第8話 目が覚めると
第12話です!今回は日常?編みたいものです!
目覚めると視界には見知らぬ天井があった。
もう知らない天井だ、なんてベタな事は言わないが...現実的にここどこだ?
俺はベッドに寝てるようだが。...しかしベッドなんて久しぶりだな〜、ボロアパートにいた頃は布団だったしこっちにきてからは贅沢な野宿だったからこの感触はなつかしい。
とりあえず上半身を起こし、光が差し込んでくる窓の方を見れば壁は木で出来ており顔のすぐ隣にある机には花の入った花瓶と水が入ったガラスの水差しがあった。
ふむ、この雰囲気からしてここは病室かな?
「あ、起きられましたか!」
ん、その声はアミアか。
えーと、あぁそこにいたか。なんでそんな部屋の隅にいるのかが分からん。
「大丈夫ですか?なにかお体に不調なところは無いですか?」
「ありがとう、大丈夫ですよ。今のところは特に異常はないです。」
一応起き上がってから確認したが特に異常はないな、というか何故俺は寝ていたんだっけか?
....あぁ、そうだ、日護って人の殺気に圧倒されて俺は気絶してしまったんだったな。
本物の殺気を初めてくらったとはいえ気絶って....情けない限りだよほんっと。
そういえばあの後どうなったんだ?今の自身の体を見る限り傷らしい傷もないし...解決したのか?
「...あの、アミア、あの後どうなったのですか?」
「あの後とはハルさんが気を失った後の事、とういことですか?」
「そうです、あの後の事を詳しく知りたいのです。」
「.......。」
アミアがどことなく言いづらそうに顔をしかめている。
なんだ?あの後そんなに言いづらいことが起こったのか?
「えぇ〜と....実を言いますと私も詳しくは知らないのですが、あの後は簡潔に言えば白露様が襲撃してきた緑色の髪の女性に何かを伝えると女性がすごい勢いで私たちが走って来た方向に進んで行きました。」
私には何も聞こえませんでしたがなにやら通じ合っていたようですじゃ、と最後にアミアが言った。
...肝心のところが分からないなぁ。
とりあえずは、
「ありがとうございました。詳しい事は白露に聞きましょうかね。」
で、白露よ、何があったんだい?
というか最初から白露に直接聞けばよかったんじゃないか?気絶の事で情けない気持ちはあるが、今はそれよりあの後のことを知る事の方が重要だし。
.......... シーン
返事がない。
そういえばさっきから声も聞こえなければ左右を見ても姿が見えない。
もしやあの後に白露に何かあったというのか?!
「そういえば白露は!?白露の姿が見えませんが....もしやあの後本当は白露に何か!!」
「落ち着いて下され、白露様ならあそこにおりますじゃ。」
アミアはそう言って白露がいるであろう方向に手を向けた。
ふぅ、取り乱してしまった。
白露が無事というならよかった。あの時気絶してしまったことについても謝罪したいし、さっさと顔を向けましょうかね。
と、白露のいるであろう方向に顔を向けると、
端の天井にめり込んで顔だけが出ている状態の白露がいた。
......ぎ。
ぎゃぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ、なんだあれ?!怖えぇよ!?俺がホラー系のものが嫌いなの知っての嫌がらせか?!!
寝起きでホラーなもの見せられた俺の反応は正しいと思う。
別に本当にめり込んでるわけではない事は分かってるんだけども、その何か悩んでる顔と天井の端という薄暗いところにいるせいでホラー感の相乗効果が発生している。
なまじ顔立ちがいいからさらに恐怖が増大してますとです...正直俺は怖い...。
まぁ、霊体化してる状態ならあれくらいするのは容易いんだろうけど、まさかわざとか?
...もしかして俺が気絶した事について考えてたりしてあんな事に?
いや、それにしても、
「...それはないでしょう、白露。」
《え?あ..ハル?...ハル!?大丈夫ですか?!どこか痛いところとかありませんか??!》
君は俺の母親かと言うツッコミが必要かな?
まぁ、気づいてくれて何よりだがまずはそのめり込んでる状態でこっち向くのやめてもらえないかな。今なんか顔の半分だけでこっち見てるからマジで怖い、絶対わざとやってるだろ。
《あれ?私はなんでこんなことになってるのでしょう?》
わざとではなかったらしい。無意識でなんであんなことになるのかものすごく疑問だ。
「この部屋にハルさんが運ばれてから白露様はなにやら考え事をしてなさるご様子でしたじゃ。」
「なるほど、ちなみに私はどのくらい寝ていましたか?」
「1日程ですじゃ。」
1日か...これって普通なのかが分からんから判断しにくいな。
気絶なんてしたの初めてだったし。
「そうですか...アミアには迷惑をかけしてしまいましたね。貴方はあの時怪我などはされませんでしたか?」
「はい、それについては大丈夫ですじゃ。最初の攻撃以外は私に被害が来るようなものはありませんでしたから。」
アミアにも怪我が無いようでなによりだ。
今回の件で一番無関係なアミアが怪我なんか負ってたら俺は病んでたかもしれんな。
ま、そんな後悔をしないためにも強くならなければ!
