第4.5話 アミアの始まり
第7話です!遅くなりました!今回は説明文ばっかです。宣言していたあと1話は本日20時に投稿いたします。
sideアミア
私の名はアミア・オルス・デ・ツウェルペトール。
魔法都市・ツウェルペトールの第5王女。
王女と言っても私は王国の政に参加した事も無ければ、王族として社交の場に出た事も無い所謂お飾りの王女である。さらに言うならこの国に第5王女・アミアなどという者はいない。いるのは私の次に生まれた腹違いの妹であるリオ・オルス・ヴィ・ツウェルペトール、この国の正式な第5王女だ。
そう、私の第5王女という肩書きは父、国王が生ませた子供が誕生した順についたものでしかない。しかも私の存在だけは何故か隠蔽され、公式には国に私はいない...というより生まれていない事になっている。
そのためか私は10歳になるまで自分がこの国の王女であるということを知ることはなく、それを知るまでの私の世界は城の端の小さな部屋とこの時まだメイド見習いだったリサ、この2つが全てだった。
そして私が王女であることを知った頃からリサはよく本を持って来るようになった。
字の読み書きは一応その時一通り出来たが、本と言うものを見た事がなかったため私は興味津々にその本を読み漁った。
いつしかリサが持って来てくれる本は私の唯一の楽しみになっていた。
しかしいつからか本を持ってくるリサの顔があきれ顔になっていった。疑問に思って周りを見てみると私の周りは本で埋まっていた。
しかも本が重なっている高さは自分の身長を超えているのでもう壁にしか見えない。その時の私が幼いながら”これはないな...”、と思うほどの壮観さであった。
最初は絵本から入り、次に漫画、それから小説・辞書、歴史やら神話の本など、どんどん本が増えて行った結果がこの惨状。この光景から読み取るに私の知識欲はかなりのものだったらしい。
そしてこの結果のせいか私は知識に関しては大人をこえるものになっていた。
まぁ、知識だけなので実際の口喧嘩などはリサによく負けたっけ...実戦経験の差か。
11歳になった時の私はリサが持っている本を全て読みつくしてしまい毎回リサにねだったりして城の図書室から本を借りて来てもらった。
そういえばこの時に速読というものを覚えたら、かなり読める本の量が増えた。
もうこの時には2000冊は読んでいただろうか、楽しくて徹夜する事も苦ではなかった。
怒られたけど...。
11歳になってから半年くらいが過ぎると何故かリサが本を持ってくるのを渋るようになった。
いくら頼んでも持って来てくれないので私は部屋を抜け出して本を探しに行こうとした。
行こうとした、のだが...途中見つかって自分の軟禁状態のことについて3時間くらい説教を受けた。
...いくらなんでも説教にセイレーンの魔声なんて使わなくてもよかったと思うが。
12歳になると、先の失敗を教訓にちゃんとこそこそと城を散策することにした。
最初は図書室のみを見つけるためであったがその図書室が散策を開始して20分ほどで見つかったのは予想外だった。
そのためせっかく部屋の外に出たのだからと城の中を散策する事にした。
時間制限はあるが。
私はもともとこの城では厄介者である、血がつながってるだけのただの他人。
まず私の存在を知っている人も少ない。
私の存在を知っているのは国王、第一〜第二・王妃、王子、王女、そしてリサとその他数人、そう聞いている。
私が事情の知らない妹や弟に見つかれば即不審者扱いだろう。
だから私が部屋を抜けるのはなかなか難しく、失敗すればまた説教地獄が始まってしまう。
なので部屋を抜け出る際には入念な偽装工作をしてでなければならない。
例えるなら昼寝を理由にした偽装の場合は何故かリサは潔く了承してくれるのだが、毎回決まった時間に起こしにくるのでその時間内に戻らなければいけない。
このような感じで部屋を抜け出す際にはリスクを負うし、時間の制限も出来る。
しかし他には特に不自由するところはなく別に城の中を動けない訳ではないので、ようは他の姫や王子に見つからなければ大丈夫なのだ。
そんなふうに思いながら私は日々を読書と城の散策に費やして行った。
それ以降は現在の私のしゃべり方の原点である婆様に出会ったり、いらないところで私の素性がばれて騒ぎになったりと短いながら結構色々あった。
そして現在は、父が勝手に決めた結婚の話から逃げる為に壁に突き刺さったり、何か頭に衝撃を受けて気絶したり、あげくには素性不明の謎の黒男に誘拐されそうになるしとこれまた早くも色々あった。
しかし決して悪い事ばかりでもなかった。
上記の事から私を救ってくださったのがハルさんと白露様という混血と精霊のお二人だったのだ。
最初は、私の名前と便宜上の地位を教えるとなにか微妙な顔をされたがその後の私の愚痴のような話につき合ってくれて良い人達だと思った。
まぁ、途中で話を切られたときはちょっとむすっとしてしまったが、私もまだまだ子供か...。
しかしハルさんの、
「何故私と白露の呼称が違うのでしょう?」
という質問を聞いた時の私の顔は酷いものだったかもしれない。
しかし私にとってはあまりにも当然の事だったためかなり驚いた。
だから私は確認の為に一つ質問した。
「失礼ですがハルさんは混血の方でいらっしゃいますよね?」
返ってきた答えは肯定、ならわかるはずなのだが....いや、待てよ。
もしかしたらそれはこの国だけの話で外には通用しないのでは?もしくはハルさんがそういう国などの出身だったりして知らないだけでは?
と私はそういう考えに至り一から説明をした。
そして何故か説明を終えた後、ハルさんは遠い目を、白露様は得意げな様子になっていた。
...それにしても白露様は、生前はかなり高位の方だったのかもしれん。
本で読んだ事しかないから断定は出来ないがあの銀髪と服装は、狐族、序列第一位・上代一族の特徴だったはず。その子孫であるハルさんもその血を受け継いでいるということ。
...改めて考えると今私はすごい方達と一緒にいるのでは?
そう考えているとハルさんが後ろで何か話している白露様を無視しながら私に話しかけていた。
今度の質問は、
「というか何故私が混血だと思ったのですか?」
というものだった。
この答えは簡単に言うなら後ろに精霊がいたから、で終わるのだが今回はハルさんが戦闘中に肌が褐色になる術を使っていた時、ぼんやりとだが頭のところの耳が見えたからだ。
普段は人の姿でも今回の場合は妖力を使う事で妖の姿になることは混血の特徴の一つである。
これを見た瞬間に私はハルさんが混血だと確信した。
そうハルさんに伝えようとしたら
「姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
という声で私の声はかき消された。
え?と私があっけにとられている間にハルさんは走り抜け、白露様は何かの詠唱を始めていた。
私はその場で呆然としていて、回復には1分くらいかかってしまい私が行動を開始する頃には、すでに術と思われる火柱が天高く上がっていた。
...これほどの術を一人で発動してしまうとは、それにこの行動力の高さ...もしや予測していた?
それとも過去にこういった経験があったのか...どちらにしてもただ者ではないようだ。
火柱の中から外に飛び出て落ちて来る黒い物体も確認。
なにやら不審者は退治出来たようなので私はハルさんや白露様の様子を確認する為に二人の移動した方向に
自らの全速力で向かった。
そしてハルや白露がみえる位置まで来るとそこで若干焦げている男を見て驚いた。
だからつい、
「あ、勇者」
と言ってしまった。
そう、そこには私の現婚約者で勇者な青年が...満面の笑みを浮かべながら気絶していた。
....気絶してるよね?
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