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風の音  作者: 燦〜aki〜
2人だけのライブとココア
5/8

ブラックコーヒーとサンドイッチ











目覚ましが鳴る数分前に目が覚めた


久々のちゃんとした睡眠に


体が喜んでもいたのか


かなり目覚めがいい


目覚ましが鳴る


目覚ましと言ってもスマホのアラー…



7時間前

"mi から 新着のメッセージが1件あります"



ワイ『ファッ!?!?ぃいよっしょああ』


歓喜、興奮、幸福


プラスの感情が僕の心臓かどこかで


スタンディングオベーションしている


サッカー日本代表が最終トーナメントに


進出した時よりでかい声が出た


mi


お仕事お疲れ様でした!

日曜日楽しみです!

ちゃんと人に曲聞いてもらうの初めてなので

緊張します!

明日もお仕事頑張ってください!



ここまで幸せな朝があっただろうか


少し早く起きれたためコーヒーを淹れる


カーテンをドラマのワンシーンの開け方をし


窓を開ける


昨日の夜小雨が降っていたのか


地面は濡れているが


空気が綺麗だ


背伸びをする


人気俳優にでもなった気分だ


脳内では普段絶対流れない


アイドルグループの曲がかかっている



ワイ『あいうぉんちゅー…あいにーぢゅー…』


コーヒー飲みながら呟く


我ながらキマッている


コーヒーを飲み終わり


会社に行く準備をした


念のため折りたたみ傘を持ち家を出る


今日は金曜日


明日は休みだ


ショッピングでも出かけようかな



榊原『え??先輩デートするんですか??』


ワイ『声がでけーよ!』


かんっぜんに相談する相手を間違えた気がした


ただ日曜日に約束があるから


明日の土曜日服を買いに行きたいから


付き合ってくれないかと頼んだだけだった


昼飯のサンドイッチを


口にくわえながら話す榊原


榊原『しぇんふぁいがふくほひぃあんぇえうらぃとおおっえ』


翻訳(先輩が服欲しいなんて珍しいと思って)


ワイ『うるせーわ俺だって服ぐらい買うわ!あのな?俺だって大学の頃イケイケだったんだぞ?合コンじゃ無敗のたちb…』


榊原『俺も欲しい服あったんで全然大丈夫ですよ!』


榊原『んでそのLINEの相手は可愛いんですか?』


ワイ『え?なんでLINEしてる相手と会うって…』


榊原『気づいてないんですか?先輩仕事中いっつも険しい顔してるのに、ラインが来てスマホ見るたびに変顔してましたもん』


ワイ『は?!ほんとに?てか変顔じゃねーわ!俺のことなんか見てねーでお前は仕事しろよ。また進藤さんに怒られただろ』


榊原『かなり気持ち悪い顔でしたよ?あー進藤さんなんか怒ってればいいみたいなところあるんすよね。大したミスでもないのにわざわざ大きな声出して…やんなちゃいますわ』


ワイ『そのうち気づくよ、怒る側も大変だし、怒るってことはそれなりに愛情あるから怒ってるんだよ』


榊原『立花先輩が教育係だったら良かったのなぁー』


ベンチに座りながら足を伸ばして空を見上げる榊原


ちょっと茶色がかった髪が陽に当たって綺麗に揺らいでる


ワイがもし女の子だったら惚れてるレベル


ワイ『進藤さんに失礼だろ…とりあえず今日のミスは今日のうちに挽回しとけ?来週に持ち込んだらまた面倒になるぞ』


榊原『はぁーい』


サンドイッチをもぐもぐしながらふてくされる榊原


なんだかんだで可愛い後輩である




今日は珍しく榊原も含め4人で残業


比較的金曜日は仕事が軽くなっているため


みんな早く上がれそうだ


198円課長が何やら嬉しそうに


ワイらのデスクの後ろを通過する


198円が席につく


相変わらず頭皮しか見えない


クルッとイスを回転させ進藤さんに声をかける


ワイ『課長なんかご機嫌じゃないですか?』


進藤『あー榊原が自分から残業しますって言ってきたらしい、後輩が成長していくのを見るのは楽しいねってさっきご機嫌だったぞ、お前なんか言ったのか?』


ワイ『へぇー俺はなんも言ってないですよ?』


榊原の方を見る


イヤホンをしながら曲を聴いているとはいえ


まじめに仕事をしている


ワイも嬉しくなってしまった


進藤『あ、これで4人分のコーヒー買ってきてくれ、課長は微糖だからな?』


ワイ『分かりました!』


いい職場ではある


残業さえなければ最高なのになぁ


と思いながらブラックコーヒーを4回連打した


彼女は今何してるのかなぁ


ギター弾いてるのかな


歌ってるのかな


カフェとか行ってみたいなぁ


日曜日歌を聴いてしまったら


終わってしまうのだろうか


日曜日早くきて欲しいような


きてほしくないような


あれ、進藤さんが怒っている


進藤『おま!課長は微糖って言っただろうが!』


198円『だ、大丈夫だよ進藤、ありがとう立花も!』


やっと我に返った


考え事が長すぎたようだ


ワイ『すっすいません課長!先輩!』


198円『大丈夫大丈夫!こんな事もあろうかとMY砂糖とMYミルクあるんだぁ…』


といい自分の引き出しから大量のガムシロップとミルクを出す


ドン引きである


4人で歩いて帰る最中


どこからかアコースティックギターの音が聞こえた


ふと立ち止まる


彼女とは違う音ではあるが


期待してしまった


榊原『立花せんぱーい!早く行きましょー!課長が焼肉連れてってくれるみたいですよー!』



風が吹いた サラッとした風が吹いた


前を見ると課長のバーコードがなびいている


心地よい気がした。








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