第10話 カオスは私のいないところでまだ続く
第14話です!遅くなりました!今回は少し長いです!!
さて、このカオスを脱出するためにはどうするべきかな。
勇者の無事も確認出来たし、もうここにいる意味は無い。
さっさとUターンして帰りたいところなのだが…ここから動いたら即見つかりそうな状況。
俺の動きを見逃してくれるような三流の奴らなら助かったのだが…。
改めてメンバーは、
【称号】
狐族・序列第4位日護一族の姫 日護涼華
魔王と並ぶ強大な力を持った青年 勇者
黒いピチピチTシャツ 名称不明な筋肉
…うん。どう見ても一流と言って差しつかえの無い奴らばかりだ。
最後のやつも称号はあれだが上記の二人と渡り合ってる時点で強いのは分かる。
…これはもうやり過ごすしか無いな。
と俺が思っていると、
「あ、あのハルさん?これからどうしましょう?」
アミアが出来る限り声を抑えて、俺とは身長差がある分上目遣いに自然となって尋ねて来た。
うん、可愛いね。
「ひとまずは傍観に徹するのが良いでしょう。今私達が出て行くとあの三人中二人が確実にこちらに来ます。」
アミアはこくっと頷く。
ここにいるのばれたら日護さんは俺と白露に、勇者はアミアに当然来るだろうからな。
総戦力的に考えて今の状況で俺達が勝てる見込みはあまり無い。
ここはずっと身を隠しているのが無難だろう。
と、いったものの俺達にある盾は目の前の木だけ。
…白露よ、木の強化とか出来る?
《出来ますが……あの三人の攻撃を防ぐのは不可能ですよ?せいぜい赤壁発動時のハルの一撃を防ぐ程度です。》
やっぱなんでもない、それをするよりは妖力を温存しておく方が良さそうだ。
《そうですね。それがいいでしょ…あれ?》
どうした白露?
《地面ってこんなに黒かったですか?》
白露が下を向きながら言う。
え?黒いって何か焼いた後でもあったのかな?
そう思い俺も下を見てみると…。
「黒いですね。」
思わず呟いてしまった。
その呟きがアミアに聞こえたらしく、黒い?といいながら俺の目線を追って地面を見ると。
「黒いですじゃ!?」
と驚きの声を上げた。
しかもリアクションはそこそこ大きいのに声を最低限におとすとは…アミア、グッジョブ!
しかしこの黒いのなんなのだろう?なんか液体のように見えるけど踏んでもつかないし感触もない。
なんか忘れてる気もするが、これが何なのか検討がつかないな。
そう俺が考えている中、黒T筋肉がいきなり攻撃を中断してこっちの方向を見た。
俺は気付いていない。
「んん〜?」
「?」
「?」
ん?
突然戦闘している方の音が止まったので俺は目線を下から三人の方へ向けた。
そこから見えたのはいきなり戦闘が中断され怪訝そうな顔を浮かべる、日護さんと勇者。
しかも筋肉がこちらに目線を向けているため自分たちを舐めているのかと憤慨している。
「あんたさぁ、」
そんな筋肉に業を煮やしたのか日護さんが話しかける。
「この私をこんなところに1日中引き止めておいて戦闘中にその態度…殺されたい訳?いや、殺すけど。」
どうやら日護さんは俺達と別れた後、ここに着た時点でこの筋肉と戦闘になったようだ。
そのせいかもの凄い怒気と俺のときとは違った殺気を感じる。
一方、勇者は。
「…何故今そんな行動をするのか知らないが貴方は姫の敵のような気がする。だから今のうちに貴方を葬る。」
あいつの行動原理はアミアなのかもしれないな。
もしかしたら勇者ってこっちで生まれてたら騎士になっていたんだろうかと俺は思う。
かなりの忠誠心を持って主に仕えそうだ。
しかし二人とも例に漏れず物騒な事を言うね。
だけど筋肉はそんな二人の言葉が聞こえてないかのようにこちらに目線を送り続け笑みを浮かべながら言った。
「あぁ、そこにいたのかぁ。影の範囲を広げてなきゃぁ、気付かなかったぜぇ。」
あれ?この黒いのってあの筋肉の?
