第4話 前編 俺の選択は間違いだったのだろうか?
第5話です。長くなりそうなので前半と後半に分けました。それと本作品は土日の更新はしないようにします。平日毎日更新を目指します!
黒い鎧の男は、壊した壁の外から中に入って来ると首を左右に動かし部屋の中を見渡した。
途中、騒ぐ少女を見て動きを止めたがそれも一瞬、再び辺りを見渡す動きに戻った。
おそらく少女以外に人がいないか確認したのだろう。
一通り辺りを確認した男は、状況が分からず今は呆然としている少女の方へ体を向け歩き出した。
鉄が地面とあたる音を発しながら歩く男は少女の目の前に着た時点でその歩みを止めた。
「な、なんじゃお主は?!まさか私を連れ戻しに来たのか?!!」
男が近くに来た事でまた騒ぎだす少女。
そうすると男は一言。
「来て頂く。」
「いやじゃー!!!」
男の言葉に即答で否定の言葉で返した少女は後ろに下がり手のひらを男に向けて何かを呟く。
「地の精よ、契約に従い撃て!《アースボール》!!」
少女がそういうと少女の後ろにある壁が形を変え、球状になり男に向かった。
かなりの至近距離だったため当たると確信を持っていた少女だが次の瞬間、
「致し方なし。」
そう男の声が聞こえたと思ったら《アースボール》と言われていたものは十字切断された。
男の手にはこれまた黒い刀のようなものが握られていた。
「御免!」
《アースボール》を斬った男は、その勢いのまま刀を持ってない方の腕を少女に突き出した。
しかしそれが届く事はなかった。
ボゴォッ!!!
「グッ!」
なぜなら男は背後から何者かによって顔を横に薙ぎ払われ吹き飛ばされたからだ。
何者かは、吹き飛んだ男を見て言った。
「何少女を襲おうとしてるのですか、このロリコン。」
まぁ、その何者かは今のところ空気だったハルと白露な訳ですが...。
・ ・ ・ ・
はぁ、やっといてもいなくてもいい的空気を脱出で来たよ。
《私たちガレキに埋まってたせいで気付かれませんでしたからね。》
そう、さっき男が周りを見渡したさいに俺達はガレキと同化していたためまったく気付かれなかったのだ。
そしてそこからいきなりあの黒い男と少女が戦いだして、本当に俺達は完全な空気になってしまった。
まぁ、戦い自体はすぐ終わったけどもさすがに子供が襲われてるところを放っておく訳にも行かず男が刀を出した時点で起き上がり、前もって白露から《あの男には生半可な攻撃は通用しない》と言われていたので、まずは『赤壁』を発動して男の背後に素早く近づいた。
そして近づいた勢いを殺さずに攻撃を繰り出す時、
『赤壁』完・全・覚・醒!!!
一瞬だけ術の能力を最大まで上げて男の頭めがけて放った。
その結果が今のこの状況だ。
もっとも『赤壁』の完全覚醒のせいで体は熱いし、殴った方の腕は力が入らないが一瞬だったおかげでこのくらいで済んでよかった。
《...まさかこのくらいで済んでよかったとか思ってませんか?》
ん?なんか白露さん怒ってらっしゃる?
わざわざ、霊体化までして。
《それはそうですよ!言っておきますが私が妖力操作をとっさにしていなければ貴方は自身の術で丸コゲでしたよ!!一瞬でもあの出力はヤバいのですから、今後はこういうことをやるときは言ってください!!!わかりましたか?!》
...はい、分かりました。
本当にすいませんでした!
まさかそこまで酷い事になるとは思わなかった。
俺ももううかつな事はせずちゃんと白露に言おう。
誠意の証に土下座をしたのだがどうだろうか?
《..........。》
なんでそんな微妙な表情するの?!
む、むぅ。どうやったら反省の心が伝わるのか...。
ガラッ
ガレキが落ちるような音がしたので音のした方向にむいてみると、黒い男が立ち上がっている様子が見えた。
しかし赤狐の時とは違い、頭から攻撃した効き目はあったようだ。
その証拠に起き上がる動作がかなり遅い。
よく見れば足も震えているように見える、どうやら足にきてるようだ。
「ふ、不覚っ」
男がそんなことを言った。
まだグラグラと不安定な状態だが立ち上がった男は悔しそうにこちらを見てこう言った。
「狐族...混血?.......精霊...覚えた、次...壊す。」
言葉が途絶え途絶えだが、はっきりとした口調で男はそう言うと下半身の右鎧に手を触れた。
そして男が何かを呟くとさっきまで見えなかった青色の魔方陣が浮き出て、男は青い光に包まれた。
光が消える頃には、そこにいた男は消えておりまるでいなかったかのような静けさが残った。
俺は敵がいない事を再度確認すると『赤壁』を解いた。
というか今のって、
「...転移魔法というやつですかね。」
《転移魔法?移送魔法ではないのですか?》
あ、こっちではそんな名前なのか。
まぁ、にたような意味だから問題はないか。
誤摩化そ。
あぁ、いや、移送魔法だったな。言い間違え、
「あ、あのー?」
すまない、理不尽だと思うかもしれないが...。
もうちょっと待ってくれてもよかったじゃないか!
最近言葉を途中で切られることが多くなってる気がする...。
ふぅ、落ち着いた。では、
「はい、なんでしょう?」
《はい、なんですか?》
...どうせ聞こえないんだから言わなくてもいいんだぞ、白露よ。
《いえ、せっかく相手に見えるのだから受け答えはしないと失礼ではないかと思いまして。》
礼儀正しいねぇ。
まぁ、この娘の話をまず聞いとこうか。
「ま、まずは助けて頂いて感謝いたします。」
ふむ、まずお礼を言えるとは結構礼儀正しいのかな?
「気にしないで下さい、成り行きでこうなったようなものですから。」
《そうですね、最初はビックリしましたよ。まさか女の子が壁にぶら下がってるなんて。》
そうだな、でもお前はその時油揚げに夢中だったな。
...そういえばカウンターの借りがあったな。
一度説教をこの場でしても、
「私の名は、アミア・オルス・デ・ツウェルペトール。この国の第5王女ですじゃ。」
説教なんてしたら死ぬじゃないか。
というかいいのか、今そんな事言って....。
...(少女を助けた)俺の選択は間違いだったのだろうか?
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