帰宅
リクスさんとの待ち合わせ場所に急いで向かうと待ちくたびれた様子で迎えてくれた
無理も無い 辺りは真っ暗、待ち合わせ時間を大幅に過ぎている
「はあ〜、やっと来たかアリシア 待ち過ぎて野宿しようとしてたとこだぞ」
「すいません!謝りますから街中で火を起こそうとしないでください!危ないです!」
既に木と木をこすり合わせて煙が立っている
帰り道、リクスさんに今日あったを話す
ミナに会った事、色んな所を回った事、
するとリクスさんは笑って、
「よかった、アリシアが楽しんだなら街まで来た甲斐があった 金はいつでも返せるんだから焦らずゆっくりランクを上げようぜ?」
「はい、私も少しでもお役に立ちたいですから頑張りましょう!」
「••••••なぁ、アリシア もう俺らは仲間なんだからさ?リクでいいし、敬語もいらねぇからな」
ランタンの灯火を頼りに街道を進む、途中、あちらこちらで虫の鳴き声が聴こえて来る
リクスさんは両手を頭の後ろで組みながら暗い夜道を歩く私を方を見ずに言った
そうか、私を仲間って呼んでくれるんだ
「それにアリシアの方が年上だろ?いや、人間で言ったら15ぐらいか」
「う、うん、 それくらい リ、リク••••••」
なんだか照れくさい
「む、無理はしなくていいぞ? アリシア、お前は遠慮し過ぎなんだよ 勇者は仲間とのチームワークが命なんだぜ?」
「こう、俺がズギューンといったらアリシアがズババーと決めてレアがシャリラーンってやってな?」
ゼスチャーで説明するリクスさん ま、全く分からないですよ••••••
ふと、リクスさんの手荷物に目が止まった
「そう言えば、何を買ったんですか?」
小さな袋が一つ、それしかリクスさんは買っていない様だ
「これな?ずぅっと並んでやっと買ったんだ、サラの留守番の埋め合わせしないといけないからなアリシア分もあるから楽しみにしといてくれ」
国境を抜けて魔界に入ると街灯は無くなり道も無いため草原を歩いている様だった
「ところでさ、街の中を見てどう思った?」
リクスさんが突然口を開く
「とても都会でビックリしました、私は山の中にずっと住んでて街を避けていたから」
「ハハ、アリシアもそう思ったか••••••ああいう風景を見てるとさ」
リクスさんは、ふと足を止めて寂しそうに言った
「俺達、魔王とか勇者って••••••もう昔話なのかな?••••••いや、なんでもない もうすぐだ 急ごう」
そう言うと足早に行ってしまった




