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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第23話 黒結晶

今回短いです。後でこの23話の最後に暗躍する者達を追加で書くので出来れば見て下さい。おそらく明日の17時に追加します。遅くなり申し訳ありません!


「……。」


 勇者に一言と言ったあと俺は瞑想に入った。

 ……筈なのだがここはどこだ?


 俺が目を覚ますと辺りはいつもの景色と違い真っ白な世界が広がっていた。

 てっきり俺はいつもの黒い空間に出るものだと思ってたのだが…。

 不思議な空間だ。座っている地面なんか所々で波紋が出来ている、まるで水の上にいるかのような感じさえする。

 でも別に地面を触っても平面というかとにかく液体ではない。俺にとってはなかなか落ち着ける空間ではあるが……ん?この手って?

 …何故だか俺は人間の時の姿になってるな。特に嬉しくはないが。

 まぁ、なんで俺が元の姿に戻ってるのかは置いておいてここはどこだ?

 白露が俺好みに空間を弄ってくれたとかなら嬉しい限りだけど、その白露が現れないとすると違うんだろうなぁ。


《お久しぶりです。》


 色々悩んでいた俺に意識を外していた目の前から声が聞こえた。

 

 そして俺は目の前に視線を向けるとそこには…


 下に白い波紋を起こしながら浮かぶ黒い結晶が存在した。

 

《……あまり嬉しい事でもないのですが、もうコレ(・・)が必要になってしまうのですね。》


 ……俺には言葉の意味が分からないが何やら深刻そうな声色である。

 …しかしこの聞こえ方、白露のように頭に直接響くタイプのものじゃないけどまるでこの空間全てを使ってしゃべってるかのような感じだ。凄い響く。

 というかこの黒い結晶ってどこかで見たような……どこだったかな?


 そう疑問に思う俺を無視して話を続ける黒い結晶。


《遠くない未来、貴方には生命の危機が訪れる事でしょう。詳しくは写し身でしかない私には分かりませんがどうか気をつけて…、これ以上は限界のようですね。》


 辺りを見るとさっきまで続いていた波紋が消え白い空間もどんどん薄暗くなっている。


 って、結局ここはどこで俺は何故ここに居るのか聞いてない!?

 俺は声を張り上げて言う。


「待て!君は誰でなんで俺にそんな、」


《貴方しかいないからですよ。》


 俺の声を遮って黒水晶はそう俺に言った。


 …え?


 と、俺は自身の言葉を遮られた事と半ば予想外な返答のせいでそんな言葉が漏れた。

 そんな惚けた俺を無視してさらに黒水晶は言う。


《貴方しか…信頼出来る人が居ませんでしたから……身勝手な願いではあると思って居ます。しかし…どうかあの子だけは堕とさせないで。》


 ……もしか黒水晶にまともな体があったのなら泣いて土下座しながら俺に頼み込んでいる姿が想像出来る。

 多分あの子と言うのは白露の事なのだろうがここまでするというのはよほど理由があるのだろう。

 この黒水晶の言葉を聞き入れていかねばなるまい。

 辺りもどんどん黒くなってるし時間もないな。


「あぁ、わかったよ。意味はいまいちわからないが白露を堕とさせなんてしないさ。守るって約束だし……って、ん?」


 俺って白露とにそんな事言ったっけ?俺がそう約束したのはあの夢の少女のほうだったはずなんだけど…。なんで今その約束が浮かんだんだろ?


《ふふ…そうですね、約束です。やはり貴方に頼んでよかった。》

 

 黒水晶がそう言うと辺りが一気に暗くなって行った。

 俺はせめて最後に一言と言おうと黒水晶の方に手を伸ばすと。


《あの子を本当によろしく御願いします。》


 そう言って黒水晶は粉のように霧散した。


 あれ?

 俺はこの状況にデジャヴを感じた。しかしその疑問を解消する前に辺りは黒に染まって行く。


 そして俺の視界が黒く染まろうとしたそのとき、さっきまで黒水晶があった所に着物を着た銀髪の女の姿が目に入った。髪で隠れて顔全体は見れないがその女の顔は微笑んでたように思えた。

 






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「ーーーーーーーーーーーーーール。」


「ーーーーーーーーハル。」


「起きて下さい、ハル!」



「はっ!?」



 俺は白露の声で目が覚めた。


「大丈夫ですか、ハル?この空間で寝ていると言うのは珍しいですよ。」


 目を開けると白露がこちらを心配そうに見ていた。


 ……あれ?なんで俺は寝ていたんだったか?確か勇者に何か言ったあとに…………そうか、黒水晶。


 目覚めたての頭を冷静に再起動させるとさっきまでの出来事が一つ一つ頭の中に蘇ってくる。

 勇者に何を言ったのか、さっきまで自分はどうしていたのか、…そしてあの黒結晶との最後に自身に起きたデジャヴな感覚が何だったのかを。

 …あの状況は本当に良く似ていた。俺の友達が出来た後の事だったからな、なんで忘れてたのかが疑問だよ本当。

 あの黒水晶はあの夢の中で美人のお姉さんが俺にくれたものだ。まぁ、投げた後霧散してたけどこれがあのデジャヴの正体だろう。


 ってことはつまり、白露を御願いしますって頼んできたあの黒水晶から聞こえた声はあの美人さんだったわけか。…もしかして白露の縁者だったのかもしれんな。

 …まぁ、とりあえずはまず白露に返事を返しますかね。


 いや、ごめんごめん正体不明のうたた寝を決め込んでしまっていた。


「正体不明のうたた寝ってなんですか?!修行なんですからもっと真剣になって下さい!」

 

