病室にて
俺はどうなったのだろう、
崩れた城の下敷きになったのか?
その割りには背中がフカフカする
ゆっくりと、重い瞼を持ち上げる
久々に差し込む強い光にまた目を閉じる
徐々に視界がハッキリとして辺りを見回すと
もう見慣れた家の地下室、レアの診療所の病室だ
しかし、目は覚めたが身体が動かない
金縛りのように硬直した身体にはグルグルと包帯がミイラのように巻かれていて、なおかつ石膏で固定されていて半ば監禁状態の俺
「おお、目が覚めたか、死んだのかと思ったぞ?」
白いカーテンをかき分けてレアが入ってくる
「なあ、あれからどうなったんだ?あとさ、大袈裟じゃない?この包帯」
「馬鹿を言うな、後遺症が残らない方がが不思議な状態だったんだぞ?あぁ、私達が崩れた天井の下敷きになる寸前にあの黒い管理人が全員に転移魔法をかけたんだよ」
やっぱりあの管理人はただの管理人じゃなかったか、四人同時に転移させるなんて常人に出来る所業じゃない
「お前だけ、酷い怪我してて3日も寝てたから今回の真相が聞けずにいたんだぞ?」
そう言ってレアは溜息をつき腕を組んで壁に寄りかかった
「そうだ!アリシアは?」
まだ"あの"状態ならとても危険だ 寝ている場合じゃない
「安心しろ、アリシアは姿も性格も元通りだった ただひどく落ち込んでいてな 訳を聞こうにも全員揃ったら話したいの一点張りだ」
良かった、元に戻ったのか
レアがグルグル巻の包帯を外してくれたので久々の伸びをする
すると、まだ完全に治っていない肋骨があの時の痛みを再現した
「ぐふぅ!」