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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第42話(後編)inリマ

お久しぶりです(- -;)更新遅くなり申し訳ありません。2月も遅くなりそうです。

「ふむ、大義であるぞ!ヴィ!我が輩もまさかこのようなさぷらいずが待っていようとは思わなかったのである」



 ……。


 …さて、いつまでも呆然としてるわけにはいかない。

 とりあえずだが、まずは状況分析からいこうか。

 

 ひとまず当初の目標である地下からの脱出は成功したみたいだ。

 周りを見てもこんなゴージャスな部屋が地下内にあるんだったら俺達を牢に入れたあの男ももっとマシな牢か部屋を用意したはず、少なくとも敵意はそこまで無かったようだし。

 まぁ、ここを地下と言わない決定的な理由は部屋の角の窓から日の光が差し込んでるからなんだけど……それを言ったらまぁ分析の意味ないし。

 あ、気付かなかったけど天井にも穴が空いてたのか後ろ向いたらものすごい光が…………マブイ。

 手で隠そうにも今子狐だから手が小さすぎてほぼ意味ねぇ…。

 ………まぁ、それについては置いといて。

 俺はとりあえず状況分析を再開する為に前方に顔を戻しまた辺りを見回す。

 …………確認出来る存在は、何でか猫耳装備で………何かパーティーにでも着ていくかのような、もしくはコスプレとも取れるような黒を基調とした上着にボタンの辺りにフリルの付いたカッターシャツ、そして下は黒スーツのズボンを履いている、少しイケメンで猫顔?の非常に微妙な男が一人。

「しかし動物よ、お前誰に頼まれてこんなさぷらいずを………」とか訳もわからない事を言っているのでおそらく敵とは思われてない様子。

 ……あとは俺達を除けばそれ以外は確認出来ない、確認出来ないと言えば白露も霊体化してないから視認出来ないが………多分、この場を混乱させない為にワザと霊体化を解除して、気を使ってくれたんだろう。

 と、俺が白露の気遣いに少しありがたいなぁと感心していると、


《あ、すいません。いきなり人がいるとは思わなくて反射的に霊体化を解いてしまいました》


 えへへと、可愛い仕草で視認出来るよう霊体化してきた白露。

 白露よ、仕草は可愛いから許すけど………もう少し空気を読んでもらえると助かったかな…。

 俺も見えるって事はもちろん視認出来る訳ですから目の前の微妙男にも見えている訳で……、


「ヴィ!!?なんであるか貴様!?突然現れ………ッハ………もしかして精霊という奴ではないか?母上がよく話してくれたおとぎ話に出てきた者の特徴に似てるである!」


 ほら、もろ見られて正体(この国での)も見破られてるじゃないか。


《…………………………………何かすいません》


 白露って時々天然だよね。

 




 ………で、ここからなんやかんやありまして。




「ヴィ!おぉ!この動物言葉まで話せるのか!!………さてはこのさぷらいずを考えたのはリミマロであるな!!」


「よし、遊ぶぞ!せっかくリミマロが用意してくれたおもちゃ、遊んでやらずして何が主か!!」 


「ヴィ!ここにバロカスふぇすてぃばるを開催するのである!」


「何!?もう時間がないとな!??リミマロめ、雇うのならもう少し時間のせってぃんぐを考えとくである………まぁ、我が輩に不可能は………無い!!!………多分」


「ヴィ!うむ、ここまで美しいおもty…………動物と精霊が一度に我が手中に収まるとは!これぞ我が輩の日頃の行いであるな!!」



 以上、会話の中身から察するにリンクも言ってたバロカスの過去音声集でした。

 バロカスの音声だけで悪いんだけどこの音声の間に俺のプライバシーの侵害される………そう、機密があったんだ、だから気にしない方向で華麗にスルーしてほしい。

 まぁ、簡単に言うなら前編の《ハル、閃きましたよ!》の部分に戻る、という感じである。



 ドゴォォォォォォン!!!!!!!!!!!



 …で、閃いたとは何がだい、白露?と、俺が白露の《閃きました!》という言葉に返答しようとそう口にする直前、バロカスの後ろのドアから轟音が鳴り響いた。

 思わず部屋の中にいた全員がそのドアに注目した。

 そして見てみるとドアの中心辺りが少し盛り上がっていた。

 よく分からないがそれを見てバロカスは信じられないといった様子でドアを見つめている。


「んな!?何事であるか!?このドアはもちろん壁も多重防壁魔法レベルの強度があるのだぞ!!それをこうも簡単に…………、」


 ……詳しい意味はわからなかったがどうやらあのドアとか壁は見た目に反しどえらい強度を誇っているようだ。

 しかし、どうやらドアの向こうにいる………敵?はそれを上回る威力の攻撃を放っている。

 見た感じおそらくあと2.3撃は耐えられそうだけど………さて、俺はどうしようか。

 ………とりあえず白露と連絡を、


《ハル!構えて下さい!!》


 とろう、そう思っていると白露が声を荒らげながら叫ぶ。

 次の瞬間、


「バロカス様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!ご無事ですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!????????」


 俺が白露の突然の声に驚いている中、轟音とともに知らない女性の声とともにドアが凄い勢いでこちらに飛んできた。

 ………って!?2撃で?!ヤバ!!?