 怒られてしまった。


 んー、本当すまんな。修行は身を引き締めて行くから安心してくれ。


「まったく、お願いしますよ。半端な覚え方では現実では使えませんからね。」


「では、早速始めましょう。」


 起きて早々修行が始まるようだ。

 まぁ、俺の言う事なんて決まってるのだが。


 あぁ、よろしく頼むよ先生。



 とりあえずは黒結晶の言ってた事は注意していこう。確か近々…いや、遠くない未来に俺に死の危機が迫ってるんだったな。ならどうやってその危機とやらを退けるか、方法があるとすれば…。

 …やっぱり回避する為には強くなるしかないよなぁ。

 どちらにしろ強くはなりたいと思ってるから良いのだが、命に関わるとなると生半可ではいられないな。

 今回の修行は厳しくしてもらうよう白露にいってみるかな。








 ・その頃、暗躍する者達



 薄暗い、庶民から見れば無駄に煌びやかな部屋に顔は暗くて見えないが二人の男が高級そうな椅子に座って話していた。


「……すまないがもう一度言ってくれないか?」


 おそらくこの部屋の主であろう男が対面している男に軽い怒気を纏わせながら言った。


「んふふ、そんなに睨まないでおくれ。小生しょうせいは恐がり屋さんなんだ、気が遠くなってしまうよ。」


 怒気を纏わせる男に対し対面している男、白いスーツのような服を着ているとにかく白一色の男はさらにこう言った。


「まぁ、そんなに怒らないでも別に君に損はないだろう?小生が君らの計画に協力してあげようと言ってるんだ、何を怒っているんだい?」


「…どこから俺達の計画を知ったのか知らないが協力する、だと?必要ない。しかもその報酬が計画達成の3割?話にならないな。」


「ん〜ふふ、その報酬は彼女・・と小生の結婚後に必要だから…別に君達の邪魔をする気はないんだ。悪い話ではないだろう?」


「…もういい、話は終わりだ。ハルトマン!」


「HA………………………………了解。」


 いつの間にか白い男の背後には鼻から上を仮面で覆った少女が刃物を白い男の首にあてながら立っていた。

 この部屋の主の男は手のひらを対面している男に向けている。


「んふふ、これは交渉決裂かな?」


「ふん、南の大陸から遠路遥々(えんろはるばる)女を追いかけて来てご苦労な事だがお帰り願おう。」


「……地獄にな。」


 男は手を下に勢い良くおろした。






 ……おろした、いや、おろそうとしたらその手が止まった。止めざるをえなかった。


「ん〜〜ふぅ、この部屋はいいね。小生好みの部屋だ、眷属達がこんなにいるなんて居心地がいい。」


 と、のんきにしゃべっている白い男だが周りの景色は一変していた。


「…………。」


 手を下ろそうとした男の首には刃が突きつけられていた。いや、首だけではなく胸、腕、足といった所々に刃がこちらを向いている。

 ハルトマンと呼ばれた少女も同じような状態である。しかし妙なのは少女の持っていたナイフのような刃物が刃の部分だけ消えていたことだろう。


「で?どうする?これでは小生を殺せないねぇ、さっきの話受けてはくれないかな?」


「HA………………………………!」


「ハルトマン、いい。」


 白い男の言葉を無視して攻撃に移ろうとした少女を男が止めた。


「いいだろう、その話聞き入れよう。しかしこちらも実力も分からない馬の骨を置いておく気はない。一つ課題をやってもらおう。」


 男はある一枚の紙を白い男に渡した。

 受け取った白い男はその内容を見て笑みを深めた。


「んふ、承知したよ。久しぶりに彼女に会えそうだぁ、早速行くとしようかな。」


 白い男がそういうと仮面の少女と男の周りにあった刃が消えた。


「では、失礼。」


 そして白い男は金属らしきものを胸から出し、その金属が一瞬光ったかと思うともう部屋には居なかった。


 残ったのは白い男が出した金属と課題の書かれた紙だけだった。




 ちなみのこの部屋の主である男とハルトマンは、数秒考える動作をすると自身の仕事に戻った。



 そして白い男が残した紙にはこう書かれていた。


  ”第5王女アミアを捕縛しろ”、と。




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