ゲヘッ!!!と笑い声とともに筋肉の表情が人に恐怖を与えるであろう、かなり深い笑みに変わった。
「見つけたぜぇぇぇぇぇぇ!!!!《影ノ黒槍》!!!!!!」
いきなり大声を出したかと思えば、彼の足下にある黒い影から5本の今度ははっきり槍の形をした幅1mくらいの黒いなにかが俺達のいる木めがけて結構なスピードで飛んで来た。
直感!『赤壁』発動!
「きゅあう?!」
俺はアミアを所謂お姫様抱っこして全速力で逃げた。
「逃がさねぇ、よぉ!!」
槍が方向を変えて、さらに速くなって襲って来た。
やばい!予想以上に速いな!?
このままじゃすぐ追いつかれる!!
《仕方ありません。私が時間を稼ぎますので、ハル達は逃げて下さい。》
「何を言ってるのですか!?貴方はその状態ではなにも触れないでしょうが!!」
思わず白露口調で話してしまう俺。
俺がそう言っている間に黒槍の一本がもうすぐそこまで近づいていた。
《まぁ、まかせて下さい。私にはこの前発見した秘策があるのです。》
…白露がそう言うと妙に説得力があるというか、本当って思ってしまうことがあるんだよなぁ。
何か特殊な術でも使えるようになったのかな?
本当なら俺も力になりたいけど今の俺じゃあの三人相手じゃ瞬殺される。
…考えてる時間もないしここは任せるしかないのか。
…本当に大丈夫なのですか?
《はい。あ、お願いがあるのですが、ハル達が町に着いても赤壁は解除しないで下さいね。》
ん?赤壁が何か関係があるのか?
分からないが白露の表情を見る限り焦りも無い。
任せるよ。
「分かりました…御武運を。」
そう言って俺はアミアを抱えながら町の方に赤壁の妖力を上げながら振り返る事無く全力で走った。
バキィンッ!!!
その直後、背後からそんな音が聞こえた。
side白露
走り去っていくハルとアミアを横目で見送りながら私は戦闘態勢に入る。
…お姫様抱っことは羨ましい、誰がとは言いませんが。
まぁ、今はそれより。
《さて、やりましょうか。》
私は自身に体があるようにイメージし妖力を流す。
すると私の体から光のオーラのようなものが出て理屈は分かりませんが体が実体化する。
そして私は迫ってくる黒い槍めがけて、
フンッ!
バキィンッ!!!
拳を突き出し破壊した。
実は私、妖術よりこういう格闘戦の方が強いのです。
そういえばハルの世界の漫画というものの中では私のようなものにも名称がありましたね。
確かスタンd
「てめぇ!何よそ見してやがるぅ!!」
…まったく私が考え事をする時間くらい欲しいものです。
そんなに大声張り上げなくてもそちらに行きます、よっと。
オラ!
バキィンッ!
オラ!!
バキィンッ!!
オラ!!!
バキィンッ!!!
オラァァ!!!!
バギャンッ!!!!
とりあえず迫って来る残り4本を破壊する。
…この掛け声なかなか良いですね。
なにやら全て吹っ飛ばせる気がします。
そうして私は三人の前まで飛んで着地…足がないから浮遊?した。
「はぁ?!!!」
驚きの声を上げる筋肉のかた。
「誰だ?」
私がだれかと疑問に思う勇者。
丸コゲにしたとは言えない。
「あら、白露ちゃんじゃなぁい。まさか私が攻撃された原因ってあなたァ?」
私に気づいた日護様がこちらに殺気を送ってくる。
出来れば通常時でも相手にしたくないですが、今貴方を敵にまわすと時間稼ぎは無理ですね。
ひとまずは、
手をクロスさせて違う事をアピール。
「?…昨日もそうだけど貴方、何故しゃべらないの?」
しゃべっても聞こえないからです。
一応喉に手をあてて声が出ない事をアピールしておく。
「……まぁ、分かったわ。私がこのデカブツを殺ルノには変わりないし。」
あ、ヤンデレモードに入りそうですね。
デレなんかないでしょうけど。
しかしこの場でこの人が敵でないのは助かります。今の私ではこの方の『白蓮』は防げませんからね。
実はこの状態の私は妖術を一切使えません。ハルがいれば別ですが、今の私に出来るのは単純な身体強化と格闘戦闘のみです。
しかも私はこの体が傷ついてもダメージは負いませんが、その傷ついた分だけ妖力を消費します。
したがって『白蓮』のような攻撃で全身にダメージを負った場合その負債はハルに行き、おそらく妖力枯渇で気を失うでしょう。
それにこの技はハルが体に妖力を流していなければ使えないと言う欠点もあるので節制しながら戦わなくてはなりません。
ですからこの戦闘で色々試して今後に繋げます!
