魔王城
俺はひたすら走り続けた。途中で何度かモンスターに遭遇したが、問題なく倒すことが出来た。ついに魔王城へとたどり着いた。目の前には巨大な門があり、周囲には誰もいない。俺はゆっくりと扉を開いた。ギィ……という音を立てて開く。
中に入ると、そこは広い空間になっていた。奥に玉座が見えるが、そこには誰もいなかった。俺は警戒しながら進んでいく。しかし、特に何も起こらなかった。そのまま進み続け、とうとう魔王の間までやって来た。そして、俺は魔王と対峙した。
「よく来たな勇者よ」
声の主は黒いローブに身を包んでいた。フードを被っているため顔は見えない。だが、その体つきは明らかに男のものだった。
「お前が魔王か?」
「いかにもその通りだ。我が名はサタン・ジャコブ。魔界の王にして、全ての魔族の頂点に君臨する者なり!」
俺は何も言わずに剣を構えた。すると、相手も同じようにして構えを取った。先に動いたのは俺だった。一気に間合いを詰めると、魔王の右腕を切り落とした。
「ぐっ!!」
しかし、すぐに左腕が伸びてきて元に戻った。
「なかなかやるではないか」
俺は相手の攻撃をかわすと、今度は足を狙って斬りつけた。
「ぬぅ!?」
やはり、同じようにして再生した。その後も攻撃を続けたが全て防がれてしまった。しばらく打ち合った後、一旦距離を取ることにした。すると、魔王の体が徐々に変化していった。全身から禍々しいオーラを放ち、背中からはコウモリのような翼が現れた。
「クカカッ!!素晴らしいぞ!力が溢れてくるようだ!!!」
俺はその様子を見て確信していた。
(やっぱり、こいつを倒すためには全力を出すしかないみたいだな)
俺は覚悟を決めると、自分の中に眠る力を解放し始めた。すると、体のあちこちから白い光が漏れ出した。さらに、左手の甲にある紋章が強く輝き始める。そして、最後に右手に握っている聖剣に意識を向けた時、眩しいほどの光を放った。その瞬間、世界は真っ白に染まった。視界が戻ると、辺りは静寂に包まれていた。
俺は静かに口を開く。
「さあ、決着をつけようぜ」
「いいだろう。貴様の力を見せてみろ!!」
お互いに同時に動き出すと、激しい攻防が始まった。何度もぶつかり合う度に衝撃波が発生して周囲の物を吹き飛ばしていく。やがて、戦いに変化が訪れた。俺の攻撃を防ぎきれなくなったのか、少しずつ傷が増えてきたのだ。それでも魔王は諦めることなく向かってきた。そこで俺はあることを思いついた。
「おい、ちょっと提案があるんだけど聞いてくれるか?」
「なんだ?命乞いでもするつもりか?」
「違うっての。実は俺達の仲間にならないか?」
「仲間だと?」
「そうだ。そうすればお互いにとってメリットになると思うんだがどうだ?」
俺の提案を聞いた魔王は少し考えるような素振りを見せた後に答えを出した。
「断る」
「どうしてだ?」
「そんなもの決まっている。我はこの世界の全てを手中に収めるつもりなのだ。今更他の者に従うなどあり得ん!」
「なら仕方ないな」
「ああ、残念だよ」
次の瞬間、魔王の首が落ちていた。その後、胴体もバラバラになって崩れ落ちた。こうして世界に平和が訪れることになった。しかし、それは新たな争いの始まりでもあった。