でも、その前に、
「それで白露。」
《??...........、え?はいなんでしょう?》
いつまで自分が天井にめり込んでいたことについて考えてるんだよ。
疑問には思うだろうが反応がかなり遅かったぞ。
「なにやらあの日護様と言う女性を何か言って退けたそうですが...いったい何を言ったのですか?」
そう、俺はおそらく今回の襲撃の理由であろうその『言った言葉』というのが気になった。
そりゃ、自分が殺されそうになった理由くらい知りたいじゃないか。
《えぇーとぉ....。》
何故目をそらすうえに苦笑い?
この仕草とこの表情からみて深刻な事情ではなさそうだが....そんなに言いづらいのかな?
《出来れば聞かないで頂けると助かるのですが、さすがに被害者の貴方には一言赤狐さん関連で日護様は赤狐さんの元許嫁です。》
なるほど赤狐が原因...面倒ごとばっか起こすあいつの事だし今回もその類いか。
しかも許嫁、....リア充野郎が!!
そんなこと思っている俺に対し白露は、
《(言える訳ないですよ!?ただ彼女が赤狐さんの居場所を知りたかっただけなんて!!?そんなくだらない理由で命狙われたなんて言えない!!言えるわけが無い!!!?)》
こんな風に考えていた。
「分かりました。今回はそれで納得します。」
そんなことを知らない俺は赤狐関連と聞いたらなんとなく納得してしまった。
「それで白露、話が変わるのですが。」
《え?!は、はい何でしょう?》
「........?」
何故そこまでどもっているのか。
まぁいいや、とりあえず言いたい事言っとこうかな。
「私を強くしてくれませんか?」
《へ?》
「今回の事で私が得た教訓は自分の弱さです。身体的にも...精神的にも。」
そう、今回の経験は俺の弱さをすごく理解させられるものだった。
元は普通の人間だったとはいえ、今は体面上狐のお姫様だ。
これからの事も考えて....いや、それは建前かな。
ただ、あの時の俺が情けなくて、次からあんなことになりたくないから、強くなりたいだけかもしれない。
だから俺は、
「私は強くなりたいのです。」
《...まさかこの件が貴方になんらかの覚悟を持たせてしまうとは思いませんでしたよ。》
ふぅ、と白露。
《いいでしょう、この国にいる間に貴方を出来る限り強くします。私もまだ未熟者ですが妖術や戦闘に関しては一日の長があるのでご指導しますよ。》
よかった。これで断られたら俺は...どうしてただろう?
分からないがもしかしたら鬱状態になってたりしたのかもな。
《ところでハル。大丈夫なのですか?》
あ、はい、なんでしょう師匠!
さっそく修行ですか!!
大丈夫です。体に異常とかありませんよ!!!
《な、何故いきなり敬語なのでしょう?いえ、修行ではなく...それですよハル。》
それ?
《話し方ですよ。さっきまでハルは私の体で声を出していましたが、今のようにしゃべらなくても会話は出来たのですよ?まぁ、私が言いたいのは。》
そうすると白露はアミアの方に目線をずらして。
ん?アミアがなんだって?
《さっきの貴方が言っていた事全て、アミアさんに聞かれていましたよ。》
...え?
とっさに白露の方からアミアのほうを向いてみると、
口を開けてポケーとした状態のアミアがそこにいた。
そこで俺の脳内にさっきまでに自分が言っていた言葉がリピートされた。
『私を強くしてくれませんか?』
『今回の事で私が得た教訓は自分の弱さです。身体的にも...精神的にも。』
『私は強くなりたいのです。』
え?これを聞かれてたの?
は、恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???
何こんな黒歴史製作してんの俺?!
なんかの物語の主人公が言ったんならともかく、俺みたいなモブが言ったらただ恥ずかしいだけだよ!
幸いなのが今の俺の顔が男時のモブ顔ではなく狐娘の美少女ということか。
しかし恥ずかしいもんは恥ずかしいしアミアに口止めはしとかねば。
「アミア、今の事は、」
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!
「!?」
「!?」
《!?》
突然の大きな音でこの部屋にいる全員が音のしたであろう方角である窓の方を見た。
ここは俺達が来た研究所のある方向と対称の位置にある部屋らしい。
しかも3階辺りの高さだから見晴らしもいい。
だから、研究所がある辺りから煙が出ていることもよく見える。
...これって偶然?
天井から顔だけでてたら怖いと思うんです。
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