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狐の嫁入り逃亡記  作者: カラネコ
第1章 赤からの逃亡
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第11話 山賊との戦い?前編 〜え?なにこの状況?〜

第14話です。今回は二分割しました。もう片方は明日の更新です。


 瞑想に入って(現実では)10分経った...俺は今、



 熱ちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? 



 床を転げ回っていた。


 瞑想に入り、俺は未完成だった術を完成させるため修行に励んでいた。

 そしてやっと発動出来るだろうところまでこぎつけ、試しに一度発動させた。

 その結果がこれである。



 いや、なんでだぁぁぁぁぁ!?なんでこんなに熱いんだぁぁぁぁぁぁ?!!


「あのぅ、大丈夫ですか?」


 大丈夫じゃないですよ。全身が燃えるように熱いです。

 クソぉ、術の説明を聞いた時に確かにこんな事になる予想はついてたけど、白露が余裕そうに使ってるからって油断した!

 

「でも肝心の術が発動してよかったですよ。貴方は妖力の操作が巧いので予定より早く妖術の基礎を教え込めました。それからこの術まで行けたのですから、すごいですよ!ハル!!」


 お褒め頂き光栄だが、その術で転げ回ってる所を見ないで頂けると助かる。

 

「あ、すいません...、しかし何故そんなことになるのでしょう?妖力を流しているだけなので実際に熱いはずは無いのですが」


 いや、それは君が狐一族だからじゃないのかい?

 俺は今、君の体に入ってるとはいえ元は人間だ。

 まぁ、俺みたいな事になってるのが普通は無いんだろうし仕方ないと思うけど多分人間がこの術をやれば、俺と同じ事になるんじゃないかな


「...確かにそうかもしれませんね。こんな例が他に聞いた事が無いので断定は出来ませんが、しかし困りましたね。それなら現実に戻った時にこの術が使えるかどうか...」


 ま、やってみないと分からんね

 本家の体だから多分大丈夫だと思うけど...


「ともあれ、そろそろ戻らなければなりませんね。あ、その術は温存してくださいね。今の貴方では日に三度出来れば良い方でしょうから移動の為に使うのは駄目ですからね!」


 そりゃ、そうだね

 俺もそんなにこの術使いたいとは思えないし...熱いからなぁ

 ホントに白露の体なら大丈夫だと願いたい

 とりあえず戻りましょうかね


 白露


「はい」


 パチンッという音が周りに響いた。






 パチリ


 目を開けるとそこには木造の床があった。

 最初と場所は少し違うがなんというか


 ....さすがに二度目はそこまで驚かないね。


 さてと、戻って来た事だしさっさと現場に向かいますかね。

 えぇっと、さて確か場所は....あれ?


「場所ってどこでしたっけ?」


 てかフルジさん場所言ってたっけ?

 記憶を探っても出てこない。

 ということは...肝心の内容を伝え忘れてるよ村長...

 そう思っていると白露から


《それなら一度高い場所に登って、人が多く集まっているところに行くのが良いと思います》


 ...そうだね。それが今の最善だ。

 何故俺はそんなことに気付かなかったのか...


 はぁあ、まぁ、反省するのはあとにしよう

 さて、とりあえず高い建物探すかな...というか、この村で一番でかいのってこの宿じゃね?

 うん、記憶を辿ってもここが一番だな


 よし、都合がいい!

 早速行きますかねぇ!


 そう思いながら開いていた窓から上にジャンプした。


 ...なんか、いとも簡単に当たり前のようにジャンプしている事に違和感を覚えないあたり、俺も染まって来たんだなぁ


 と感慨にふけりながら壁とかを蹴り進んでいると横目に人だかりが見えた。


 お!あれって村人達じゃないか?

 ...あれ?ここから見るともう山賊はついて攻撃態勢に入っているように見えるなぁ

 気のせいだと思いたいが...どうだい白露?


《見た所、ちょうど今到着した様子ですね。すぐに攻撃してないのは息を整えているからでしょう》


 なるほどね、気のせいであって欲しかったがとりあえずはまだ誰も被害に遭ってない事がわかって幸いだ。

 しかしヤバい事には変わりないけどな


 ちなみに見た所の山賊の息が整うまでの時間は?


