だ




俺の横薙ぎの一閃をとんぼ返りで避けつつ地を這う様な低い姿勢から逆手に持った2刀の短刀での右、左、右の素早い連撃



咄嗟に、返し刃で切り払いつつ後退するが、両手と片膝をついた態勢で放たれた痛烈な蹴りを腹に受けたことにより更に押し込まれてしまう




だが、そこで引き下がる俺じゃ無い蹴られた左脚を掴み思い切りブン投げる



華奢な体躯が災いして、変態は勢い良く宙を舞うが、すぐさま態勢を立て直し鮮やかな五点着地でほぼ無傷




攻撃は一向に回避されてしまうし、素早い動きに翻弄されていて不利な状況なのはこちらの方だ長期戦はせず、一気に決めよう!




「ハァ、ハァ、少しはやるじゃねぇかよ?でも終わりだぜ!」



「フゥ、ならば我が奥義を受けて刹那に散るがいい!」





「モウヤメテクダサーーイ‼︎」





突然、アリシアが奇声(おおごえ)で叫んだ




「リクさん!違うんです、この人は私を助けてくれたんですよ影朧さんも、リクさんは私の仲間ですから、強盗じゃないです!」







「 「えっ、じゃあ強盗は?」」


ピタリと動きを止め、同時にアリシアの方を向く



「もうどこかへ行っちゃいましたよ」



頭に手を当てうなだれるアリシア、紛らわし過ぎだろ!こいつ





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