表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キミモ異世界イキタインデショ?  作者: 乃生一路
三章 未遂─Am I a lunatic?─
53/166

118859242102

 乾いた瞳は、だからこそよく燃え上がる。

 いったい何を薪にしているのだろうか、ゆくゆくは灰にしかならないと知っているのだろうか……知っているのだろう。知って、分かったその上で、自らを激憤させて燃やし続けている。そうまでして達成したい何かがあることは分かった。絶対に言ってはくれないだろうけど。

 でも、気づいていないみたい。 

 その何かを叶えたとして、決して幸せにはなれないこと。

 そうまで瞳を揺らさなければならないほどの苦痛で達成した何かは、本当にあなたを幸せにしてくれるの? 私は、そう思えないよ。


「怨むぞ。呪ってやる。永遠に怨み続ける。死後も途切れず呪ってやる」


 針の痛みは、やがて。


「来世でお前を見たとき、真っ先にビンタしてやる。唐突に頬を打たれて呆然としろ」


 全身に凄まじい高揚と悪寒を、命の蠢動を生の胎動を。

 大津波のように襲い掛かってくる、巨大すぎる生命に。


「……死後の世界なんて、あるわけがないだろう」


 私は押し流された。

 意識が。

 自己が。

 自我が。 

 生命の奔流に呑まれ、 



          希釈 



        され

 


              る

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