第11話 国の原点だった場所
第15話です!今回は少し謎めいた感を強くしてみました。
《ふぅ、もうここまで進んでいましたか。私が時間稼ぎしたかいがありましたね。》
あれから俺とアミアが町に着いた辺りで時間稼ぎをしてくれていた白露が霊体ではなく俺のなかに意識になって帰って来た。
その時勢いあまって”白露帰ってきましたか!”と言ってしまい、白露は霊体化していないためアミアが”どこにもおりませんが…”と言い、なにやらかわいそうなものを見る目で俺を見ていた。
白露に霊体化してもらえば簡単に証明出来るのだが、何故かいつもよりかなり早いペースで妖力が減ってるためもう妖力の残量が雀の涙だ。したがって白露を霊体化させるほどの妖力はない。
その妖力が減った理由も白露から聞けたが、その内容がまさしくジョjy
ってなんだいアミアよ?え?それ以上はいけない?
…よくわからないが分かったよ。
しかし戦力が上がった事は喜ばしいな。
妖力の消費が激しいのが難点だが、聞いた話では白露は格闘術の方が強いみたいだし。
後は俺が強くなって、実体化した白露と一緒に戦えば大抵の敵なら倒せる気がする。
…足手まといにはなりたくないし、本格的に強くならねば。
とりあえずそのためには一度休まないと、本当は悠長なことを言ってられないが今の状態では万に一つも逃げられる望みが無い。
逃げる為にも妖力を少しでも回復しなければならないな。
「アミア、ここから近くて一休み出来るようなところはありませんか?」
出来れば少し仮眠をとってすぐ移動したいし。
そう思うと白露が、
《あ、そういうことならさっきまで居た宿屋はやめて下さいね。妖気の名残が残っていて見つかる可能性がありますから。》
わかった、そう言っとくよ。
「ちなみにさっきまで居た宿屋は私の痕跡が残っているので考えからはずして下さい。」
そうするとアミアが、
「ん〜、そうですねぇ。この近くだと…。」
「噴水広場が良いと思いますじゃ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アミアの言った噴水広場へ到着した。
ここまで来る道のりはかなり短く、ものの三分ほどで着いた。なんか右がレンガの壁で左が森、中心に何かの像が設置された噴水がある隠れた名所的な場所だ。
そして広場というからもっと大きなものを想像していたが実際はそこまで広くなく、少し寂れている。
草も少し成長して生えている辺りここの管理はあまりされていないようだ。
アミアはなにやら懐かしむように辺りを見ている。
白露はここに来た事あるのかい?
《いえ、ここへは来た事がありませんね。…ですがおかしいですね、こういうところなら私が気づいてもいいはずなのに。》
見落としてたんじゃないの?この国に来たのだってそんなに多くはないんだろ?
《…そうですかね。どうも違和感を感じるのですが…あれ?アミアさんはどこへ行きましたか?》
俺達が気がつくと隣にいたアミアの姿が見えなくなっていた。
アミアを探していると噴水の前で両膝をつき、なにやら祈る動作をしている彼女の姿を発見した。
俺はアミアの方に歩いていった。おそらくアミアはあの噴水の中心にある像に祈っているのだろう。
…ん?
《どうしましたハル?》
そして俺も噴水の目の前まで来るとある事に気づいた。
周りの噴水の石造りのところなどは所々ひびが入ったり、欠けたりしているのにアミアが祈っているこの像には傷一つない事に。
別にこの像が特別な素材で出来ているようにも見えない。なんでこれだけ奇麗なんだ?
「不思議でしょう?なぜこの像だけここまで原型を完璧に保つ事が出来ているのかというのが。」
!?
