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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第43話 今と昔の違い

日が経ち過ぎて感覚が狂ってます。変だったら申し訳ありませんm(_ _)m

 とりあえず地下を抜け、バロカスの部屋を通り過ぎたのはいいけどもかなり時間ロスをしてしまった。

 しかも今の俺の状況はあまり良いとはいえない。

 …俺の、というよりリンクの状況が、と言った方が良いのかもしれないけど。

 …………いや、別にスピード的には問題ないんだよ。

 確かに時間はロスしたがそれもさっきより速く走る事でそのロスを埋める、という結論に至った。

 そのため俺は個人的には辛いが時間的、もといスピード的には問題は無いのだ。

 まぁ、白露に辛いのがバレないように澄まし顔をし続けるのが問題と言えば問題か……何故白露にバレたくないのかと聞かれたら男の意地としか言えないけど。

 

 ……そろそろ、現実に思考を戻そうかな。

 前文に色々言ったからもうお気づきだろうが俺達は……正確には俺は……今ある壁にぶち当たっている。

 ちなみにどっちの意味でもだ。どこかの漫画のような悩みや人との間にある心の壁とかそんな比喩ではなく、しかしだからと言ってどっかの無駄に頑丈なシェルター並みの物理的な壁にぶち当たっている訳でもない。


 物理的にいうなら壁は俺でも破壊出来るくらい薄いし、精神的にいうなら……。

 ……少し考えれば分かった事なんだ。今は白露も気付いてないし問題なく走れているけどいずれは今の俺と同じ壁にぶつかるはずだ。

 

 それは何か。考えても見てほしい、俺達が今ここにいる理由はリンクが俺達を監禁した男、もしくはその仲間によってどこかに攫われたからである。

 そして俺達がその時点で得た情報は・リンクがどこかに攫われた事・攫われた時間が俺達が地下に戻ってくるまでの誤差20分である事・現場の状況からすでに殺されているという事は無いという事・今更ながらリオを巻き込んでいた事に気付いたこt……あ、これは今関係ないか。

 まぁ、とりあえず俺達はその程度しか情報を持っていない訳で、そんな状態から速攻で廊下を走り出して突進するかのように地下を抜け出し突っ走っているのが今の現状である。


 ………………うーん、今までの説明では分かりにくいかもしれないがとりあえず俺の今あたっている壁について言うと…………道が分からん。


 そう、道が分からないのだ。

 物理的にはこの屋敷の壁くらいなら突進で壊せるし特に問題はないのだけれど………そんな事をしてもあんまり意味ないし。

 上記の文で言った通り俺達に情報は少なくぶっちゃけるならリンクが今何処にいるのか知る由もない。

 白露の探索の術を使えば可能だろうけど敵に気付かれるとリンクがガチの俺達の人質になる可能性があるため事態をややこしくしないようそれは最後の手段、正直やりたくない。

 よく考えれば地下の時点では敵の動きからどっちに出口があるのか検討はついたしそもそも廊下は一本道で何処にリンクが連れて行かれたかなど考えていなかった。

 俺も今はこんなことを考えているけどこのことに気付いたのはさっき、バロカスの部屋を出てから直後なのだからなんともいえない。

 さて……どうするべきか…。


 …………やっぱりこういう事は白露と一緒に考えるべきだな。

 出来る限り個人的に解決しようと思ったがまったく良い考えが浮かばないし…………というかなんでこの屋敷も地下の廊下みたいに一本道なんだろ?

 

 俺は時々曲がり角などがあるもののまったく走るのに苦労しない廊下に疑問を持ったので道の事より先にこのことを白露に聞いてみた。


 これってもしかして幻術だったりするのかな、白露?


 先の経験からこの道自体が幻術なのではないかと俺は思ったので今回は消えていない白露に目を向ける。

 俺の質問に対して白露も少しは思う所があったようで顎に手を当てて何かを考えるように辺りを見回したあと再び俺の方に向き直ると言った。


《いえ、これは現実です。幻術の気配は確認出来ませんね、元々こういった構造なのでしょう。あ、ちなみに私も現実で実物な正真正銘の私ですので安心して下さい》


 …今言う事でも無いけど現実と幻術って口にだして読んでみると紛らわしいよな。

 正直言うと今の白露の言い回しで現実と幻術を逆にすると俺が幻術にかかっていて目の前の白露が正真正銘の幻術で本物だと意味の分からないことを言われて馬鹿にされてるように聞こえそうになった。


 まぁ、それはさておきこの通路が幻術じゃないとすると何故また窓が無いんだろ。

 明るいから特に気にしないかもしれないが部屋が少しはあるのがなんか余計に不自然だな…。






 ハルが思っている”何故こんなに長い廊下なのに窓が無いのか?”という疑問。

 その答えは一言で言うならバロカス対策。

 毎回部屋に籠るか脱走して逃げるかして王族の仕事をサボりたがるバロカスに頭を悩ませたリマが苦肉の策として行なったのが逃げ道の一つの閉鎖………というか完全な削除であった。

 そのためバロカスの通常の逃げ道の一つである窓をリマが手を加えられる範囲で改善、もとい削除したのだった…………………というのが真相だったりする。

 



 


 ……………ま、いっか。

 多分だが深い意味は無い気がする。

 今はそんなことよりどうやってリンクを追うかその方法を考えなければ。



 で、白露に聞きたいんだけどどうやったらリンクを追えるかな?正直目的地がないとやる気が出ないとです。




《………はい?》



 何故かものすごく呆れた……というより信じられないと言う顔で笑顔が引きつると言うとても器用な顔をされた。

 あ、でもこの速さで走りながら白露の顔をはっきり見えてる俺も器用と言えば器用なのかな?

