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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

婚約破棄シリーズ

貴族的攻略対象の排除方法

作者: らんらんらん

貴族的ヒロインの排除方法のその後。



「お主に、隣国の王太子との縁談がきている。婚姻前の王妃教育が既に終わっている状態、本来なら他国の縁談は断るところだが、次の王太子になる第二王子は既に婚約者がおる。国内では紹介できる高位貴族の令息もおらん。この縁談、進めようと思う」


「承知しました」


「来年からは隣国へ留学とする。留学期間は隣国の王城へ滞在し、王妃教育も受けることとなるだろう」




ヒロインが亡くなってから、数ヶ月。


攻略対象だった私の婚約者、

第一王子が亡くなった。


王太子と高位貴族の令息たちと男爵令嬢の爛れた関係の噂は瞬く間に学園外にも広がりをみせ、

王家は、第一王子を表向きは落馬事故として処分した。


まあ、病気療養になっていたら、

噂に確信を与え、面白おかしく話が盛られ、

醜聞は更に広がっていただろう。


その場合は、私にも傷がつく。

公爵家への配慮も考えれば妥当な処分かな、と思う。





あの日以来、

攻略対象だった令息たちは自宅に戻り、

表舞台から消えた。


婚約者だった彼女たちもしばらくは自宅にいたが、

早々に学園へ戻ってきた。


私はあの日から学園を一度も休まず、

彼女たちに噂が向かわぬよう情報を操作し続けた。


各家で話し合いがもたれ、

攻略対象だった令息たちは跡取りから外され、

婚約者だった彼女たちは、

新たな跡取りとの婚約へと変更となった。


醜聞で痛い目を見た令息たちの家は、

もう失敗が許されない。


新たな婚約は、両家が納得するまで顔合わせを何度も行い、両家の契約内容もだいぶ見直されたと聞いている。




攻略対象だった令息たちは、

各家の領地で幽閉されている。


乙女ゲームのような、

廃嫡や国外追放なんて自由はない。


スペアがいない家の場合は、

新たな跡取りに子供ができる数年後まで血を残すため生かされる。


スペアがいる家の場合は、

領地で使えなければ処分されるだろう。


素行に問題があり、

家に不利益を与えた人間が自由になれるはずがない。


外で子を残されたりしたら最悪だもの!





「皆様にご報告がありますの。遅れましたが、私も新たな婚約が決まりましたわ」


「「「「まあ!おめでとうございます!」」」」


「婚約に伴い、来年から隣国に留学しますの。卒業後もなかなか帰ってこられないでしょう。皆様、新たな婚約者様と過ごす時間も必要でしょうが、残り数ヶ月、私とも仲良くして下さいませ」


「もちろんですわ!いままで婚家にうるさく言われてましたが、もう我慢しなくて良くなりましたの。いつでも誘ってくださいませ」


「私も揉めていた婚家との交易がもう決まりますの。すぐに時間が取れるようになりますわ」


「私の新たな婚約者様は隣国に興味があるそうですの。素晴らしい方なので、今度紹介させてくださいませ!」


「私も隣国に興味がありますの!今度皆様の婚約者様もお誘いしてお茶会いたしましょ!」


「まあ!皆様の婚約者様がお揃いになるお茶会なんて素敵ですわね!ふふ」


彼女たちは、察している。


隣国にいく憂いがなくなったわ。





ちなみに私の新しい婚約者様は、

隠れキャラだったらしい。


王太子の婚約者だったため、

留学前に挨拶する機会があった。


「身分を隠し、貴族令息に扮して留学し、気軽に多くの者と友好を深めたい」と相談され、

(いやいや。その見た目で側近と護衛ついてたら即行バレますよ!)

と思い、変装を勧めていた。


目立つ髪色を変え、眼鏡をかけ、側近と護衛は留学生として共に入学した。


しばらくして影の報告で、ヒロインの独り言を確認。

「やっぱり二周目の隠れキャラいないかー。あの留学生たち護衛ついてなかったし。隣国王太子もかっこいいから欲しかったのにー」


流石に、この報告には焦りましたわ。

国際問題は困りますもの。

乙女ゲームの内容を知らなかったとはいえ、

事前にフラグを折れてたことに安堵しました。


それでも学園ではなにかと彼らに声をかけ、

ヒロインが近づかないよう監視していた。


おかげで友好が深められ、

今回の縁談に繋がったのだろう。



「貴女のおかげで、とても楽しい留学生活だよ。帰る前に婚約発表して、そこでネタばらししよう!みんなのびっくりする顔楽しみだな〜」


「ふふ、後数ヶ月騙し通せるかしら!」



もう亡きヒロイン、

あなたに少しだけ感謝するわ。


彼を攻略しないでくれてありがとう。


彼を攻略してたら、

私、悪役令嬢になっていたかもしれないわ。


彼のストーリーはどんなストーリーだったのか

もう知る術はないけれど。





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― 新着の感想 ―
[良い点] れっきとした貴族として動きながらも > 悪役令嬢になっていたかもしれない と、言えるほど心を預けられる相手に巡り会えたのが、よかったねぇ。
[一言] 最悪の場合、悪役令嬢にならないとお祭り(比喩)でしたものね
[一言] 素敵なハッピーエンドだなぁ
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