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師匠と弟子  作者: 麻川
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行方不明者の不在

「おいそこのクソ猫。都合悪い時ばっか変化してんじゃねェよ」

「に、にゃ~ん」

「いや、寧ろクソ犬かもな。人のケツばっか追い掛け廻しやがって、てめえが迷子になってりゃどうしようもなく阿呆らしいとは思わねェのか?」

「んな、」

「しかもそこ等のガキですら迷ってパニクって公共物破壊はしねぇよなァ」

「…んな~ぉ」

「あァ、思わないから今ここにこうしてぶち込まれてんだよなァ。悪かったよ当たり前の事言って」

「んにゃ~ご~…」

「ま、牢屋の中でマズイ飯でも喰いながら暫くたっぷり考えるが良いさ」

「にゃおん!?」

「あァ? そんなに嬉しいのか、俺も嬉しいぞ」

「ぎにゃ~!!」

「俺は割と猫好きだし? 迷ってんのを飼い主探してやる位には。邪魔臭ェクソわんこともここで漸くおさらば出来るし、今日はここ一番に最良の日と言っても過言じゃねェかもしれねェ」

「に、」

「安心しとけ、保釈金の支払いがなくても大体一巡り位で釈放されるから。暫くの宿と食事が確保出来て良かったなァ!」

「ち、ちょ、」

「ちゃーんと部屋は引き払っとくから安心しとけ?」

「待っ、」

「てめえは今日限りで破門だ。じゃあな、達者で暮らせ」

「待ってー! 御免なさい僕が悪かったです赦してー!!」

「あー、俺も歳かねぇ幻聴が聞こえるよ、普通猫は喋らねェもんなァ。暫く休暇取るのも良いな、この所無駄に面倒事が多かったし」

「待ってー!  置いてかないでよーぅ!!」

「はっはっはっー。じゃ、俺は行くから。おーい、看守!! 金銭はあるからとっとと開けに来い!」

「待ってー!!!」




終劇 (041026)。


万愚節で出ていた牢の中での一晩の話。因みにこの後、泣き落としと脅迫と一廻りの役割分担の負担で家出を阻止した模様。

一巡り=一週間、一廻り=一か月、くらい。




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