 俺がそんなことを考えていると少し焦った様子でこうも言われた。


《え?冗談ですよね、ハル?一応私も探索してますから今のところ間違いは無いはずですけど………》


 本当に信じられないといった感じで言う白露に俺は思わず目をそらしてしまった。

 現在子狐モードにも関わらず俺の全身からギャグのように汗が流れて行く。

 そして内心俺は思う。


 ………やばい、どの辺が冗談なのかも分からない。


 どうやら俺はなかなか大胆なミスをしてしまったようなのだがどの辺りの事なのかがまったく理解出来ない。もしかしてものすごく大事な所を見落としてるのかもしれないのだが………………………考えて見ても思い浮かばない。

 白露は俺の様子を見てさらに狼狽した様子で言う。


《ほ、本気のようですね……。し、仕方ありません、説明しましょう。まず………ハル、貴方の今の姿はどういったものですか?》


 姿って………そりゃ子狐ですけど………軽くコンプレックスになりかけだし。

 さっき地下にいたせいで毛がべったりだったのが中途半端に乾いてパサパサで気持ち悪い、それが全身だからたちが悪いよな…。

 で、それがどうかしたかい?この体になると速く動けるから便利だけど…。


《もうそこまでいけば分かりそうなものですけど……なんで無駄な所は分析してるのにこんな単純な事を……ふぅ。ではハル、次に私の一族はどんな種族ですか?》


 そりゃ、狐族……正確には上代一族だったっけ?


 それが?と、未だ白露が何を言いたいのか分からない俺は再度聞き返すが白露の顔はなにか遠いものを見つめるような…もはや呆れてるとすら言えない顔で続きを言う。


《そう、私達は上代一族……というより総合的に言うなら狐族です。そして私達は主に山の中で集落を造り自給自足で生活しています………まぁ、私は今は逃亡していますがその前はそのように生活していました》


 うんうん


 何故か急に白露の一族の話になっていたので一応頷く。

 ピキッという音が白露の方から聞こえた気がした。


《………そろそろ察してほしい所ですがようするに私達が自給自足するうえで………いえ、野生動物が山で生きて行く為に特に狩りで必要なスキルとは?答えは探索。まさに今と同じです。さて、もうお分かりでしょうが足跡のような小さな手掛かりから獲物までたどり着く過程で今のハルの状況からもっとも使えるものは何でしょう?》


 …………………………………………………やばい、どうやって弁解するべきか。

 今、俺の全身からは滝のように(幻視だが)汗が流れている事だろう。

 それもそのはず、前半の文でものすごい能書きたれたにも関わらずそんなの関係なくこの事態は自身の事をちゃんと分析していればどうにかなった事だ。

 白露の質問の答えは……鼻だ。

 今の俺は子狐、リンクの匂いを覚えて辿る事も可能だろう。

 確かに匂いを辿って獲物を見つける、野生動物の常套手段にして何気に役に立つ能力。

 白露に呆れられるのもわかる気がする。


 しかし言い訳させてほしい、忘れがちだが俺はつい最近まで人間だったんだ。

 しかも碌に山とか行かないインドア派(師匠のせいで一部アウトドア)。

 そんな俺が子狐になれたからといっていきなり匂いを嗅いで人を探索するなんて出来ると思いますか!?

 どっかのアニメの主人公みたいにすぐそんなことが浮かぶと思いますか!??

 だから…だから……慈悲を………下さい、白露さん。


 そんな走りながら頭を下げるという少し危ない事をする俺に白露はため息を吐きながらいう。


《…………まぁ仕方ないですね。人間と私達では習慣が違いすぎるのもありますし”緑陽”が使えたから少し油断していました。今後は私も気をつけましょう》


 どうやら今回は許してくれるようだ。

 そして助かったと言う気持ちと今後は自身の分析もちゃんとしようという決意をしている俺に白露は”しかし!”と言ってこう続けた。


《次からはこういった疑問が湧いた場合、すぐ私に相談して下さい!おそらくハルの事ですから気付いたのはあのバロカスさんの部屋を抜けた辺りでしょう。今に至るまでその事に悩んでいたのでしょうが次からはすぐ私に教えて下さい、わかりましたね!!》


 はい…。


 強い口調の白露の言葉に俺は頭が下がる気持ちでそう答えるしかなかった。


《ではここからは私の指示する道順に従って下さい。ハルにもしてもらいたい所ではありますがまだリンクさんの匂いを覚えていないでしょうから今回は免除します》


 早速と言わんばかりに俺の前を進み始める白露。


《行きましょう》


 ナチュラルにさっきよりスピードが上がった。





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