表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー転生記  作者: 林田力
記憶喪失と魔王討伐
38/40

説明

「さて!そろそろいいかしら?」

「……はい」

母親の言葉を聞いて、俺達は居間に移動した。

そして、ソファーに座って向かい合う。

「最初に、あなたの名前を教えてくれる?」

少し迷ったが正直に答えることにした。

「俺の名前は『大空大地』です。よろしくお願いします」

母親は笑顔でうなずいた。

「はい。じゃあ次はあなたのことについて教えてもらえるかしら?」

やはり、ここは素直に従うことにした。

「わかりました……」

それからしばらくの間、俺は自分のことを話し続けた。

「なるほどねぇ……。つまり、あなたはこの世界とは別の世界の人なのね?」

「はい」

皆は真剣に耳を傾けてくれていた。

俺は異世界から来たこと、魔王を倒すために旅をしていることなどを説明した。

「そうだったのか……」

父親は腕を組んで考え込んでいた。

「あの、信じてもらえるんですかね?」

不安になって尋ねると、母親は笑いながら言った。

「もちろんよ。だって、私達も同じだからね」

「えっ!?」

驚いている俺に構わず、母親は話を続けた。

「私達の本当の名前は『天野美雪』じゃないの。私は女神、メイは天使なのよ」

……俺はしばらく呆然としていたが、やがて我に返ると質問をした。

「えっと……、どうしてそんな姿なんですか?」

「それはね……」

母親の話によると、二人は元々人間だったが、ある出来事がきっかけで姿を変えられたらしい。そして、元の世界に戻れないことを知った二人は、この世界で生きていくことを決めたのだという。俺は黙って話を聞いていた。すると、母親が優しい声で語りかけてきた。

「私達がこうして生きていけるのは、全てあなたのおかげよ。ありがとう」

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げてくるのを感じた。

「……グスッ!」

「あら?どうしたの?」

メイが心配そうな顔で見つめている。

「いえ、何でもないんですけど……。ただ、嬉しくて……」

「うふっ♪」

しばらく泣いていたが、なんとか落ち着きを取り戻すことができた。

「良かったわ。それで、これからどうするの?もし良ければここにいてもいいんだけど……」

俺は首を横に振った。

「いいえ、まだやるべきことがあるんで……」

「……そう。残念だけど仕方がないわよね……。それならせめて……」

母親がメイの方を見て微笑んだ。

「娘のことを守ってあげてちょうだいね」

「はいっ!」

俺は力強く返事をして立ち上がった。

「それじゃあ、そろそろ行きます」

俺は頭を下げると玄関に向かった。

「あっ!ちょっと待ってください!!」

外に出ようとしたところで呼び止められた。

「これを持って行って下さい」

「これは?」

渡されたものを見ると、銀色に輝く指輪だった。

「きっと役に立つはずですよ」

「ありがとうございます!それじゃあ、またいつか会いましょう!!」


俺は再び旅に出ることになった。振り返らずに歩き続ける。しばらくして、メイが追いかけて来た。

「大地さん!あの、これを!!」

差し出されたものは小さな箱だった。

「開けても?」

「はい!」

中には綺麗な装飾が施されたネックレスが入っていた。俺はそれを首にかけると、改めて礼を言った。

「ありがとう。大切に使わせてもらうよ」

「はい!大地さんも、どうかご無事で!!」

「ああ!」

そして、俺達は別れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