第1章 第9話
「よーし、班決めも終わったなぁ。おっ、もういい時間だから帰れよ〜おつかれ〜」
ウチの担任テキトー過ぎだろ。まぁそういう所が俺に合ってるが。すると、水原が声を掛けてきた。
「今日から、林間学校実行委員があるけど、頑張ってよ?君の頑張りで結果が変わってくるから」
「わーってるよ」
そう俺が言うと、そう。と水原は一言だけ言って帰って行った。そう、今日からいきなり林間学校実行委員なのだ。ここから、俺の人生を変える計画が始まる。俺はLINEの通知音を消したことを確認すると、実行委員がある1年A組の教室へと向かった。
俺がA組へ入るとそこには、もう既に何人かが集まっている。
「まじだりぃ。なんでこんなことやらされてんだ……俺」
独り言のデカい、目が死んでいる奴。
「―――」
特に喋ることも無いショートカットの女子。
「なぁ麗奈!今日から頑張ろーなっ!」
「テンション高、うっざ」
無駄にテンションの高い、日に焼けたそこそこのイケメン。と、それに絡まれてダルそうにしている目付きの鋭い女子。
「あぁ?どうゆうこったそりゃあ!」
「あなたみたいな不良は委員会という責任のある事を降りた方がいいと言ったのです。分かりませんでしたか?」
怒声を上げるピンク髪の不良と、怒声を浴びても怯みもせず、冷静に自分の理論を発言するメガネを掛けた、真面目っぽい男子生徒。
「ねぇ?昨日の動画見た?」
「見た見た。ちょ〜カッコよかったよね?」
「それなぁ〜」
どこかギャルっぽさを感じる金髪の女子2人。
おい、ここって問題児の巣窟じゃないよな?今この教室に居るのは俺を入れて9人、あと3人くる訳だが…如月は大丈夫?として、あと2人とても不安だ……
すると教室のドアが開いた。
「葛島君!どうして先に行くの!?」
え?
「いや、別に約束してないし」
「でも普通は同じクラスの実行委員は一緒に行くでしょ!」
そうなのか?普通ってなんなのか分かんなくなるな。
「そうゆうもんなのか?」
「そうゆうもんなの!」
如月は口を尖らせ、頬を膨らます。うん、可愛い。
「じゃあ次からはちゃんと一緒に行くから」
俺がそう答えると
「うん!」
と、如月は満面の笑みでそう返事をした。うん、如月可愛い。俺好きな人できたかも。ここから俺の青春が始まるわけだ。俺チョッロ。すると、また教室のドアが開く。
ふんわりとした雰囲気を感じる、背の低い少女が入ってきた。それに続き、とても大柄な男が入ってくる。コイツ本当に高校生かよ。
「お嬢様、あまり下民と話すのはよろしくないかと」
「あら、そんな事を言うのではありませんよ?下民、面白いではないですか…」
なるほどお嬢様系かぁ。ウチの学校にも居たんだなそんなのが。てっきりアニメの話かと思ってたぜ。つかなんで俺こんな冷静なん?すると、如月が声を掛けてくる。
「なんか、メンバーやばそうだけど……大丈夫かな?」
確かに、目が死んでいる奴、無口な奴、うざい奴、不良、ギャル、お嬢様、こんなヤバい奴らが揃っているのだ。なにか起こるに決まっている。はぁ…始めの目標から難しすぎだろ。
俺はこれからの実行委員を考え、胃が痛くなっていた。
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次回もお楽しみに!