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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第2章 聖からの脱出
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第19.5話 城を脱出せよ 白露編

追加で下に暗躍する人達を書きました!


 side白露


「これからどうしましょうか?」


 あれから戦闘した場所からあてもなく走り続けているとアミアがそう言って来た。

 今回のアミアの飛行魔法は前のような暴発はしていない。

 さらに続けてアミアはこうとも言った。


「私は一度ハルさんの捜索の為、一度町に降りた方が良いと思います。」

 

 そうアミアからの言葉を受けて私は手を顎に当てながら考える。


 ……確かにこのまま走り続けても特に益があるわけでもないですし。

 それならこのまま町に降りてハルを探した方が良いんでしょうね。

 …しかしアミアさんだけならまだしも私まで町の方に行くとかなり目立ってしまう、この国では私…は違いますが、精霊がかなり重要視されていますからそれは非常に不味い。


 なぜならアミアさんは今、追われている身だからです。

 私の見た目は知ってる人が見れば上代一族のものだと分かってしまいます。ここで言うなら上代一族の精霊ですか。

 ただでさえ世界的に知名度の高い一族です、この国ではさらに目立ってしまう可能性があります。

 というわけでここで降りると言うのはあまりお勧め出来ませんね。

 捕まえにくるのがまだ勇者とかなら良いのですか、さっきの黒鎧の方とか城の者がきた場合少し面倒です。


 ………そういえばあの筋肉の方、あの戦闘をした場所に置いたまんまにして来てしまいましたが大丈夫なのでしょうか?かなり満身創痍でしたが…知り合いがやった事だと思うとなにか、こう。

 …まぁ、敵の事は後で考えましょう。


 話を戻しますと、降りる目的であるハルを探す事自体は簡単なのです。

 方法は大きく分けて2つ。


 一つは、ハルが赤壁を使えばその発動によって漏れる妖力を私が辿る事が出来るため場所を大まかだけど特定出来ます。


 もう一つは、ただ単に私が霊体化を解いてハルの所に戻ると言うものです。


 何故2つ目の方法を使わないかと言うと、そうすればアミアさんがその間一人になるからです。

 仮にアミアさんに特定の場所で待ってもらっても、ハルが近くにいなければそこまで戻ってくる間アミアさんは無防備。戦闘の心得があるならまだしもアミアさんにはそんな経験がないでしょうし。


 ……まぁ、とりあえずはこの結論をアミアさんに伝えませんと。

 しかし…さて、どうやって伝えましょうかね…。

 また手振り素振りでいきましょうか…いや、ここはまた壁にでも書いた方が分かりやすいかも。


 そう思い至った私は、後ろを走ってるアミアさんを手で制しどこかの家の屋上に着地した。


「白露様、どうしましたじゃ?」


 アミアが突然止まった私に聞いてくる。

 私は声が出せないので壁にガリガリと字を書き出した。


 そういえばさっき気付いたのだが、私の中に少しだが妖力が戻っているようなのです。

 私がいつもしている実体化はハル…もとい私の体から発せられる妖力を使って行っている感じです。

 何が言いたいかと言うと、私の今現在の状態、つまり霊体化時に私が保有している妖力はゼロなのです。

 だから術の一つもまともに出せなかった訳ですが…なんとその妖力が少しとはいえ戻っているのです。


 何故それに私が気付いたかと言うと、先の戦いが終わり実体化を解いた時私は軽い喪失感を感じました。

 その喪失感は、まだ体があった頃の妖力を消費した後の感覚に似ていました。

 なので自分の中に妖力がないか一応駄目元で探ってみると…あったというわけです。


 ……精霊の仕業ですかね。

 妖力が戻ったのは嬉しいのですが、前のように自然回復はせず有限。

 おそらくあの暴発の際に私に…いや、もしかしたら私達に何かしたのかもしれませんね。

 まぁ、私の例を見るならそこまで悪いことにはなってないでしょうけど。


 ん?…おっと、もう字を書き終えていましたか。無意識って凄いですね。


 そうして書き終えた文章をアミアさんに見せると何か腑に落ちないと言った顔だがなんとか納得してくれたようだ。


「………なるほど白露様の考えは分かりましたじゃ。ではどうしま…!?。」


 突然アミアさんは顔を城の方に向けた。


 あれ?なにやらアミアさんが酷く驚いていますね、どうしたんでしょう?


