第1章 第8話
こうして、リア充編成に入れられた俺は、クラスの面々から「なんでコイツが…」という目を向けられ、結局残りのHPが削りきられた。まぁこれも水原の作戦なのだろう。人生を楽しくする=とりあえずリア充になってみる。といった考えだろうか。彼女を信用すると決めたのだから勿論彼女が決めた事にも従う。ぶっちゃけ気は乗らないが……だってメンツみて?
サッカー部期待のイケメンルーキー 月島悠矢!
高校1年生にして、学校の顔とも言える美少女 水原葵!
学校中、全ての男子の癒しであり憧れ 如月紬!
の中に
学校中、知る人ぞ知らぬ男、葛島龍斗!
だぞ!?こんなの周りからの視線が痛すぎて楽しめる物も楽しめないは!妬み、嫉み、あらゆる負の感情。そんな物が豆腐メンタルな俺の心にグサグサと刺さってくるんだぞ!はぁ本当に大丈夫ですかね?水原さ〜ん。そんなことを考えながら水原を見るとコイツは俺にしか聞こえない声で
「大丈夫に決まってるでしょ?あと、さ〜んは気持ち悪いよ」
また気持ち悪いって言われた。さっきHP削りきられたんだからオーバーキルしないでよ。あともうコイツが俺の心読めることは気にしない。気にしたら負けな気がしてきた。
とりあえず班は決まった。が、ここからが重要だ。少し話は変わるがこの学年はA組からF組まである。(ちなみに俺はC組だ)よって、林間学校実行委員もA組からE組までで、俺たちも合わせた男女12人がいるということになる。要するに、交友関係が広がるということだ。これまであまり人と関わってこなかった俺に突然コミュ力など身につく訳がない。陽キャに意見をゴリ押しされたら、反論できるはずがないのだ。反論したら何をされるか分からない。そういう所での不安があるが、水原の狙いはそこだろう。俺のコミュ力の向上、陽キャへの恐怖心の減少。これを達成する為に林間学校実行委員になれと言ったのだろう。長くなったが、話を戻そう。ここからが重要なのだ。どうやって水原の狙いを達成するか、ここから始まるのだ。言うなれば試練スタート!という感じだ。今回の林間学校実行委員での目的を再度確認しよう。
俺のコミュ力の向上、陽キャへの恐怖心の減少。
これが俺の人生を楽しくする計画の第一歩だ。始まりの試練として必ず達成しなければならない。こういう意味で今回の林間学校実行委員は重要なのだ。
「うっし。やるか」
俺は自らの頬を両手で叩き、気合いを入れるのだった。
読んでいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!