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豚骨ラーメン

「ところでアルス様、これからどうされますか?」

「うーむ、そうだな。とりあえず今日のところは日も暮れるだろうから、一度どこかで休もうと思う」

「わかりました」

「では近くに良い場所が無いか探してくるわ」

「頼む」

私達は近くにあった公園で休むことにした。

「ふぅ、やっと着いたな」

「えぇ。それにしてもここは静かだし空気が美味しいですねぇ」

「そうだな」

今は夜の9時くらいだ。今日も色々あったなぁ?

「……そういえば、この世界に来てもう一ヶ月以上経つんだよなぁ」

「……そうだな」

「なんかあっという間だったな」

「ああ」

「ところでさ、お前って元の世界に帰りたいとか思わないのか?」

「……そうだな。正直、あまり戻りたいとは思えないかも知れんな」

「そっか……。俺もさ、正直よく分からないんだよな。元の世界のこととか」

「そうなのか?」

「ああ。……俺さ、向こうにいた時はいつも一人でさ、友達もいなかったんだ」

「そうなのか……」

「だからさ、こっちに来れて本当によかったと思ってるんだ。……だからさ、もし帰れなくても後悔はないかもしれないな」

「そうか……」

そう言って笑う私を見て、何故かあいつは悲しげな表情を浮かべていた。

「……そういえばさ、お前って好きな人とかいないのか?」

「なっ!?」

「だってほら、こんな可愛い子達に囲まれて暮らしてるわけじゃん?」

「そっそれは……」

「まあ、いてもおかしくないよね」

「…………」

すると、突然後ろから誰かが抱きついてきた。

「うおっ!?」

「うふふ。私ならここにいますよぉ?」

「ちょっ!? 離れろ!!」

「嫌ですよ?」

「くっつくなって!」

「うりゃ! うりゃ!!」

「ぐえぇ!?」

「ちょっと、何やってるのよあなたたち!」

「あはは」

「うむ。仲が良いのは結構なことじゃのう」

結局その後、騒ぎを聞きつけた衛兵達に全員まとめて叱られてしまったのであった。

「それじゃあ、私はこれで失礼しますね」

「ええ。また明日ね」

「はい」


翌朝になった。

「さあて、それじゃあ今日こそは盗賊を退治しないとな」

「ええ。……でもその前に、まずは腹ごしらえをしましょう」

「ああ、そうだな。……じゃあさっそく飯屋に行くか」

「はい」

「ええ」


そして私達が向かったのは街で一番の人気店である『豚骨ラーメン』という名のお店だった。

「へえ、ここが噂のお店なんですね」

「ああ。なんでも店主は元冒険者らしく、腕は確からしいぞ」

「そうなんですね」

「ええ。楽しみだわ」

店内に入ると、そこには大勢の客がいた。

「いらっしゃいませっ!!……おや? あんたら見ねえ顔だな?」

「はい。最近この街に来たばかりでして」

「ほう。……それで、注文は何にするかい?」

「そうですねぇ? オススメはありますか?」

「おう。うちは何でもうまいぜ? 特にスープが絶品なんだ」

「なるほど。ではそれを三人前お願いできますか?」

「あいよ。嬢ちゃんたちはどうする?」

「私たちも同じものでいいわ」

「はいよ。すぐに用意するから待っててくれ」

そしてしばらく待っていると、目の前には大きな器に入った一杯のラーメンが置かれていた。

「お待ちどうさん。熱いうちに食ってくれや」

「おお、これは凄いな」

「うむ。とても美味そうだ」

「いただきます」

「ええ」

早速食べてみると、濃厚な味で麺によく絡まり非常に美味しかった。

「美味しいですねぇ」

「ええ。本当に美味しいですわ」

「そうか、気に入ってくれたみたいで良かったよ」

その後も私達は黙々と箸を進めていった。

アルスは途中からチャーシュー丼を食べ始めたのだが、これがまた美味そうに食べるものだから見ているこっちまで幸せな気分になってしまった。

「ふう。……しかし美味かったな」

「ええ。……さすが人気店の料理といったところでしょうか?」

「そうだな。……さて、そろそろ行くか」

「そうですねぇ。……でも、どこに向かうか決まってるんですか?」

「ああ。昨日のうちに情報を集めておいたんだ」

「あら、さすがですね」

「まあな。……とりあえずついてきてくれるか?」

「はい。分かりました」

「それじゃあ、出発だ!」

「はいっ!!」


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