姫月誘う冬の空
冷たく 鋭い 月の匙
あなたは受け止めどこへゆく
とどいた思いは露となり
思いを馳せて手を伝う
撫でられ軌跡をつくる露
それでも地へと続くのか
それでも月へと登るのか
光る地を足で蹴る
されど流れる閃の砂
私の周りを囲い追う
逃がすものかと包み込み
去らせるものかと手を伸ばす
後ろ髪を掴まれて
麗妙の檻に戻される
青空の玉を見上げても
夜空がそれごと隠し込む
どこへ行こうと銀の檻
どこへ逃げても闇の空
着物を召して去りとても
簪刺して忘れても
捉えて離さぬ貴方の句
闇に浮かぶ立ち姿