 俺がさらに目の前の事実に困惑していると耳元から小さく白露の声が聞こえた。


《………ハル、この事態では仕方ありません。私が妖術を使います》


 俺はドアが近づいてくるそんな中で白露の声を聞いただけで冷静さを取り戻した。

 そして見た、白露が右手を俺の肩に、左手を迫ってくるドアの方向に持っていくのを。

 白露はおそらく詠唱であろう言葉を小さく呟くと最後に俺にも聞き取れる声でこう言った。


《狐火・燃焼系 『火髏ほろ』》


 白露がそう言うと白露の左手の周りの空間が燃えるように歪んだ。

 そしてその状態の左手が迫ってきたドアに触れた瞬間………いや、触れたのか分からないが……燃えながら通り過ぎていった、ドアの真ん中は俺達が通れるくらいに円状にその部分が存在しなくなっていた。

 横から見たらすり抜けたかのように見えたかもしれない。

 そしてその数秒後、役目を終えたかのようにドアは跡形も無く燃え散った………しかし端から見たらただドアが俺達を通って消えたようにしか見えないだろう。

 …………………だが、今の術に関しては走りながらでも聞ける。

 …いつまでも呆然とはしていられないと再び自分に言い聞かせながら俺は無言で立ち上がり空いたドアのあった場所に向かって走り出した。

 まだバロカスは状況が理解出来ないのか首を…………”これもさぷらいず?”んなわけあるか!?

 俺はバロカスのボケに心の中でツッコミながらドアのあった所を通り過ぎた。

 途中なんかメイド服を着た結構なお胸のお姉さんと目が合ったが…………なんか目に殺気が隠ってたのは何故だろう?日護涼華の件が無かったら足止めてたかも…。


 ………それに関しては今日寝る前にでも考えようかな。

 今はリンク救出に集中しますか…………結構な時間ロス、急がないと。


 俺は走る速度を上げた。





 sideリマ



 さて、今回はどうやってバロカス様に出てきてもらいましょうか。

 毎度毎度いつもいつも、何故私はいつもバロカス様を止められないのか………はぁ。

 ………あ、申し遅れました。私、バロカス様の側近をさせて頂いておりますリマと申します。

 現在私は、部屋に籠られたバロカス様をどうやって誘い出すか検討しています。

 今日は国王様との会食もそうですが何より…………私達からのサプライズもあるのですから早く出て来て頂かなければ。

 あの方の事でしょうから会食の事とか今の今まで忘れていたでしょうし………なんとなくですけど最近あの方の考えてる事がわかるようになってきました、やはり長いお付き合いをさせて頂いたからでしょうか?

 まぁ、放っておいたらまた昼寝を始めるかもしれませんし、手早くしなければなりません。

 この扉は特殊防壁魔法付き自動ロックというかなり高性能ですが幸い防音はされていないので私がここで騒いでいればバロカス様が昼寝に入る事はまずありません。

 ………はぁ、それにしてもまったくあの方はいつもどこか抜けているのですから。

 この扉だって職人が防音の魔法を入れる手間をケチったせいで防音がなされていないのに気付いているんでしょうか?

 ……いえ、気付いていないでしょうねあの方は。

 まぁ、私には都合がいいのでそのままバロカス様には言わず職人を脅すくらいしかしていませんが。

 ………………しかしこうしてドアの前でバロカス様に呼びかけているとやはり昔を思い出しますね。

 今だから思いますが昔の私は中々尖ってました。

 おそらくバロカス様には身なりも見窄らしい目つきの悪い子供、とでも思われていたのかもしれませんね。

 …………………まぁ、あの時は誰の事も信用していませんでしたから。

 その理由もまた………。

 親は私が物心付いた辺りから私を奴隷商に売りました。

 そこからの流れは皆様の想像力にお任せいたしますが、あまり良いとは言えない生活が続きました。

 奴隷生活を続けていると元々明るかった私の性格はどんどん暗くなり、次第に……いえ、これは奴隷の必然かもしれませんが絶望を味わい、世界を憎んで感情は空虚になっていきました。

 丁度そんな時でした、ある中年貴族が私を買ったのは。

 最初はもちろん絶望しました、あんな濁った目をした者に汚されるかと思うと自殺も考えた程です。

 心は確かに空虚になっていましたが絶望とは空虚になろうとも底など無いとその時初めて知りましたよ。

 ………しかし、こういうのも変かもしれませんが私はあの糞貴族が私を買ってくれた事を感謝しています。

 だって、そのおかげで私は…………人生で最高の主に会う事が出来たのですから。

 …あれは確か私が買われてあの糞貴族の新築らしい屋敷に他の奴隷達と連れ込まれそうになった時でしたね。

 あの時の私は屋敷に入れられた後何をされるのかを考えていたためずっと震えていました。

 まだ子供ではありましたがどういう事されるのかは何度も見てきましたから……………でも勘違いはしないで下さい。

 私は奴隷としては運良く純潔です、何がとは言いませんが。

 ……………しかしバロカス様はあの時から全く変わっていませんね。

 この今の現状何かかれこれ私がこの屋敷に仕えるようになった初日と重なるのですが……。

 ……………この話はまたの機会にいたしましょう。


 さて、初心に戻りましてどうやってバロカス様をこの部屋から……正確にはこのドアから出してしまいましょうか。

 あの方の事でしょうから今頃ならどうせ”我が輩を敬ってパーティーとかサプライズはないのか!!”とか考えていらっしゃるのでしょうね。

 ふふ、心配せずとも今日がそのサプライズパーティーの日ですよ。

 サプライズもパーティーもどちらも用意したのですから喜んで下さい!

