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召喚された世界

ここはどこなんだ……? 目が覚めると見慣れない天井があった。周りを見ると石造りの壁が見える。どうやら俺はベッドの上に寝ていたようだ。体を起こして周囲を見渡すと俺の他に二人の人がいることがわかった。一人は椅子に座っている女の子でもう一人は床で倒れている男だ。倒れているのはおそらく20代後半くらいの男だと思う。服装からして貴族っぽいけど……。

「んっ……」

男が目を開けたのを見て思わず声が出てしまった。まずい、気付かれたかもしれない。男はしばらくボーッとしていたが、やがてハッとした顔になり勢い良く立ち上がった。

「おお!!勇者様方、どうか我が国をお救いください!」

え?何言ってんだこいつ。ていうかここって日本じゃないのかよ! まさかの展開に頭がついていかない。とりあえず落ち着こう。こういう時は深呼吸だな。スーハースーハ……よし落ち着いたぞ。

「あのーすみません。ちょっといいですか?」

俺の声を聞いてこちらを振り向く二人。よかった無視されなかったみたいだ。

「ああ、申し訳ございませんでした。私の名前はクリストフ・フォン・ブランシュといいます。この国の王をさせていただいております」

へぇ?王様かぁ。やっぱりこの国も王政なのか。まあそれは置いといて、今なんて言った?この国が俺達を召喚しただって?

「いきなりこのような場所に呼び出されて混乱していると思います。しかし、今は一刻を争う事態なのです。単刀直入に言いましょう。この国は魔族の軍勢によって滅ぼされようとしています」

…………は? このおっさん頭大丈夫か?

「この国には現在、強力な魔物を使役する魔術師がおりまして、その者が呼び出した悪魔達が暴れまわっているのです。このままではこの城も落とされてしまうでしょう」

……おいおいマジかよ。これってもしかしなくてもアレだよな?ラノベとかによく出てくる異世界転移というヤツじゃないか?

「そこで貴方方をお呼びしたというわけです。お願いします!この国を救うために力を貸してください!!」

……は?嫌だけど。なんでそんな面倒なことしないといけないんだよ。それに、なんの力もない高校生が行ってどうにかなるもんなのかね。

「もちろんタダとは言いません。報酬は十分に用意させていただきます。どうか我々を助けてくれませんでしょうか?」

「いえ、そういうことではなくですね」

「頼む!この通りじゃ」

そう言うと王様らしき人物は土下座をしてきた。

「ちょ、やめてください。困ります」

こんなところ誰かに見られたら誤解されるだろうが。

「本当に頼む。もう頼れるのはお主らしかいないんじゃ。わしには娘と息子しかおらん。だから……だから助けてほしいんじゃ」

うわ、泣き出したよこのオッサン。勘弁してくれよ。

「わかった。わかりましたから。とにかく顔を上げてください」

「本当か!?」

うぉ、急に立ち上がんなって。びっくりするだろ。

「はい、協力すれば良いんですよね?」

「うむ、引き受けてくれるのか。ありがとう。では早速だが、詳しい事情を説明するから付いてきてほしい。他の二人はここで待機していてくれ。あとで呼ぶからそれまで待っていてほしい」

そう言われて俺達は謁見の間を出て長い廊下を渡り、ある部屋に入った。

「さあ、そこに座ってくれたまえ。飲み物を持ってくるから少しだけ待ってくれ」

そう言って王様が退室すると、俺は近くにいた女の子に声をかけることにした。


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