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91話:良男の社会人としての復帰

 そう言う話を下を向いて聞いていた麗子さんが

「ハンカチで涙をふきながら、馬鹿、あんまり心配させるんじゃ無いよ」と

、笑いながら安心した様子で言ったので犬山重臣と奥さんは安心した。

寛太と範子が、あー良かったと大きな声で言ったので笑い声が上がった。

 そうして退院パーティーは終わり床についた。翌日、出かけていた木島輝彦

、葉子夫妻が帰って来たので息子の犬山良男を紹介した。


 8月11日から犬山良男は、毎日、手すりを使ってリハビリをして極力、

車いすを使わないように生活していたが母の淑子さんが、いつも、その後を

追いかけて、見守っていて汗びっしょりなったらタオルを渡しシャツを

着替えさせたりしてリハビリの補助をしていた。そんな日が何日も続いて、

やがて涼しくなってきた9月の中旬、紹介された東京の病院に経過観察のために

犬山重臣と奥さんと良男の3人で行くと靱帯もしっかりついてるようだし筋肉も

だいぶ、戻ってきましたと言ってくれて、このままいれば今年中には完全に

車いすは使わなくて生活できるようになりますと言った。しかしプロサッカー

選手に戻るには、まだまだ、早く、やめる決断も必要かも知れませんねと

言った。


 それを聞いて良男は、もう30歳になるのでプロサッカー選手はあきら

めますと、あっさりと言った。しかし東京ガスの会社に所属したので内勤業務は

、支障ないですよねと聞くと、その先生が大丈夫でしょうと言ってくれた。

 この結果を封書でFC東京と東京ガスに送ると数日後、東京ガスから2名の方

が家を訪ねてきて退院おめでとうと言い来年1月から自宅から近い東京ガスの

営業所で事務の仕事に復帰して下さいと言いに来てくれた。


 この話を聞いて犬山良男は

「流れる涙を拭いて、ありがとうございます」と言い、これからは仕事に

頑張りますと上司と思しき人と、がっちりと握手をした。犬山重臣夫妻も、

その方に頭を下げて、ありがとうございますというと、私は、彼を入社以来、

見ていますが気が利いて頭が良くて明るくて社員にも、お客様にも愛される良い男

だと言い良男の肩をたたいた。


 そして去って行った。その後も毎日、リハビリ、筋肉トレーニングを続けて、

しっかりとした足取りで歩けるようになった。11月、12月になり12月24日

、恒例のクリスマスパーティーを開いた。3組の夫婦と1家族4人の合計10人

の共同生活は、その後もトラブルなく助け合って続いていった。


 そうして、2015年となった。この年、犬山良男が、東京ガスの家から

徒歩10分の営業所に勤務することになり、あまりに心配なので、両親が、

黙って後をついていき職場の場所を確認してきた。そして2月になり梅が咲き

、3月になり暖かくなってくると、やがて早咲きの桜が芽吹いてきた。

 4月になり春本場になり中旬には桜が満開となった。そして美しい春、辛い

花粉症を乗り越え、5月のゴールデンウイークで東京の多くの外国人観光客

が来る様になり6月の梅雨を迎えた。

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