80話:木下本家の改修
大震災から早くも3ヶ月、福島第一原発の放射能問題以外は全部終了した。
やがて梅雨が始まり空けて7月、暑い日が続き東日本大震災の余震と思われる
地震3から4の地震が頻発した。シドニーの幸子から大丈夫だったと連絡が入り
、現状を話すと安心してくれた。その後、長男の犬山良男から電話が入り大震災後
、自宅にいた犬山麗子と3歳の寛太と1歳半の範子が東京の湾岸地域の超高層
マンションの長周期地震動で恐怖を味わったそうだ。大きな揺れが15分近く続き
、トイレのタンク容器が割れ、水びたしになったと教えてくれ、とにかく犬山麗子
が、このマンションを売って木造の住宅に住みたいと言いだし困っていると
伝えてきた。
出来たら、両親の戸建て住宅の3部屋を使わしてくれないかと言い家賃として
月に20万円支払うと言った。出来るだけ早く検討してくれと言った。そこで
、犬山重臣と淑子さんが母屋の1階応接室、リビング、ダイニングキッチンと
8畳の部屋3つと2階の洋間6つをうまく利用して父の書斎の多くの本を処分し
使う事にして4人で母屋を使い離れの4室を良男に提供し離れにもう1ケ所風呂場
を作ろうと考えた。そして翌日、良男に実際に建物を見に来るように言うと了解と
言い7月31日に来ると連絡が入った。
朝8時半に到着して朝食を一緒にとってから離れを見に行くと完璧と言い、
この4室があれば十分だというので洋室に水道を持って来て庭の一部に風呂場
を建てても良いと提案し改築費用を出してくれるなら4室貸して20万円で
OKと答えると、わかったと言った。ただ今のマンションが売れるまで、
工事費用を貸しておいて欲しいと言うので犬山重臣が了解した。
その後地震の時に修理してくれた業者に風呂の入った4畳半の風呂場用
のプレハブ住宅と水道とトイレの工事の見積もりを、お願いした。すると全部
で500万円で、やってくれると言い工期が3週間だと言った。その話を良男に
すると、是非、早くにお願いしたいと言うので了解して工事を依頼した。
8月3日から工事が始まり8月25日に完成した。
風呂が1.25坪タイプの大型バスタブでトイレが男女兼用1つと男性用
2つ、水道とシンク、サービスと最新型の中古の3口のコンロをつけてくれた。
完成の日、その工務店の頭領が来て素晴らしい家だと言い、これが木下家
の本家だねと見て回った。そして犬山重臣に今、あんたが大将かと聞くので
、ええと答えると、金があるなら、もう塗り直しをしないと後10-20年後
、修理代がかかって仕方がないぞと言った。中も見せてくれるかというので、
どうぞというと3人の大工と思しき男達と見て回り何やらメモをとっていた。
30分位して応接室に来て良い部材を使っていると言い、まだ直ぐに交換
するような柱は、ないが大事に補修しながら使えば数十年持つ、すごい建物だと
太鼓判を押すと言ってくれた。その気があれば、うちに言ってくれ、悪いよう
にはしないからと言った。うちで出来ない仕事や、うちよりも他社の方が優れて
いれば紹介する、何せ、こんな良い建物は、めったにないからと真剣な顔で言う
ので犬山重臣が、わかりました。
私も木下家の両親に預かった大事な家ですから、私の代で駄目にするわけ
にはいかないときっぱり言うと、その頭領が、それで、こそ、男だと握手を
してきて2人は、がっちりと握手をした。犬山重臣が今後とも宜しくというと
、頭領も、こちらこそ宜しくと言い颯爽と帰っていった。その翌日、
500万円が山重工務店に振り込まれた事を確認したと連絡が入った。




