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魔王は誰も倒せない  作者: 覇我王
プロローグ "暫定"魔王
12/36

崩壊する魔王城

引火する物全てに火が着き、呼吸をするだけで喉が焼け付く様に熱く、

部屋全体が炎に包まれるまでもう時間が無いだろう


しかし、利き腕の右手の感覚が無くなって来た

この絶望的な窮地、どう切り抜けようか



「なんだぁ、もう満身創痍じゃない アハハ‼︎そんなに痛かったの?」




性格まで変わってしまったのか、赤髪のアリシアは口に手を当て、高笑いする




「このまま 殺しても、つまらないからさ?身体がバラバラになるまで逃げ回って見せてよ?」




そう言いつつ、左手を指揮者の様に振り空中に呪文(スペル)を書き綴る




禍々しい赤黒い魔力の流れがその左手に流れ込む



そして呪詛の如く呟く、


「我は祈る、汝の破滅を」



詠唱魔法⁈そんなのとっくの昔に全部封印されたはずじゃ無かったのか


危険過ぎる魔法はいつでも争いを生み出す


魔法の始祖は幾万の魔法を創り出したと言い伝えられ、そのうち強力すぎる数千の魔法を詠唱無しでは発動しないよう禁忌指定にし、その呪文も もう残っていないはずなのに



何故アリシアが知っているんだ⁈



迸る紅い閃光がアリシアの手の上で生き物の様に 膨張、収縮を繰り返し徐々に大きくなっていく




灼熱の中に居る筈なのにその光を見ていると寒気を感じた




「上手く避けてよね?破滅(プレディション)断片(フラグメンツ)!」




紅い宝石の輝きに似た光球が俺に向かって放たれる


考えなくても分かる、莫大な魔力の塊の弾に当たったら人一人簡単に消し飛ぶ



両方の足で地面を蹴り飛ばし、比較的炎に巻かれていない方に飛び込む

ほぼ同じタイミングで魔弾が着弾し、拡散すると音もなく周囲の床を炎と共に消滅させた



「ほらほら、一つじゃないよ?いくつ目で消えちゃうの?」



続けざまにさっきの凶悪な魔弾を笑みを浮かべながら打ち込む


相手が空中にいる以上、俺に反撃する手段は無い


ひたすら、魔弾を転がる様に避け続ける 明らかにジリ貧だ、出血も酷い すぐに限界が来てしまう




その時、空を切り 何かがアリシアめがけて飛んでいく



「ッ⁈」


医療用具のメスだ、寸前で避けたが腕から血が出ている、恐らく掠ったのだろう




嵐のような弾幕が一旦止む



「リク、無事か!助けを呼んできた」


レア!良かった、服が破れ 血が出ているが大した怪我じゃない 今のメスはレアが投げたのか



レアが軽傷なのは恐らく魔族の強靭な肉体故だろう、女でも人間の男より遥かに頑丈なはず


アリシアが変化した後から見当たらなかったので心配していたが杞憂で済んだ




それに助けまで••••••嫌な予感がする



「おい、バカ 私が来たからにはもう安心だ!今さっき完成した新兵器の運用実験を開始するぞ」





嫌な予感は見事に当たった。





フューリは新兵器らしき銃を持って、誇らしげに無い胸を張っている





「貴女達、そんなに死にたいの?」



大きな声で叫んだからか、アリシアの注意が2人に向く




「這いつくばるのはそっちだぞ!」



そう言って銃身をアリシアに向ける銃口の先に光が集まっていき、


「チャージ率90%••••••100%‼︎」



眩い光が銃口から溢れる、魔力ではない強い光の力が最大限まで収束される




「喰らえ、科学の力を!F(フォトン)S(ストリーム)C(キャノン)‼︎」



引金を引いた瞬間、溜め込まれたエネルギーの奔流が一筋の巨大なレーザー光線になりアリシアに放たれる




アリシアもそれに合わせ以前に見せた 剣に魔力を流しこみ、悍ましい魔剣を完成させていて、勢い良く振り下ろす



死聖剣(デスブリンガー)‼︎」



大き過ぎる力と力がぶつかり合い衝撃波を生む




当に限界を越えていたこの部屋ごと魔王城は遂に閃光と轟音と共に崩壊した



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