魔王家の内部事情
っていやいや!
納得出来るわけないだろ!
1年で一千万返したとしても600年かかるじゃねえか!
「もうダメだぁ、おしまいだ••••••払えるわけが無い」
両膝と両手を地面に着く
「私は知らんからな!貴様1人で払ってろ!」
そう、フューリが言い放ち自室に引きこもった
ドアが強く閉められる音が響く
「リク、サラのお小遣いあげる!使っていいよ」
そう言って、サラが自らのカエルの貯金箱を差し出す
あぁ、なんていい子なんだ でも気持ちだけ受け取るよ、
数枚の硬貨とガラス玉や綺麗な石ころが入った陶器のカエルはカランカランと鳴く
「リクスさん 私、働きます!きっと街なら稼ぎのいい仕事もありますよ」
アリシアに励まされるが普通の仕事で得られる収入なんてたかが知れてる
こうなる前、俺は魔王と大工仕事を掛け持ちして生計を立てていた
街まで下りて屋根の雨漏りを直したり壊れた柵を作り直し
暇さえあれば、剣を振り 家の裏の畑を耕し 魔王城も少しずつ直してみっちり働いてる
魔王だけじゃ食っていけないからだ
それでも、家計は火の車 サラはよく食べるし クゥは働きもしない上に小遣いをせびるし
「そうだ!ギルド!ギルドの依頼なら高収入だろ?魔王と勇者が組めばラスボスより強い隠しボス並みの敵だって倒せるぜ!」
「阿呆、いくらそんな敵を倒した所で国家予算並みの報酬を出すギルドがどこにある」
レアが癖である腕を組みため息をつくポーズをとる
「じゃあどうすればいいんだ!あの管理人の事だ、内臓引き摺り出されて売られるに違い無い!」
俺の脳内で管理人が俺のはらわたを引き摺り出されるビジョンが浮かぶ
ウワァァァアァァァ‼︎
「た、確かにそこまではもらえないかも知れませんが運が良ければ、五千万エンくらい貰えるかもしれません!そうしたら120年で完済出来ます!いけますよ!」
「いけるか⁈悪魔じゃないだぞ?そんなに生きられるわけ無いだろ!」
でも、他にいい方法が思いつかないし取り敢えずやるしかないのか?
「••••••分かった、取り敢えず行こう 人間の街 東キャピタル国へ」
クゥにサラの子守りと留守番を頼み 魔王と勇者と医者で魔界の外の人間の街に向かった