薬草採取
「こんにちは。私は、この街の冒険者の皆さんをサポートするために、ここにいるのですよ!」
受付の女性に話しかけられた。
「そうなんですか? それはすごいですね!!」
「それで今日はどんなご用件ですか?」
「はい。実は、ここで働こうと思って来たんですが……」
「そうなんですね。ありがとうございます! それなら、さっそく面接を始めますね!」
ええーーーーーーーーー!? いきなりですか? そんないきなり……?
「あ、はい……。よろしくお願いします」
……仕方ないか。頑張ろう。それから、いろいろなことを聞かれた。そして、最後に適性検査を受けさせられた。
「ユウキさん。あなたの適正は、剣士と僧侶です。どちらを選びますか?」
「はい。それなら、僧侶でお願いします」
「わかりました。では、こちらの書類を持って、あちらの部屋にお入りください」
「はい。ありがとうございました」
言われた通りに部屋に入ると、そこには一人の女性が待っていた。
「さっそくですけど、あなたには今からあるクエストを受けてもらいます。内容は、薬草の採取です。場所は、ここからすぐ近くの森にあるので、すぐに行ってきてください」
「はい。わかりました」
「それと、今回はあなた一人で行ってきて下さい。他の方は、別の依頼をこなしてもらっている最中なので、手が空いている方がいなかったんです。申し訳ありません」
……ええっ!? 一人だけですか!? それはちょっと厳しいかも。
「すみません。できれば、もう少し人数を増やしていただけると助かるのですが」
「いえ、今回だけは特別に許可します。ただし、絶対に無理はしないで下さい。危険を感じた場合は、すぐに戻ってきてください」
「はい。わかりました」
「では、頑張ってきて下さい」
「はい。行ってきます」
外に出てみると、そこは森の中だった。しばらく歩くと、大きな木を見つけた。その根元には、小さな花がいくつか咲いていた。これかな。近くに寄ってみると、確かに同じものだった。……よし。これでいいだろう。それから少し進むと、今度は草むらの中に、白いものが見えてきた。近づいていくと、それはキノコだった。これは食べられるのか?……わからない。でも、一応採っていくことにしよう。
他にも、食べられそうなものがないか探してみた。すると、木の枝に果物のようなものがついているのを発見した。……これはもしかしてリンゴじゃないか!? そう思って見つめていると、突然目の前が真っ白になった。
……あれ? なんだ? 目をこすってよく見ると、なんと、そこにあったはずの実がなくなっちゃったんだ! どういうことだ? まさか、これが【鑑定】の効果なのか? だとしたら、この世界に来て初めて役に立ったなぁ。まぁ、まだわからないことだらけだけど……。とりあえず、今は帰ろう。
そして、ギルドに戻った。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい。どうでしたか?」
「はい。無事に薬草を採取することができました」
「本当ですか!? すごいですね! では、報酬をお渡ししますね」
「はい」
「では、こちらになります」
「ありがとうございます」
「ところで、どうしてこんな簡単な依頼を受けたんですか?」
「えっと……、特に理由はないんです。……強いて言えば、何か新しいことをやってみたかったんです」
「そうでしたか。では、また機会があれば、ぜひお願いします」
「はい。その時はよろしくお願いします」
「それじゃあ、気をつけて帰ってください」
「はい。失礼します」
さぁ、いよいよ冒険の始まりだ! まずは、冒険者登録をしないといけないな。受付に行くと、先ほどの女性がいた。
「こんにちは。冒険者の方ですよね? 冒険者としての登録は、こちらの窓口で行うことができますよ」
「はい。わかりました。ありがとうございます」
「どういたしまして」
「あの、実は、今日から冒険者として生活したいと思っているんですけど……」
「はい。わかりました。では、こちらに必要事項を書いてください。代筆が必要であれば、私が書きますがいかがですか?」
「はい。お願いします」
「かしこましました。それでは、お預かりしますね」
「はい。お願いします」
「では、確認させていただきますね」
名前:ユウキ・タチバナ
性別:男
年齢:15歳
職業:僧侶
レベル1 体力:50/50
魔力:25/100
攻撃力:10
防御力:5
敏捷性:20
知力:100
運:200 スキル 【鑑定Lv.1】【アイテムボックス(小)】【言語変換】【剣術LV.MAX】【格闘術LV.3】【気配察知LV.2】【隠密LV.4】【投擲LV.3】【毒耐性LV.7】
加護 称号 勇者の卵……はい? なんかいろいろおかしい気がするんだけど……。
「どうかされましたか? どこか間違っているところがありましたら、遠慮なく言ってくださいね」
「あ、いえ」
……そうだ。気にしちゃダメだ。きっと疲れてるんだよ。
「はい。では、こちらがギルドカードです。紛失した場合は、再発行にお金がかかるので、くれぐれも無くさないように注意して下さい。それと、ランクによって受けられるクエストに制限がある場合もあるので、その点にもご留意下さい」
「わかりました。ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございました」
ギルドカードを受け取り、受付の女性にお辞儀をして、その場を離れた。
早速クエストを探しに行った。
「すみません。クエストを受けたいんですが、いいですか?」
「はい。どのようなクエストをお探しですか? 薬草採取や、ゴブリン退治など、いろいろなクエストがありますよ」
「えーと……。すみませんが、この辺りのお勧めを教えていただけませんか?」
「そうですね……。では、この依頼なんてどうでしょう?
『森の奥にある湖の調査』という依頼なんですが、最近、湖の様子がおかしくなっているらしいんですよ。もしかすると、魔物がいるかもしれないということで、調査の依頼が出たようですね」
「なるほど。ちなみに、その報酬はいくらなんですか?」
「そうですね……、だいたい金貨2枚といったところですかね」
……よし。これにしよう!
「じゃあ、その依頼をお願いします」
「わかりました。では、手続きをしますね。こちらに、記入をお願いします」
「はい。ありがとうございます」
「いえいえ。では、こちらにサインをお願いします」
「はい」
……あれ? 文字が書けないぞ? なんでだ? あ、そういえば、まだステータスを確認してなかったな。……どれどれ。……ん? なんだこれ?……あれ? なんで読めるんだ? それにしても、この世界の字は、日本語とは全然違うなぁ。まぁでも、読めないよりはマシかな。えっと、なになに……。……なっ!? なんじゃこりゃ!?
はぁ……。やっぱり、夢じゃないのか。どうなってるんだよ一体。……とりあえず、落ち着かないと。……深呼吸して、気持ちを切り替えないと。……よし。まずは、状況を整理してみよう。僕は、今日から冒険者になる。そして、依頼を受けた。その結果が、今の状況だ。
僕の能力は、すべて数値化されている。しかも、かなり高い。ということは、僕にはチート的な才能があるはずだ。おそらく、レベルを上げることで強くなっていくタイプだろう。それなら、すぐに強くなることができるはず。よし! そうと決まれば、さっそくクエストに行ってみるか!! 受付の女性にお礼を言い、ギルドを出た。