《およそ30秒》


 俺達が普通の状態であそこまで行くのにかかる時間は?


《およそ1分》


 倍以上違うね。まぁ、落下の時間も入れて予想を言ってるんだからたいしたもんだよね

 しかしこのままでは俺らが行く頃には犠牲者が出てしまってるな。


 はぁぁ、使いたくないのになぁ

 まさか序盤から修行の成果を公開する事になるとは...


 白露、使って良いかな?


《致し方ありませんね。私も色々サポートしますから私の油揚げを狙うあの山賊共を...ぶっ潰しますよ!》


 後半から本音だだ漏れじゃないか

 少しは抑えなさいよ

 

 でも許可も降りた事だし、いっちょやりますかね!っと


 やっぱり飛びながらはバランス取りづらいね

 でも今回必要なのは集中と呼吸だ


「すぅぅーーー」


 まず体全体に妖力を通し


「ふぅぅーーー」


 その妖力を油であると想像する。


「こぉぉーーー」


 そしてその油を体全体に循環させ


「ふっ」


 最後に火種を想像し


「はぁ!!!」


 油に火を入れ、一気に燃え上がらせる!!


 その瞬間、白露の体はかなりの変化があった。肌は褐色になり、全身からはうっすらと火が出ている。

 そして感覚で言うなら全ての重しが取れたかのような軽量感がある。

 これこそ肉体活性の術、


 狐火術・活性系!!『赤壁』!!!


 

 ちなみにこの術は発動に時間がかかりすぎだと思うかも知れないが、それは俺だからだ!

 白露なんかはもう2アクションは減らせる。ようは年期の差である。

《まだまだ、ハルならこれから伸びて行きますよ》 



 よし!成功!!

 

 術が成功したと思った瞬間、俺はジャンプして一気に宿の頂上まで...通り過ぎてもうた...

 まぁ、これはこれでちょうどいいか


 少し失敗したが俺は空中で体を前屈みにして足にバネのように力を込め、目線を村人達がいる場所に移動し、落下し始めて一番近くの壁に狙いを定め


 

 ...全力で、蹴る!!!



 ドゴォッ!!!という音がして壁が崩れるがもうそこには誰もいなくなっていた。



 ヒュオォッ!という音がするくらいの速度で移動しているため、あと二秒ほどで村人と山賊のいる場所に着くこの時間、俺は思った。


 熱ちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!????


 そう、結局白露の体であってもこの熱は変わらなかったのだ。

 

「...........!!」


「.......!?」


 そんな時に何かの話をしていた村人と山賊の間に到着。


 ドゴンッ!!!


 地面が少し剥けてしまった...赤壁の威力が伺えるがあちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!??

 衝撃的なものをみて少し忘れていた熱さがまた舞い戻って来た。


「あ、貴方様はどなたですじゃ?」


 フルジさんやぁぁ、何を言っておられるのよ、あちぃい!俺は、あちぃぃぃぃいいい!?

 所々に来る熱さからなんとか声を絞り出して


「ハル..で....すが」


「ハル様ですか?」


 はい、そ..うですけどぉぉぉぉ

 なぜっ、そんな改..めて


《はっ、ハル!大丈夫ですか?!》


 白露ぉぉぉ!大丈夫じゃない!!この熱さなんとかしてぇぇぇえええ!!!!?


《すいません、さっきの超速移動で頭が回っていたもので....。気休め程度ですが妖力を操作して痛みを和らげます》


 十分!!.....ふぅ、なんとか叫ばんでも大丈夫なレベルに痛みが引いた。まだ熱いがこれは仕様だし仕方ないだろう。


 白露サンキューな


《いえ、サポートするといいながら目を回していたと思うと、...申し訳ないです》


 まぁ、結果的に助けてくれたから大丈夫だよ!



 どとらかというとこのみんなのよくわからない視線の説明をお願いしたい。


《...すいません、私にもさっぱりです》


 

 そうかい

 このみんなの視線が何故か俺に向いている。

 村人は普通山賊を見るはずなのだが全員こちらを向いている。山賊もしかり






  ......え?なにこの状況?











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