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姉ちゃん大人になったら結婚してやるって言ったけどさぁ弟よ!

作者: 数野衣千

何となく思いついたので書きたかったお話し。

シリアスではない。


そういえば明日、てか数分後なんだけど弟の誕生日だな。


『誕生日おめ』

スタンプ


数分フライングだがLINEを送った。

さて寝るか。

ベットに入って電気を消そうとした。


ピーポーン


一人暮らしの部屋、0時丁度チャイムが鳴った。


「なんだ? こんな時間に? 」


チェーンは開けずドアの隙間から外を伺う。


「春夏! 結婚しよう! 」

イケメンがキラキラオーラ全開でスーツバッチリ決めて、真っ赤な薔薇の花束を私に差し出し膝まづいた。


「えっ?なんのギャグ?イタズラへの本気度に引く。」


イケメンは弟である。


「えっ本気なんだけど? 」


「すまん明日も早いんだ。おやすみ。」


閉めようとするドアを手で止める弟。


「まって! まって! まって! 春夏! 約束したじゃん大人になっても好きだったら、結婚してくれるって! 」


「なんだよ、と言うか何気に何呼び捨てなんだよ? 姉を敬え。くだらないイタズラしてないで早く帰って寝ろよ、お前は大学生で暇かかもしれんが、姉は明日も仕事なんだよ。」


「そんな! 春夏は俺のお嫁さんになるんだから明日から働かず俺の奥さんやってくれれば良いよ! 」


「なぁ、マジで姉ちゃんは疲れてるんだ。あほな冗談に付き合える程社会人は暇じゃ無いんだ。」


「そんな! 春夏! ちゃんと話し聞いてよ! 約束したじゃん! 俺はずっとこの時を待ってたんだよ! 」


追い返そうとするけど帰らない弟。

めんどくさい。

ギャーギャー騒いで駄々こねて近所迷惑だから仕方なく部屋にあげた。


「で? なんでこんなことした弟。」


「5歳の夏に約束した。」


「おう、お前姉ちゃん大好きだったもんな。」


「春夏に結婚してほしいって言ったら、大人になっても好きで居てくれたら結婚くれるって言った。ずっと好きなままで20歳になった。俺はもう大人でしょ?俺はずっと春夏を愛し続けて、約束通り大人になったよ! 」


「20歳だから大人じゃ無いでしょ、学生で自分も養えないひよっこが大人舐めんな。」


「俺、株と起業してそれなりに稼いでて、家にお金も入れてるし春夏を養えるだけの甲斐性もあるよ! だから安心してお嫁さんになって! 」


キラキラ笑顔のいままでに見たことない輝かしいオーラ。


「意味わからん。何? そのネタ続けるん? あとなぜ姉ちゃん呼びからのいきなり呼び捨てになってる? 」


「俺としての区切りだよ! 春夏を1人の女性として、姉ではなく愛する人とし名前を呼びたいんだ。」


意味がわからないこいつは何を言ってるんだ?


「春夏はどうしてあの時から俺の事を名前で呼んでくれないの? 俺の事をあの時から弟って呼んで、名前で呼んでくれない。春夏は俺の事を意識して名前呼ばなくなったと思ってる! でも、もう俺は大人で、約束通り男として、旦那として見てもらいたい! 」


こいつ意味わからん、宇宙人か?


「弟よ……」


「優斗! 」


「弟、」


「優斗って呼んでよ! 」


「……優斗。我らはガチの姉弟だ。結婚は出来ない。アホでも分かるだろ? シスコンにも程があるぞ? 」


「正式に結婚できないのは分かってる! だから事実婚にしよう! お父さんとお母さんには言ってあるから! 」


「は? 2人は? 」


「いいんじゃない? ってポテチ食べながら快く承諾してくれた! 」


それ適当に流してるやん、あいつら聞いてないやろ。


「春夏、俺は春夏以外にときめかない。春夏にしか心惹かれないんだ。大人になるまでに好きな人ができるように努力した。でも春夏以外に愛する人は、春夏以上に大切な人は居ないんだ! 俺の心は春夏にしか動かないんだ! 」


えー、意味わからん。

何この恋に盲目な感じ。

恋とかわからんよ、私は恋したことないし。

なんなん? 未知との遭遇。

そして弟って倫理的にあかんやん。


「春夏、愛してる。もう我慢できないんだ。」


不意に優しく抱きしめられた。

大きく大人になった弟。優しいハグに驚きつつ心臓がドキッとした。

あとなんかいい匂いする。

押し返して距離をとる。


「弟よ、姉はな、」


「弟じゃなくて、優斗、姉ではなく春夏。」


「結婚しなくても私達は既に家族だろ? 私達の気持ちが、愛はこれから変わることは無い。」


「春夏……。」


「なっ? 結婚しなくても私は優斗の春夏だ。それで良いだろ? 」


シスコンもここまでこじらせると厄介だ。

優斗に優しく自然にキスされた。

嫌な気分は無かった。


「俺は家族でも、姉と弟は嫌なんだ。奥さんにしたい。今はただの家族だけど。家族愛じゃない愛を春夏にそそぎ続ける、愛し続ける。」


「はいはい。」


めんどくさい、早く寝たい。

はよ帰れ優斗。

このなんだかわからない胸のザワザワはきっと不快感だ。決して……ときめきなんかじゃ……。

顔が熱い。恋なんてした事ないから、これは勘違いだ。

私もたいがいブラコンだったってだけだ。


「逃がさないから覚悟して、春夏は誰にも渡さない。」


うわぁ、めんどくさい。

私は現実逃避した。

優斗と恋なんてありえない。

ありえないんだから……。

読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私も今姉弟物創作中だったので興味惹かれました。 20年間姉以外に見向きもしなかった優斗くんを応援したくなります。 [気になる点] !や?の後は、空白スペース入れるのと、会話文は「~。」⇒「…
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