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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第39話 精霊語り

ものすごく遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m

 現在俺は非常に微妙な状況にいる。

 牢を脱出しアミアとも合流出来た、端から見ればかなり良い状況のはずなんだけど……。

 …そんな視線を浴びせないでくれアミア。

 なんか俺がリオを誘拐して来た、みたいな想像はしないで………だからその目で見るのはやめよう。

 俺だって君の赤い天使モードについて聞きたいんだから。


「それでハルさん、白露様。何故お二人が城に籠っているはずのリオと一緒にいるのでしょうか?」


 さて、どう説明したら良いのか…。

 拉致されて牢屋に入れられていたら突然リオが現れてここに逃がしてくれた……なんて、まぁ、信じてはくれるだろうけどむしろ拉致されての部分でアミアが責任を感じそうだからなぁ。

 そもそも逃がしてくれたと言っても移送魔法でここまで跳んできたといって本当に信じてくれるかな……現実味がなぁ。


 俺がそんなふうに言い訳を考えているとさっきまでアミアの顔をジーっと見ていたリオが何か納得したように言う。


「むむ、これは由々しき自体です。もしや私はドッペリゲンガーというものに遭遇しているのでしょうか?」


 リオの軽いボケ?のおかげでアミアの視線が俺からリオに移る。

 正直助かった……さすがにアミアも本気で俺を誘拐犯だとは思ってないだろうけど何らかのアクシデントでリオを連れてきたくらいは考えてるかもしれない。

 …………だがそもそも俺は今、鎖で縛られてるから動くにも動けない、そのくらいならアミアも気付きそうなもんだけど……やはり面識はなくとも妹は大事、か。


「ドッペルゲンガーですよ。相変わらずどこか抜けていますね、リオ」


 リオの能天気さにアミアも何やら気が抜けたようにリオにツッコム。

 その顔は少し呆れてるようだ。

 この状況だけを見るなら確かに本当にいつも一緒な姉妹みたいに見えなくもない。

 もしかしたらアミアはリオと姉妹としてまともに会っていればシスコンになってたかもしれないな、まぁ、あくまで予想だしこれから結果を見ていけばいいか。


 俺が微笑ましい目で二人のやり取りを見ていると珍しくリオはアミアの言葉に少し考える素振りを見せそして再びアミアに向き直って言う。


「むむ、む?相変わらず?私は貴方とお会いした記憶がやはりないですです、そっくりさん」


 予想通りというかやはりアミアとリオは直接的な面識はないらしい。

 大方アミアが城にいる時にリオを一方的に見ていたとかそこら辺だろう。

 ……まぁ、立場上会うわけにはいかなかったんだろうし仕方ないといえば仕方ないのか。

 リオももし会ってたなら今みたいに困惑して……………あれ?案外困惑してなくないか?


「そっくりさんではありません。私はアミアです」


 そっくりさんという言葉に少し微妙な顔をしながらアミアは自身の名前をリオに告げた。

 対してリオはやはり名前に聞き覚えがなく顔に見覚えもないのかさらに分からないといった顔をしながらアミアに聞き返す。


「むぅ、ならアミアちはなんで私の事を知ってるです?城で見た覚えもないですし」

「え?ちって…………まぁ、隠す必要もないですしここは城の外、話しても問題ないですね。…私のフルネームはアミア・オルス・デ・ツウェルペトール、腹違いですが貴方の姉にあたります」


 ……逃亡中とはいえそんなに自分の出生について話しても良いもんなのかなぁ。

 個人の問題だから何とも言えないけど……まぁ、今の状況なら俺達以外いないから話すのには最適か…。

 それにしても”ちゃん”でも”様”でもなく”ち”とはなかなか珍しい………俺の場合はハルち、白露なら白露ち…………俺だけなんか違和感があるんですけど。

 ……本名でも教えようかなぁ……あ、そうしても語呂悪いな。


 俺がそんなどうでも良い事を思っていると事実を聞いたリオが驚いた表情で声をあげながらアミアに言う。


「むぇ?!姉様なのですか!?……………と、驚いてしまいましたがそれなら何故私は姉様の存在を知らなかったのでしょう?我が国の王族の血縁なのは分かりましたです………しかし私の姉様なら今の私の地位である第5王女にいなければおかしいのです」


 リオのもっともな言葉にアミアは初めてリオから目をそらした。

 そういえばアミアがなんで存在を消されてるのか、前に聞いた話でアミアの口ぶりからすると本人自体がわかってなかったようだが。


「それは、」

『そこからは妾が説明してやろう』


 突然頭の中に女性と思われる声が響いた。

 俺は白露で慣れているから単に驚くだけですんだがリオは辺りをキョロキョロと見て困惑してるのが伺える。……でもアミアが特に動揺していないのは何でだ?聞こえてないのかな…?


