第2話 ここはどこ!?何故、私?!
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「......はっ?!」
気がつくとすぐ上体を上げて周りを見渡した。
どうしてか森の中にいるようだが頭がボーっとして(何故森の中に?)という疑問すら頭に浮かばない。
どうやらまた眠っていたらしい
...また?
なぜ”また”なのだろう?
疑問に思った直後さっきまでの経験がフラッシュバックするかのごとく頭に流れてきた。
(...さっきのは夢?)
夢にしてはかなり鮮明で記憶に残っている。
やはりさっきのは現実なのか、そう思わずにはいられない。
さっきのはなんだだったんだろうとかんがえてもみたが
...考えても今のボーっとした頭ではたいした事は思いつかないだろう。
という結論に至りとりあえずは家に帰ろうと思った。
思った、のだが
(ここどこ?)
起き上がってみると辺りは森、草が生い茂って整備された道も見えない。
そもそも何故俺はこの森の中にいるのだろう?
誘拐の線も考えられるがこんな貧乏学生を誘拐してなんになる?親は普通のサラリーマンと専業主婦でそこまで金に余裕はないし、そもそも俺は勘当されてるため人質の価値もないし。
俺が夢遊病でも発症した?
...ないな。実家ならいざ知らず今俺が住んでいるボロアパートの周りに森は無く、あるとしても1〜2kmくらい離れてる。
何の執念があって寝ている間にそんな所に行かにゃあならんのだ。
という感じでまったく心当たりも無いし検討もつかない。
唯一心当たりがあるとすればあの夢の事だが...なんとなく関係が無い気がするし
こういうのを閉口頓首っていうのかな?
...仕方ない。ここにずっといてもどうしようもないし、とりあえず森の中を歩いてみるかな。
そう思って歩き出そうとした時不意に”あ!そういえば今何時だろう?”と思い、腕時計を見るために左腕を上げたら
「え?」
と素っ頓狂な声を上げてしまった。
なぜなら上げた左腕を見てみるとまず腕時計がない、これは別に良い。まぁ実際は良くはないが今は置いておこう。
問題は、左腕だ。そこには男のむこつな腕は無く、女のように細く肌の色も白いきれいな左腕が存在した。
「なんですか?これ...うん?」
今しゃべったのは誰だろうか。明らかに俺の声ではなく女の声だ。しかもかなりの美声。
辺りを360度見渡しても誰もいない。というかこの行動最近かなりの頻度でやってるような...
試しにまた声を出してみる。
「あー、あー、マイクのテスト中ー」
また女の声が...まさか、俺?だとしたら考えられる可能性は、
まさか...!
俺の考えが正しければ、あるはずだと思い出来れば無いでくれと願いながら顔を下に向けて自分の胸を確認するよう触った。
「........んぅ」プニプニ
男性にはないであろうこの感触、予想が当たってしまった...。orz
もう確定しているが一応下の方も確認しとくかな...
...うん、ないね。
若干、というか多大な喪失感を感じた。
もう言わなくてもわかるだろうが自分への確認のためにも言っとく。俺、木島 晴彦は多分
女になりました。
.......。
(なんでだぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!)
いきなり女になってしまったんだ。思わず頭を抱えてしまったのは仕方ないと思う。
なんでいきなり俺女になってんの?ここはどこ?私は誰?と思考がぐるぐるまわってパンクしそうだ。
もうこんらん状態である。
誰か説明プリィィィーズ!!
「...なんでこんな事になったんでしょう、」
「あ、あれ?」
おかしい、俺は(なんでこんな事になったんだろ)と言おうとしたはずだ。少しの違いだが通常のしゃべり方と敬語じゃ結構違和感がある。
もしやとは思うが...
「私は、」
Noooooooooooo!!
一人称まで女になってる?!今、俺はと言おうとしたはずなのに!
え、何?男の尊厳を完全に消すつもりですか!?
それは勘弁してくださいよぉぉ
何故我を見捨てた神ぃぃぃ などなど
ひとしきり文句を垂れたらいくらか冷静になれた。ついでに俺の人生に新たな黒歴史が生まれてしまった。
「...これ以上嘆いていても始まりませんし、ここにいても時間の無駄ですね」
やっぱり違和感は拭えないがとりあえずここから移動するかな。
まずは人を見つけることが先決だな。近くに町でもあれば助かるなぁ
さて、ここはどこなのやら...
こうして彼?は逃亡記の始めの一歩を知らぬうちに踏み出したのだった。
そして彼?はまだ気付かない。自分の頭とお尻に獣の特徴的何かがある事を。
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