第31.5話 苦戦して参戦
少し忙しく昨日中に投稿出来ませんでした。真に申し訳ありません!
side勇者
「【氷欄剣舞】!!!!!」
「カスタム・ソード【炎盤】」
僕の氷のレーザーと鎧の男の円型の炎がぶつかり合う。
僕は剣で相手は刀、系統は同じ攻撃で真逆の属性。
なかなか自身と似ている戦い方をする相手。
もっともやりたくない相手だ。
勝てないというわけではない、今までやり合って分かったのは剣の腕では僕の方が上、そして魔法やその他技術などはほぼ同等。
僕の場合まだ見せていない能力があるから何とも言えないけど…。
まぁ、今の説明で分かった通り敵がこのまま何の隠し玉もないなら時間をかければ倒す事も可能だ。
しかし今の僕にはそんな時間をかける余裕は無い。
僕はすぐに姫の元に向かいたい、だがこの男を倒さないと民に被害がいく、倒さなければ姫に嫌われるかも、なら倒さねば。
でも時間が………………!………、これは。
「……この魔力は、……姫?」
……おかしい、姫の魔力なら僕が断言出来るはずなのに………しかし違うというわけでもなさそうだが。
なんと言うか……そう、何か混ざってる感じがする。
そんな僕の思考をよそに突如魔力の感じた方向からかなり大きな爆発音。
…………………姫の元に行かねば!!!!
僕は聖剣に魔力を込める。
同時に剣を上に掲げて、そこから上段の構えを取る。
鎧の男も僕の練っている魔力に気付いたのか上段の構えをとる。
しかし鎧の男の上段の構えは僕のものとは違い黒刀を持った左の手首を右手の甲で止めている感じだ。
「すまないが急がなければならない、これで最後だ!!!」
僕はよりいっそう聖剣に魔力を流す。
聖剣が太陽の光の如く輝きだした。
太陽のフレアのように光の帯が勇者の周りを覆った。
sideリーファ
「なに…この魔力。なんかアミアの魔力に似てる気がしなくもないけど……………どうなってんの?」
この魔力……正直言って私、いえあたしの魔力量より多いわね。
純度もここまで感知出来るってことは申し分ないし…。
…まぁ、この魔力の正体がアミアなら素養はあったしいつかはこのくらいになってもおかしく………おかしいけど可能性はあるわ。
でもそれはいつかであって急にここまで強大になることはありえない。
普通ならこの魔力の正体をアミアと思いすらしないんだけど……さすがに高位の魔法使いであるあたしが感じた事のある魔力を間違えるのはまたありえない。
………でも断定も出来ないのよねぇ。
第一アミアにしては魔力が強大過ぎるし何か混ざってる感じが否めないのよ。
これってまるで……………………………いえ、無いか。
…………………不本意だけど助けにいったあげようかしらね。
勇者の魔力はまだ北門から感じるしその近くにもう一つ大きい魔力も……多分あたしと同じで敵がいて現在まだ交戦中って所かしらね。
本来なら勇者の助けに行きたいのだけど行った所で多分勇者はアミアを助けに行けって言うに決まってるし。
あ、今度は爆発。
やっぱり南門にも敵がいたのね。
この調子だとまだ異常は無いけど西門にもいる可能性が高いわね。
……と、今は分析してる場合じゃない。
いくらアミアの魔力が高くなろうと扱えなきゃ意味ないんだから多分敵には一人じゃ勝てないでしょ。
アミアがあそこにいない事がベストではあるけど…。
まったく、今のあたしのようにスマートに敵を葬れ……倒せれば苦労しないってのに。
あたしは目の前で黒く焦げている物体を見ながら思う。
ま、お姫様にそれを期待するのは酷かな。
…さて、さっさと救出に、
そう思いあたしが南門に向かおうとすると。
「どこへ行く気だぁ?」
突如後ろから声が聞こえた。
振りかえろうとした瞬間背中に大きな衝撃をうけ、
「カハァッ!?」
バリーンッ!!!!!!と、防壁魔法の砕ける音を聞きながら一瞬宙に浮き倒れるように地面に落ちそこから何回か体が回転して行くのを感じると数秒の後止まった。
「………ぐっ?!」
訳が分からなかった。
確かに私の魔法は当たったはずだ!
手応えもあったしそこに死体だって、…………!?