「!むむむむ、今度はどなたですか?」


 確かに誰だ。

 声自体は聞いた事がない、その上に姿が見えない。

 敵の可能性が高いな……警戒しとかないとな。

 とりあえず、


 白露、この近くに敵と思われる人は確認出来るか?


 まずは白露に周囲の確認をしてもらうため俺は心の中で語りかける。

 それを聞いたであろう白露は見た感じ警戒はしておらず俺にこう言った。


《……この周りに敵はいませんね。それとこの声の主は害はないと思いますので大丈夫で、》

『妾はここじゃよ、ここ』


 ………白露、この会話は俺達の間でしか聞こえないんだ。

 したがって今のはわざとでもなんでもない………だからそんな子供みたいに頬を膨らませるのはやめなさい。

 それで、この声の主が害がないってどういう………そもそも頭に直接語りかけてくるからこっちと言わても分からないんだが。


『むぅ、分からんか。……まぁよい、どこにいようと話の内容は変わらんからな。とりあえず名乗りはしておこう、妾の名はヴァハ。魔法の精霊にしてアミアの友じゃ』


 姿は見えないがヴァハは自慢げに語っている姿が容易で想像出来る声色で言う。

 その自己紹介を聞いて俺とリオの視線は自然とアミアの方へと動いた。

 俺達の視線を受けたアミアは苦笑いで頭上のさっきからピコピコ上下している水晶の輪っかを指差しながらこちらを見ている。


『お、ようやくこちらに顔をむけたのぉ。そいでは何故アミアが存在を消されているのかの説明をしてやろう…………………いや、そう怒るなアミア。言うタイミングがなかったんじゃ。』


 どうやらあの輪っかがこの声の主らしいな。

 まぁ、精霊ってのが本当なら今のアミアの現状を知る限りアニメや漫画、小説、ドラマの知識を総動員して大体予想は出来た。

 しかしあのジト目のアミアを見る限りではアミア自身消された理由についてはしらないようだな。


『……………話を戻すがの、アミアの存在が消されている理由を語るにはまずこの国の昔話を聞いてもらわなければいかん』


 昔話か……そこまで根が深い話なのか。

 まぁ、今後ともアミアとつき合っていくために聞いておいてそんはないだろう。

 ……そういえばリンクの教会はいつできたんだろう?俺の世界では結構始めの方からあったイメージがあるけ………ど………。

 

 ……


 ……あれ?もしかしてリンク置いてきた?



 sideハルout






『その昔まだ国も村さえも出来ていなかった頃、三人のめが……精霊がおった。その精霊達はある理由からこの土地に住み着き土地の様子を見守っておった。そして時間が経つと精霊の内の一人の周りにその精霊を祀り崇める小さな村が出来た。その崇められた精霊は長い間暇だったので暇つぶしもかねその村を見守りたまに村人を助けたりもした。そのおかげなのか村の精霊に対する信仰は薄れる事はなく長い間平穏な時が流れた。』


『しかしその平穏は突然終わりを告げた。原因は今でも分からぬが村人の一人が他の村人を襲いだしたのじゃ。その者は黒いモヤを全身から発しながら目は赤くひたすら殺すと呟きながら尋常ではない力で村を蹂躙していった。精霊は直接人に関わる事はその時出来なかったので自然現象での足止めが精一杯じゃった。そんな時、唯一精霊を絶対と信仰していなかった為に異端といわれたある少女が精霊に呼びかけた。”契約しましょう、私はあれを殺す為に力を望む、貴方はあれを殺させるために私を使う……そして、誓いましょう、貴方はこの先退屈しないと、私達はこの先貴方と共にあると”もはや命令に近かったそれに精霊は頷き契約した。』


『こうして精霊の力を得た少女は村人を倒し殺した、いとも簡単に淡々と。結果もそうだが他の村人にはそう見えたのだろう。村人達は村を救った少女を英雄視するとともに恐怖の眼差しで見た。少女があの村人を殺した時の一筋の涙の事など知らずに……。そうして少女は村を救った後、精霊との約束を果たすため国を造り王となり様々な事を行なった。そして何より少女はいつまでもともに精霊と共にあった……』


『………まだまだ続きはあるが一旦ここで区切るとしよう。結論から言えば現王であるあの豚のように特殊な力を持たずそれを恐れるだけの愚か者がいつの日からかこの国を支配し力を持つ者の存在を消した。殺さなかったのは人間としての情か……それとも妾達の報復を恐れたのか…』





「あの、アミアに聞きたいのですがこの鎖を解除する事は出来ますか?」


「……え!?あ、はい……うん、今の私なら解除する事は出来ますけど……」


 チラッとアミアは頭上の輪っかに目線を向ける。


『……』


 ヴァハは何も言わない、ただアミアの背中に生えている赤水晶の翼がハルを襲う。

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