ニートの仕事
フューリパートです
研究室、1人考え事をする
FSCの威力は申し分無い、ただいかんせん燃費が悪いな
一発のみでは極めて現実的では無いし、加減も効かない
やはり威力を落として数発打てる機構にするべきか?
いや、裏アリシアのパワーは凄まじかった今の威力で互角といった所だ
そもそも、魔法と射撃だったら射撃の方が有利なはず 詠唱も魔力も要らないからな
だが奴は無詠唱、無反動で撃ちやがった それなのにフォースキャノンと互角か、
うむ、どうした物か
グギュルルル
腹が鳴った、そう言えば昼の時間は過ぎている
仕方なく、上の居間へと向かうと同じ様にお腹を空かせたサラがいた
「フューリん、おなかすいたー」
機嫌が悪いのか、ゴロゴロ転がったりクッションをかじってみたり落ち着きが無い
バカとレアとアリシアは出かけると行っていたから今、家に居るのは3人だけだろう
「お前のご主人は何をしてるんだ?昼飯食ってないのか?」
「ううん、てれび見てる」
見ると、ボサボサの髪のパジャマ姿のクゥは、相変わらず微動だにしない
「クゥ、私はバカの様に とやかく言うつもりは無いが、頼まれたんだろう?昼食を作る役を」
クゥは少々驚いた様子で振り返る
め、目が死んで••••••また夜更かししたな?
「うにゅ⁈フューリん にまで言われるとは私への期待値も上がったものだ」
「よっこいショウイチ!」
気だるそうに重い腰を上げるクゥ、そして大きな伸びをする
「っくぁぁ‼︎••••••復★活!」
伸びをしただけだろう、と言うツッコミはいつもバカに任せている
「にゅふふ、実はチンするだけなんだよねぇー」
キッチンを見ると既に作ってあった昼食が、 温めて食え と書いてある置き手紙と共に置いてあった
クゥはそれをまとめてレンジに放り込みタイマーを適当にセットする
「さあ!チーンと鳴ったら出来上がり!サラ?どう、私の魔法は?」
「すごい、すごーい!クゥ魔法少女みたーい!」
••••••後で、サラにもレンジの使い方を教えてやろう 魔法でなく科学で動いているのだと!
数分後、チーンとタイマーが鳴りサラが喜んでレンジに駆け寄る
「よし、完成ナリ!さあ、食すがいいって••••••あちゃちゃちゃ熱ちゃゃ⁉︎」
「やりすぎだ、一分半で充分だったのに」
手を押さえて転げ回るクゥ、
しかし、サラは全く熱がる様子無く皿を持ちテーブルまで運ぶ
さすがはドラゴンと言った所か、熱には滅法強いからな
「いっただっきまーす!」
凄まじい湯気が出る高熱の昼飯を流し込む様に平らげていく
質量なんてなんのそのだ
サラはさっさと完食してしまったが 私とクゥはゆっくり冷めるのを待ち、次のゲームの打ち合わせをしていた
「やっぱ、RPGがいいなぁ やり込み要素あるし」
「ふむ、やり込む点なら格ゲーでもいいんじゃないか?」
私は研究の合間にゲームをプログラミングしてクゥにテストプレイヤーをしてもらっている
そして、良作が出来た時には同人ゲームとして売りに出している
私はそれで生計を立てている、と言ってもほとんどは研究費用に消えるが、
そして、バカから雀の涙ほどの小遣いしかもらっていないクゥに分前を渡すサイクルだ
「バカには言っていないのか?テストププレイヤーも立派な仕事だと」
「うん、どうせ分かってもらえないから••••••リクには外で汗水垂らして働くのしか仕事じゃないんだよー」
しょんぼりとした目をする、あの分からず屋が認めないか、奴にはまず理解出来ない仕事だろうな
「だが、人の努力を認めないほど馬鹿じゃない 本当の事を知ったら必ず理解するだろう?」
「いいよ、別に••••••理由も聞かずに住ませてくれてるだけで感謝してるから いつもは働けぇ!働けぇ!鬼の様に言うけどね、ホントは優しいんだよ?」
「私には理解し難いな••••••」
「まあまあ、ご飯食べたらミーティングとサラとのお遊びがあるからのぉーんびりやろうよぉ」
私はお前みたいに長命じゃない、人はすぐに死んでしまう
どうすれば死なないかじゃない、どう生きるかだ
人間の一生は余りにも短すぎる
成し遂げなくてはいけない事は山のようにあるんだ
だからこそ生き急ぐべきだと言うのに
「フューリん!今日はフューリんが遊んでくれるってリクが言ってたよー」
サラが笑顔で小さな羽をぱたつかせる、
「な⁉︎あいつめ!ペットシッター代を請求してやる!」
私が断れない事を知ってるかのようにサラをけしかけたな!
仕方ない、遊んでやるか
子供の相手はどうも興が乗らん、非現実的な事ばかり言うからだ
「分かった、何すればいい?ネトゲか?」
「ほぇ?ねとげってなあに?」
ふにっと首を傾げる
「違うのか?設計図の製図か?整備?」
「••••••フューリん、サラはそんな事しないよ••••••」
クゥは死んだ目をさらに死なせる
楽しいのになぁ
「サラ、まだフューリんとおままごとしたことないからおままごとしたい!」
「演技は得意じゃないからセリフはアドリブでやらせてもらおう、始めてていいぞ?勝手に介入する」
そういうと、サラはクゥとままごとを始め
だす
人形を横一列に並べその1番右端にクゥが座る
これは、アレに違いない!
私は直感でサラがしたい事を理解した
「フューリん!お外から帰って来てね」
サラの合図でままごとの世界に入り込む
後は与えられた役を演じ切るだけだ
「••••••貴様らか、国家への反逆者共は!よりにも寄ってサラ陛下に刃を向けるとは、非国民め!」
「「えっ?」」
「愚かな、戦犯者は皆銃殺刑と知らぬわけではないだろう?さぁ、貴様の罪を数えろ」
「ね、ねぇ?なんか違うよね」
「黙れ!誰が発言を許可した?••••••なかなか見上げた根性だ、お前は1番最後に殺してやる」
腕を後ろに組み、戦犯者の前を数回往復する
「さて、刑の執行の時間だ 赦しは乞うな?慈悲は無い」
「ってい!ズダダダァァアン‼︎」
左から1人づつ脳天に鉛をくれてやる
残り2人のところで手を止め銃口を右端に向ける
「お前は1番最後に殺すと言ったな?••••••あれは嘘だ!」
バァン!
「ウワァァァァ‼︎って、訳が解らないよぉ‼︎」
「フューリん、これおもしろいの?」
「なっ⁈よろしい、ならば戦争だ!」
「つまんなーい」
以外とペットシッターとは難しいのだな




