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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第38話 姉妹

結局昨日中に更新出来ず申し訳ありませんm(_ _)m


《あの……本当にすいません》


 現在、白露は霊体化しているので足は見えないが正座の状態で思いっきり気まずげに俺と目を離しながら俺と相対する形で向かい合っている。

 かく言う俺は悟りに達したかのように清々しい心境で白露を見ている。

 おそらく今の俺はかなり奇麗な笑顔でいるのだろう。元が良い白露の顔ならなおさらだ。

 しかし白露にはそれが不気味に写ったのか一向に目を合わせようとしない。


 いや、もういいよ。

 意識しても止められない事も人には一つくらいあるもんさ。


 そりゃ、激しくツッコミたいところは多々あるけど、あのヘブン状態は白露の持病ってことで片付けとくよ。

 あの赤狐のよく分からないリンチに比べればスルーするのに何の問題もない。

 今度はもっと気をつけてくれれば、


《いえ、本当に………本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ》


 俺の言葉を遮りながらジャンピング土下座を決め込む白露。


 ……どう反応すれば良いのか。

 まぁ、弁解聞いたらスッキリしてくれるだろうし………よし、聞くか。


《わ、私の昔からの癖で…………!?》


 おそらくこれから白露の弁解が始まろうとしたまさにその時。

 さっきまで俺達を拉致した男が居た場所から突然魔方陣が現れた。

 同時に青い光一瞬だけ俺達を包み不覚にも俺は目が眩んでしまった…………が、反射的にあの男が戻って来たものと思い白露共々戦闘態勢に入る。

 ……………自然に戦闘態勢になるって、今更ながら俺もなかなかこの世界に日常に順応してるなぁ。


 そんなふうに俺がしみじみ思っていると魔方陣が出現し光った場所から声が聞こえた。


「む、地下とはこういうものなのですね。予想通りじめじめして薄暗いのです」


 さっきの光のせいでまだいまいち視力が戻らないがその声は子供の…それも女の子の声だった。

 まだ視界はぼやけているがどうやら周りをキョロキョロと見回しているようだ。

 …………あれ?なんで白露から何かツッコミが来ないんだ?

 いつもなら気をつけて下さいとか油断はしないでとか何かしら忠告があるのに…………もしかしてまださっきの説教、引きずってる?実際そこまで怒ってないんだけど……。

 

 と、思っていると段々と目の集点が直っていき回りの景色もちゃんとした形を取り戻していく。

 そして目に完全に色が戻り改めてその少女の方向に顔を向けると俺は信じられないものを見た。


「しかし反面この案外広い空間、うぃ、今度からはここに逃げ、………………むむむ?!」


 目の前の少女はこちらに気付いたようで驚きの声を上げる。

 しかし俺と…おそらく白露もそんな事は意にもかえさず少女を見て固まっている。

 そして……


「アミア?」

《アミアさん?》


 思わず俺達はそう呟いてしまった。

 そう、まさに今目の前には幼く少しつり目なアミアがそこに居た。

 本人ではないのだろうがあまりにも似ているためどうしても確認をしなければと反応を見る。

 しかし少女は普通に名前を間違えられたのが心外だと言わんばかりに眉間のシワを少し寄せた。

 

「どうして人が、ってむむ、というか私ですか?どなたかは知りませんがアミアという名前ではありません、私はこの国のしがない第5王女リオなのですよ」


 第5王女のリオ……。

 …あぁ、なるほどこの子が第5王女ということはアミアの妹か………なら似ていても何ら不思議はない、か。

 ……しかしなんか微笑ましいなぁ。

 無理して正直無い胸を張る姿はなんだかとても微笑ましい。

 でもなんでそんなお姫様がこんな所にくるんだろ?


 俺がそう考えていると少女は何かに気付いたように考え込み、やがて考えがまとまったのか俺達に向けて言う。


「むぅ?しかしどういうことでしょう?ここはもう使われていないはずなのですが……………ふむ、とりあえずお邪魔するのですよ」


 そう言うとリオは檻の外に居たにも関わらずまた青く光ったかと思うと気付いたら檻の内側に居た。

 ……おそらく移送魔法を使っての移動だろう、魔方陣も黒鎧が使っていたものと似てるし。

 そう思った俺だがふとある事を疑問に思う。


 ………白露よ、移送魔法ってそんなに手軽に使えるもんなのか?

 この子、俺の世界の漫画で言う瞬間移動を片手間をなくすために簡単に使ってるけど。


 この世界の魔法や妖術にまだ全然知識不足な俺は白露に移送魔法について聞いてみた。

 そして白露の返答は、


《通常なら無理です。移送魔法は魔法の中でも特に術式が繊細で集中力のいる魔法なので使い手自体も多くありません。そう、そのは、》

「む、ちなみに私の王位継承権は低いのであまり人質には使えませんよ。第6王女の力なんてたかが知れてますし国としての私の重要度は無いに等しいのです。………だから襲ってくるなんて面倒な事はしないで下さいです」

《………むぅ》


 さっきから思ってたけど”む”多いな。

 ……白露や、被せられたからってそんな不貞腐れない。

 あ、返答しとかないと。

 

「襲いませんし、人質になんてしませんよ。私は今こんな状態ですし白露は無駄な争いは好みませんから」

「うぃ、ようやく喋ってくれましたね。白露とはこのお姉様の事です?」


 俺が返事をするとリオはすぐに切り返して来た。

 顔は全くの無表情ではあるが声が少し上がっている事から少し嬉しそうだ……多分。

 とりあえず俺は”そうです”と返事をしておいた。

 ……………リオ、白露は触れないから必死に触ろうとしないようにね?お姉様、触らせて下さい、とか言わないの。


「というかお兄さんやお姉様は何故こんな所にいるのですか?未だ残っていた死刑囚というわけでもなさそうですし………しかもその鎖、前に出来たばかりの最新のものなのですよ」


 まさか自然とリオからこの鎖の情報が聞けるとは思わなかった。

 まぁ、この国で造られたものなんだから子供とはいえ小耳に挟んだりしたのかもしれない…………しかしどうやらこの鎖は最新のものらしいな。

 そういえば俺が最初に付けられた鎖は赤壁に反応なんかしなかったな……あれって旧型?