見た場所に死体など無かった。
「おいおいぃ、インドア派にも程があんだろぉ。こんくらいですぐ起きられねぇなんて情けねぇなぁ」
さっき私を殴り飛ばしたであろう声が聞こえた。
その方向を見てみるとさっきと変わらずニヤニヤとムカつく顔をして存在している筋肉男の姿があった。
さっきと違う所と言えば見えるのは上半身だけで下半身は地面に埋もれている事……いや、正確には地面と同化している黒い液体のようなものにどっぷりと浸かっている感じだ。
「……どういう、事?私に…は手応えがあった。なのに、何故」
本格的な痛みとはそのダメージを与えられた後に来るようでさっきまで麻痺していた感覚が解放され私に殺到する。
そのせいで息が整わず言葉も途切れ途切れになる。
そんな私を見ながら筋肉男はさらに笑みを深くしながら答える。
「ゲハハハハハハ!!!まぁぁ、そう気を立てんなよぉ。疑問に思う事は数多いだろうがまずは遅れた自己紹介からいこうじゃねぇかぁ。俺ぁおめぇを気に入ったんだぁ。」
「さっきの魔法、確か飯綱だったかぁ?あれは俺様でもまともに食らえばまじぃ事になるぅ。それを当たってねぇとは言え俺に擦らせたんだぁ、少しぐらい懺悔の時間ぐらい与えてやるのが礼儀ってもんだろうぉ?」
…どうやら私の攻撃は当たって無いわけではないらしい。
上半身に外傷が無い所を見るとおそらく下半身のどこかに当たったのだろう。
しかもこいつはまだ頭が回るようで私を殺す前に自己紹介と言う名の尋問で私から情報を引き出そうという魂胆らしい。
「さぁ、まずは名前だぁ。俺はガスタ・アームストロングゥ、てめぇはぁ?」
…………訂正、この男馬鹿かもしれない。
偽名という可能性が高いがここで偽名だろうがなんだろうがこの状況(尋問)で言う必要は無い。
ということはこいつは本気で私と自己紹介をする気でいる可能性も出てくる。
……まぁ、結構知られてる名前だから私のは言っても良いけど。
…………いや、おそらく本名を言ったら城に連れて行かれる可能性がある、さっきからこの騒ぎでも兵士の姿が一人も見えないという事は城の誰かが情報操作……もしくは城の制圧をしてる可能性が高い。
それなら十中八九あのデータの二人でしょうけど…。
こんなことなら早く勇者の言っておくんだった、これがあの二人の仕業ならここまで……。
「………黙りかぁ?この状況じゃぁ良い答えではねぇわなぁ」
筋肉の男、ガスタが何かを言っているが私はどうやってこの状況から私の知った情報を勇者に渡すかを考えていた。
私はもうすぐ死ぬ。この状況じゃ助けを期待するのは無理そうだし自己紹介とやらで時間を稼いでもあまり意味はないし。
ならせっかく得た情報を好きな人に役立ててもらいたいじゃない?
だから私は、この魔法を……………………………………………………………ん?
「あーーーーーーーーーあぁ、俺は気が短ぇんだけどよぉ。ここまで無視されると切れちまうわぁ」
なんだろうこの感じ……見られてる?
しかし警戒するような感じがしないのはなんでだろう?
どちらかと言うと懐かしい、というか……とりあえず危険は無い気がする。
私は目を動かしながら周囲を見てみる。
しかしガスタ以外誰もいない。
今ガスタは、右手に魔力を貯めて練り上げている。
さっきまでの私ならわずかながら恐怖や魔法の発動に集中していたのかもしれないけど今はただ安心感が体中を巡っている。そのおかげなのか痛みも軽くなった気がする。
何故こんな安心感が湧くのか分からないけどいい気分だ。
「死ねよぉ、《影ノ柱》!!!!!」
ガスタの……黒い大きな立体の魔法?が私に迫ってくる。
凄くスローモーションに見える、この感覚久しぶりだなぁ。
魔王討伐の旅で良くこういう感覚になったっけ。
そんなピンチの時は勇者が助けてくれた………また今回も助けてくれないかなぁ。
私がそんな事を思っていると、
「それは叶いませんね」
あたしの望みを断ち切るかのような声が上から聞こえた。
ドゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!
同時に目の前からかなりの轟音が響いた。
その轟音の理由はメイド服を着た少女があたしの目の前に落ちて来たからだ。
そして少女は片手でさっきまで目の前に来ていたガスタの魔法?を下に受け流していた。
……黒い立体がバキバキと壊れてる所を見ると受け流したというより受け流された感じであるが。
少女はガスタの攻撃を無効化したのを確認すると素早くメイドらしい正しい姿勢になり凛としてガスタを睨みつける。
少女は一度ガスタから視線を外しあたしを横目で見ながら呆れた仕草でこう言った。
「………少しは成長したかと思いましたが、何をしてるんですか貴方は」
そう言ったメイド服を着たその少女にあたしは見覚えがあった。
そしてあたしは驚きと懐かしさをまとめたように大きな声で叫んだ。
「お姉ちゃん!!?」
そう、そこにいたのは見知ったメイド服の姿。
そしてあたしの姉でもあるリサ・セレナーデだった。