 ……………と、言ったもののまずはバロカス様をこの部屋から出さないと何も始まりません。

 私達主催のパーティーがあると言えば絶対出て来るでしょうがそれだとサプライズになりませんし。

 ここはやはり前に成功したあれを…………、



 ボゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!



 突然扉の向こうから大きな音が聞こえた。


 …………。


 …………今のは何の音でしょう?

 極端に言うなら火山の爆発を縮小したような音がしましたけど……。

 おそらく魔法を発動した音でしょうけどバロカス様ではありませんね。

 言ってはなんですがバロカス様には魔法の才能は無いです、皆無です。

 なので部屋の中で魔法のような音が聞こえたと言う事は最低もう一人は誰かがいるということ………………………………もしかして恋人?

 え?あのお馬鹿に?そんな馬鹿な……………いえ、しかし立場と顔だけを見るならそこまで悪くない物件。

 あり得ない話では………しかしだからといって部屋であんな音のする魔法を放つでしょうか?

 まぁ、それくらい情熱的な方でなければあの方は預けられな…………って何を言ってるんでしょうか私は………。

 ………今度は冷静になって考えて行きましょう。





 〜数分後〜







「バロカス様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!ご無事ですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!????????」


 私は目の前のドアをついに吹き飛ばした。

 特殊なドアだったようですがやってみれば案外簡単に壊れるものですね…。

 え?なんで私がいきなりドアを破壊しているのか?

 ………はい、それは私が冷静になって考えた結果この部屋の中には敵がいる可能性が高いと勝手に判断したからです。

 仮に恋人が居た場合、私がこの世からいなくなるだけなので問題ありません!

 ……ってそんな事より、バロカス様は?バロカス様は何処に!!

 私は辺りを素早く確認する、すると。


「バロカス様!」


 バロカス様を見つける事が出来た。


 部屋は所々壊れていますが見た所何処にも外傷は無く無事なようです………が、何故か何かに感心したような表情なのは何故でしょう?

 私はバロカス様が無事な事に安堵を覚えつつその反応を疑問に思った。

 そんな私の考えなどいざ知らずバロカス様は空気を読まずこう言った。


「む?なんであるかリミマロ?これもさぷらいずであろう????」


 ………意味が不明である。

 確かにサプライズは用意してありますが私がこんな部屋をめちゃくちゃにするようなサプライズを企画するはずがないでしょうに……。

 あぁ、この部屋の修理費はいくらかかるんでしょう、またあれこれ手配するので仕事が増えました。

 …とまぁ、こんな事を即考える私がこんな惨状を現実化する訳無いのです。

 バロカス様が何を勘違いされているかわかりませんがとりあえずこの惨状(命名さぷらいず)を起こした犯人を見つけましょうか。

 私の仕事を増やした罪を償わせてあげまs…………いえ、バロカス様の部屋をこんなことにした罪を償わせてみせます!

 ちゃんと修理代を賠償してもらわなくてはなりません。

 今回はバロカス様に怪我も無いようですしそのくらいでいいでしょう。バロカス様も楽しめたようですし。

 ……………ですが、万が一今回の犯人がもしバロカス様に危害を加える思考をもった輩だった場合…………………………コロシマスか………………コロス。

 私の周りの温度が冷たくなっていく。


 しかしそんな事はおかまい無しと再びバロカス様の声が横から聞こえた。


「ヴィ!リミマロよ、我が輩がせっかく上機嫌なのだ!そんな辛気くさい顔をするでない!!」


 ……………………………………………………………おっと、少し殺気が漏れていましたね。

 しかしバロカス様に変化無し…。

 バロカス様は相変わらず物怖じけしませんね…………やはりこれも一種の才能ですよね。

 だからこういう時バロカス様は助かります、何せバロカス様は殺気を一切感じませんから。


 ……さて、何はともあれバロカス様は無事で障害も消えました。

 犯人を追う事も優先事項ですがまずはバロカス様をパーティー会場に連れて行かなければ私達の苦労が無駄になってしまいます。

 ……………とりあえずバロカス様の捕獲から始めましょうか……………何故かいつの間にかいなくなってますし。


 そうして私はバロカス様が逃げたであろう開いている窓の方向に走り出した。

 それと同時に私の頭には片隅にしまってあったある疑問が浮かんでいた。


(……しかし、私が部屋に入ったあと横を走り去っていった動物らしきものはなんだったのでしょう?)


 これから30分程考えても私の疑問は解消される事はなかった。






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