 ……おっと思考に浸る前にリオの質問に答えないと。


「それが……簡単に言うなら誘拐……攫われてしまいまして、気がついたらここに。……リオさん、この鎖の解き方を知っていますか?この鎖さえ解ければすぐにでもここから出られるのですが…」

「むぅ、申し訳ないですがその鎖は私では取る事は出来ませんです。その鎖には複雑な術式と私も知らないような未知の技術が導入されたと聞いてますから」

 

《未知の技術……》


 白露が未知の技術という単語に反応した。

 ヘブン……いや…さっきより真剣な顔つきで悩んでいるようだ。

 ………何か心当たりでもあるんだろうか?


 そんな事を俺が思っているとリオから救いの一言が。


「というかお困りなら私が外に連れて行ってあげましょうか?」

「……良いんですか!?」

 

 思いがけない一言に俺は一瞬動きが止まったがすぐに持ち直してリオに聞き返した。

 そしてリオが言う。


「うぃ、お兄さん達は悪い人には見えませんしその鎖がある以上お姉様はともかくお兄さんは何も出来ないでしょうから」


 顔は無表情だけど………もしかしてリオって天使?

 さっそくお願いして……………どうした白露?

 俺がリオにここからの脱出を頼むために白露の同意も取ろうと思い白露の方を見るとヘブン状態ではないようだがおそらくさっきの未知の技術の事について考えているのだろう。

 ……出来れば邪魔はしたくないが今は早くここから出てアミアと合流しなければ……すまんな白露。

 

 ……白露、考え中にすまないがここからでるぞ。


 俺の言葉に白露はコクンと頷いた。

 いつもちゃんとした返事を返してくる白露にしてはとても珍しい事なのでよほどの事なのだと思いそのままにする事にした。

 そして再びリオに向き直る。


「む、決まったようですね。ではさっそくいきますです」












「着きましたですよ」


 ……………………え?何があった??

 リオが”さっそくいきますです”って言った瞬間よく分からない空間にいたんだけど……。

 白い空間に鏡が所々、形が様々で空間内のあらゆるに場所に浮かんであったり落ちていたり置いてあったりと………ただそんな空間に居た、はず。

 しかも時間感覚も狂ったのかあれから数時間くらい経ってるような気もする。

 でも同時に時間が消し飛んだかのような感覚も………体験出来るとは思わなかった。

 白露はどうだと白露の方を向いてみると何故か片膝(見えないけども)をつきながらプルプル

震えている……。

 ………移送魔法、恐ろしい。


 そんな俺の考えに気付いたのかリオは顔をコクンと一回。


「何故かここが最初に頭に浮かんだのです」


 全く違う事を考えていたようです。

 どうやらリオにはさっきの俺の視線が”何故ここに?”と伝わったらしい。

 …………まぁ、確かに何でここなのかって質問を通常時ならしたかもな。

 リオの言葉もあり俺は辺りを見回しながらそう思う。

 今、俺の周りの景色は最近見た景色。

 アミアに連れて来てもらった場所。

 そう、ここはムジャパティ像がある寂れた噴水広場。

 変わらずレンガの壁と周りの森は健在である。

 空には光る赤い鳥が飛び、砕けているムジャパティ像、噴水の水が何やら赤い。

 ………………………………変わってないというのは無理があるかな。


 俺がこの短期間に何があったと思うような噴水の荒れように少し頭を痛めた。

 俺がそうしていると……、


「ハルさーーーーーーん!!!!!!白露様ーーーーーーーー!!!!!!!!」


 どこからか声が聞こえた。

 突然の事に正確な場所が予測出来ず何を言っていたのかも分からなかったがとりあえず声が聞こえた方向だと思われる軽く上を向くと次の瞬間にはストンッと着地の音を立てながら目の前に赤い大きな鳥が着地した。

 ………赤い大きな鳥は取り消そう、正確には赤い水晶の輪っかと羽をつけ天使となったアミアがそこに居た。


「ハルさん、白露様、ご無事でした………………え?」


 アミアはリオの方を見て固まってしまった。

 まぁ、そうなるよね。

 いきなり疎遠な自分の妹が目の前にいたらそりゃ驚くよね。


 そんなアミアに対してリオはというと。


「むむむむむっ、私のそっくりさんなのですよ」


 いつも無表情な顔に珍しく焦りと困惑が伺える。

 君のその新鮮な反応を見れたのはどことなく嬉しいのだが………この状況どうしよう。

 そしてアミアは至極真っ当な質問を俺に問いかける。


「え?!リオがなんでハルさん達と一緒にいるんですか?!」


 …………もう、俺の言う答えは決まっている。






 ………うん、なんでだろうね。

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