突然祈っていたアミアに声をかけられたせいで少し大袈裟に驚いてしまった。
しかしアミアは続けて言う。
「この像には精霊の加護が宿っていると言われておりますじゃ。この像の正式名称はムジャパティの像と言いまして精霊ムジャパティを讃えた像だと聞いております。」
言っては悪いがどう見ても周りの環境から讃えられているようにはかけらも見えないのだが。
隠れた名所とは言ったがこの整備の雑さは、俺はなんか落ち着ける空間だけど町に住んでる奴らはあんまり来ない気がするな。
…そういえば。
「アミア、ムジャパティとは何を司る精霊なのですか?」
「ムジャパティは社会・対人運を司る精霊です、なのでこの商人が良く集まる町にはうってつけの精霊なのですじゃ。」
俺は周りを見て言う。
「それなら何故ここはこんなに廃れているのですか?」
やばい、言葉が浮かばずストレートに言い過ぎた…。
周りを見て思った事が口に出てしまった。
俺がそう言うとアミアが少し困ったような顔の笑みを浮かべて言う。
「はは…そうですね。昔ここは大層賑わったそうなのですが、今来るのは私くらいのものでしょう。」
「ここはまだこの国がここまで大きな国になる前の…言うならば国が出来る起点だった場所ですじゃ。もうそれを記した文献もなく人もその事を覚えてはいませんが。」
なるほど、ここがこの国の原点なのか。ここの雰囲気を見る限りおそらく最初は小さな町だったのだろう。
それがもう何十年前のことなのか…人に忘れ去られる程の時が過ぎたのだろう。
そう考えると何かこの場所はかなり感慨深く感じられるな。
《…もしかしてここは。》
ん?白露よ、どうかしたか、って!?
なんで霊体化してんの?!つか出来たの?!!
《まぁ、動かずにここに姿を現すだけの妖力なら回復しました…動けませんが。》
「あ!白露様帰還なさったのですね!お怪我はありませんか?」
そういえばアミアは白露が戻っている事を知らないんだったな。
まぁ、見えないのだから仕方ないが。
…精霊って怪我するのかな?
《怪我はありませんが妖力を消費し過ぎました…って言っても聞こえませんか。ハル、私の言う事を復唱してアミアさんに伝えてほしいのですが。》
ん、復唱しろとは珍しいな。まぁ断る理由も無いし。
あいよ、分かった。
《では、言いますね。『アミアさん、怪我はありませんよ。心配して頂いてありがとうございます。』》
「アミア、これから白露がアミアに言いたい事を私が口頭で伝えます。では、言いますね『アミアさん、怪我はありませんよ。心配して頂いてありがとうございます。』」
「そうでしたか、良かったですじゃ。」
アミアは心底安心したような顔で白露を見ている。
そして白露は続けて、
《『ところで一つ質問をしてよろしいですか?』》
「『ところで一つ質問をしてよろしいですか?』」
「はい?なんでしょう?私の答えられる範囲であればなんでもお答えしますじゃ。」
なにやら白露が考える素振りを見せて言った。
《『何故、貴方は文献にすらのっていないこの場所の事を知っていたのですか?』》
「『何故、貴方は文献にすらのっていないこの場所の事を知っていたのですか?』」
「…え?」
…そういえばアミア自身が言っていたが文献にもなく、人にも忘れられたっていうこの場所を何故知ってたんだ?
いや、この場所を知ってる事はいい、だが何故この場所がこの国の原点だと知っていたんだ?
アミアは王族ではあるが、存在をなかったものにされてることから王族から伝わった可能性は低い。
なら、何故?
そうするとアミアが、
「え、えっと、それは………あれ?なんでだろう?この話は誰に聞いたんだったっけ?私は…わ…た……し…は…、婆…さ…ま…」
ドサリ
何かを思い出そうして頭を抑えていたアミアは、最後にこちらに泣きそうな顔を向けながら倒れた。
*その頃の黒T筋肉
「」
赤狐と日護の間に入った結果。
磔にされたように壁にめり込んでおります。
*その頃の黒の鎧さん
「……………。」
私は…あの狐族…の…混血と精霊…を壊しに…来たはず…なのだが。
何故、壁に…めり込んでいる…仲間を…見る…はめになる…のだ…?
ハルと白露にリベンジに戻って来た結果。
壁にめり込んだ仲間を発見。
アミアの秘密とはいかに!?って感じで書きたかった。
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