では、参ります!!
そこからの戦闘はもうある意味作業のようなものでしたよ。
私が筋肉のかたからの攻撃(『影』と言っていた)を撃退、日護様がその隙に筋肉を攻撃。
筋肉、それを防ぐ。
勇者、日護様の攻撃を背後から受けて気絶。10秒後復活。
そんな感じの事を繰り返しやっているとついに私の方に隙が出来てしまい背中から影に貫かれてしまった。
まぁ、時間は稼げましたし私には実体がありませんから貫かれてもダメージなどありませんがn、
「マイスイートハートォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!
「ごはぁぁ!!!????」
…なにやら赤狐さんが空から落ちてきました。
そういえばもう追いついてもいい感じの時間が経ってましたね。
叫んでる台詞が無ければ絵になる筈なんですけど…この方。
黒いマッチョの方はいきなり背中から何か落ちて来たせいで痛そうです。
で、なんですか赤狐さん?そのなにかやりきったような顔は?
私の今の顔は貴方と正反対でしょうね。
「やっと追いつきましたよ!我が愛しの君!!私、試練を乗り越え貴方のもとへ舞い戻ってまいりました!!!さぁ、その閉ざされてしまった記憶の扉を開けるため私の元に、」
「崎守様ぁぁぁぁぁぁ!私もお会いしとうございましたぁ!!そう、全ては貴方と出会うための試練!!!そして結ばれる為の運命なのです!!!他のものなど有象無象に過ぎませんワァァァアぁぁ!!!!」
ここで日護様乱入、なんでしょうこのデジャヴ感?
相変わらずお互い人の話を聞かないですね。
しかし赤狐さんが言葉を遮られているところを初めて見ました。
もう日護様は赤狐さんのことしか頭に無いご様子、あれはヤンデレと言うんでしたかね?
「む、涼華ではありませんか、なにやら私がマイスイートハートを探している時には良く遭遇しますね。お父上は健在か?マイスイートハートのお父様はお元気ですよ!…あぁ!私がいない寂しさか!!そんな顔をなさらないで、すぐ私が行きますから!!!」
「どうでもいいですあんな有象無象(父)でも、ふふ、私の事をなんでもご存知なのね、嬉しいですわぁ。私との時間を全て覚えていらっしゃるなんて…やはり!私達の愛は不滅ゥ!!あぁ!!私の溢れる愛をウケトメテ下さイマセェエェェェェェェェェ!!!!!!」
なんて都合のいい自己解釈!!!??いや、捏造?!
しかも赤狐さんは何故私の父が元気だと分かるんですか?!
なんなんですかこの二人!?さっきから普通に会話してますけどなんでさっきの戦いに負けず劣らずの被害をだしてるんですか??!!主に日護様が。
赤狐さんは攻撃を避けてる…っていうよりは自然に受け流してる!?
まぁ、赤狐さんに当たってない分周りが被害を被っていますがね。
まぁ、なにやら訳が分からない状況になりましたがここはトンズラしましょう。
それから私は赤狐さんが来てからなにやら唖然となっている勇者の方に飛んで、肩に手を置き。
《ここは任せましたよ。》
聞こえてないでしょうが、言わずにはいられない状況です。
勇者にそう言ったあと、私は霊体化を解いてその場から消えた。
思ったより早くハルに合流出来そうでよかった。
勇者は不憫!その他は話聞かない!カオスだと思います!!
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