表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/37

変な同僚

俺はコイツとは仕事したくない。

その日はS君とポケットなモンスターの交換をしていたと思う。

俺とS君はポケットなモンスターを育成するトレーナー仲間でもある。

普段はデジタルな方だが、アルファベットを冠した新作が出たということで

ポケットな方だったはずである。


「そういや、無銘さん。」


「ん?」


「僕が仕事してるコンビニにTさんって居ますやん?」


「一々名前覚えてないけど、

フレンドリーと馴れ馴れしいを勘違いしてるヤツだよな、多分。」


「それで()うてます。」


「アレがどうした?

何かやらかしたん?」


「やらかしたっちゃ、やらかしましたね。

クビになるかもです。」


〜回想〜


Tさんは元から変わった人だとは思ってたんですけどね、

こないだ、オーナーと(前の)店長らが

幹部会という名目で呑みに行った店で

常連さんと遭遇したらしいんですわ。

んで、いきなり苦情を言われたそうです。

Tさんは夜勤なんで、オーナーや店長とは関わらないから

オーナーらは知らなかったと思うんスけど、

お客さんが居ないと監視カメラの死角になるトコで

歌いだしたり、踊ったりするんですよね。

偶々ですけど、その常連さんが来店した時に来店ベルが鳴らなくて、

来店したのに気づかずに踊ってたみたいですわ。


〜回想中断〜



「まぁ、コンビニに行って、店員が踊ってたら引くわな。」


「それだけじゃなくて」



〜回想再開〜


その常連さんの娘さんが、祭の帰りがけに

ウチの店に寄ったらしいんですけど、

浴衣姿の娘さんに

「お姉さん、色っぽいね」

とか

「よ、セクシー番長」

とか、言わんでいいこと言ってたんですよ。

そん時僕も居て、常連さんの娘さんだとは思わなかったんですけど、

不機嫌になったのが丸わかりでしたし、

流石に言い過ぎだと思って、

娘さんが帰ってからTさんに

「ポイントカード持ってるか確認だけしたら、

会計まで余計な口を開かずに黙って仕事してください。」

って言ったんです。

そしたら

「え?誉めたらアカンの?

あのお姉さん、まんざらでもない顔してたやん。」

って言われましたわ。

その瞬間、

『この人、目が節穴だわ』

と思いましたんで、翌日速攻で店長に報告しときました。

以前も、ライブのチケットを買いに来たお客さんに

「このバンド、良いですよね。

やっと有名になってきて俺も嬉しいんですよ。」

とか

「この日のライブは俺も行きたかったんですけど、

無理そうなんで、俺の分まで楽しんできてください」

とか、言わんでいいことをギッチリ言うてたんですよ。


〜回想中断〜


「ちょっ、ちょっ、ちょっ。

S君、一応確認しときたいんだけど。」


「何スか?」


「Tって、そのバンドの関係者なん?」


「んなわけないじゃないスか。」


〜回想再開〜


んでまぁ、要らんこと言うし、

お客さんに言われたからって

「俺から発注担当の(もん)に言うときますわ。」

って安請け合いして

電子タバコの発注してくれって店長に言ったりしてたとかで、

今回の件がトドメみたいですわ。

『Tさんに注意で済ますのは止めにしよう』ってなったらしいすわ。


〜回想終了〜


ちなみに、Tとは第1話で書いた

S君より勤務態度が悪い店員の、

よく分からないヤツである。

TはS君より後に入ってきて

S君から見ると10歳ほど年上の後輩になる。


前の店長さんが辞めたタイミングで

他のバイト君達が進学したり就職したりして、

5、6人ほど一気に辞めたため人手不足になり、

非常に残念ながらクビにはならなかったそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