 と、私が思っているとアミアさんが私に顔を向けて、


「城に行きましょう!」


 私にそう言った。

 主語を言って欲しいのですけど…。




 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





 それから私とアミアさんは城に全力で向かっています。私の場合はただ浮遊してるだけですけどね。

 なんでもアミアさんは城を出る前に城の一部に盗聴の魔法を仕掛けていたそうなのです。

 しかもその盗聴の魔法はテレパシーのような頭に直接語りかけるタイプのものにのみ効果のあるものだそうです。

 さっき突然城の方を向いたのはそれが原因だったらしい。

 

 そしてさっき盗聴した際に聞こえて来た内容が簡単に言うと「侵入者有り、捕縛せよ。」だそうです。

 ……その侵入者がなにやら高確率でハルな気がしますね。

 ハルも運がない。何故よりによって城に行くのでしょう…。


 本当ならアミアさんは連れて行きたくはないのですが、私が城付近に行ったら霊体化を解くつもりのため出来る限り近くに来てもらう事にしました。木を隠すなら森の中。


 さぁ、ハルを救出に行きましょうか!!!

 






 …………………………………………………………………あ、この妖力ハルですね。

 


 私が救出しようと思った矢先、城の一部から妖力を感じた。

 おそらく赤壁を……って何かいきなり妖力がでかくなりました!?

 まさかまた全開で赤壁を使ったのですか!?あれは体への負担が大き過ぎると前にあんなに叱ったというのに…!


 そんな愚痴を頭の中で浮かべていると城の下が崖のようになっている建物からハルがジャンプして飛び出てる事が確認んで来た、見た感じ人を二人程肩に担いで。



 えぇ!?今度はなんですか?!

 ハル、あなたはなんでそんなところからって、今はそんなことより!!


 私がアミアさんの方に顔を向けて、聞こえていないのを承知で言った。


《アミアさん、すいません!!!あの馬鹿を助けるため一足先に戻ります!!!!》


 霊体化を解く前に見たアミアさんは親指を立てにしてGJと言っている感じでした。








 で、現在ギリギリでハルとその他二名のキャッチに成功した訳ですが。

 にしてもハル、私の体でそうそうに諦めるとは何事ですか!しかも右足は今の所使い物にならなくなってますし…左足のコレは、捕縛魔法の一種ですかね?


 まぁ、反省はしているようですし油揚げ20枚で勘弁してあげましょう。

 しかし今度はもっと応用力のある術を教えなくては駄目ですね、この有様では。


 そう私が考えていると後ろから何かが着地したような音が聞こえた。


 おや?アミアさんが着きましたか、なかなか早い……飛行魔法をハルに覚えさせるのも有りですね。

 あらあら、そんなに急がなくても大丈夫ですよアミアさん。


 ってハル、今赤壁を解除したら…言わんこっちゃないですよ。

 私は気絶しているハルが面白くて笑う、けして気絶してる自分がおかしい訳ではありませんよ!


 しかし私はこの三人がそろって改めて思った。


 みんな無事で良かった、と。






「…ここはどこ?私はリンク?」


「なんで!?なんで?!こんなに高いの??!!」



 ……それにしてもこの二人は誰なんでしょう?











  ・その頃、暗躍する人達


 

 一人の男が部屋で電話をしている、カーテンが全てしまってるため顔は見えないがかなり良い服を着ているのが分かる。

 そんな男の会話。


「…は?ガスタが兵隊に捕まって、影が重傷だと?何の冗談だ、あれらは馬鹿と猪突猛進だがプロだぞ。」


 そういう男の手に持っている受話器から別の男の声が。


『いや、それが本当なんでさぁ。現に今あの筋肉馬鹿は連行されておりやすし、影はさっき助けましたがかなりの大火傷でした。』


「…影は回復魔法をかければまだ使えそうか?」


『へぇ、それは大丈夫のようでさぁ。むしろさっきから破壊破壊うるさいのなんのって。』


 はぁ、とため息をする。


「…なら、影には回復魔法をしてやってくれ。ガスタに関しては後で対処する、他の後始末は任せるぞヘルビン。」


『…了解です。では。』


 がちゃりと通話が切れた。


「………今度はハルトマンか、何のようだ。」


 男が背後を見ると、そこには顔を鼻の部分から仮面で覆った少女が笑みを浮かべながら立っていた。


「ha……………………報告、と発見。」


「ほぉ、何か良い情報でも入手したのかハルトマン?」


「ha……………………そう、始める。」


「……………」


「…………………」


「…………」

 

「……………………………………」


「…………………………」


「…………………………………以上。」


「ほほぉ、なんでそんなとこにいたのか知らんが確かに…………ん?待てよ、確か兵士からの報告に………。」


「………?」


「……悪いがハルトマン、その報告役に立たなくなった。」


「ha?……………………何故?」


「さっき侵入者に逃げられたと言う報告があった。」


「ha…………。」


「……………。」


「ha………仕事に戻る。」


 心なしか仮面の少女の笑顔が引きつっている。


「……………何かすまんな。引き続き頼む。」


 男がそういうと少女は静かにその場から消えた。


「……さて、暗躍するか。」


 男も部屋から出て行った。

 その背中には苦労人の哀愁が漂っていた。




 

白露編です!

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