モンペ対策?
「兄ぃ、受験ですよ、受験!」
「あ?何?事件?」
「事件じゃないです、受験です!」
確かに世間では受験シーズンなのだろう。
俺もS君も関係ないけど。
S君が突拍子もないことを言いながら突ってくるのも
いつものことだし。
「で、受験がどうした?
S君、大学に入り直すの?
それとも高校?」
「まさか。」
以下、S君の話を要約した。
S君が同僚とバイトしてると
高校生と親御さんが来店した。
どうやら鉛筆が欲しかったらしいのだが、
S君の勤務先では、シャーペンやボールペンはあっても
鉛筆を置いてなかったらしい。
正確には売り切れていたらしいが。
一応、在庫を確認してみて無かったので謝ったら
「コンビニなのに鉛筆も置いてないなんて!」
みたいな感じでヒスられたとか。
俺の感覚で申し訳ないが、
コンビニでは大体の物は売ってると思うけど、
絶対にあるとは限らないし、
無い時は代わりになる物がある、
くらいの感覚だ。
時期的に鉛筆が売り切れていても不思議じゃないと思う。
授業で使うならシャーペンで良いわけだし。
S君や同僚の推測だが、
マークシート形式の受験で、鉛筆以外は認めない。
とか、そんな感じなのだろう。
聞いてるだけで
さっさと諦めて文房具屋に行け
と言いたくなる。
近所の姉妹店(1号店)と、姉妹店にも無い場合に備えて
5分か10分くらい歩いたところにあるモールを勧めたそうな。
そっから、受験したなぁで盛り上がったらしいのだか、
同僚の一人が受験した時に
受験会場までバスで行ったらしい。
受験会場の大学まで直行するバスだ。
同僚君は同伴無しだったそうだが
親御さん同伴の受験生もいた。
結果として、乗車人数を超えてしまい
バスに乗れなかった同僚君が次のバスを待っていると
発車待ちのバスは満員で乗れないのに
乗せろと喚く迷惑な親御さんが居たらしい。
係員らしき女性も最初は丁寧にお断りして
次のバスを薦めていたが
時計を見ながら段々イライラしてきたようで
「貴女が揉めることでバスの運行に支障をきたしています。
これ以上揉めるのであれば
他の受験生に対する妨害行為と見なし、私の権限において
貴女のお子さんの受験資格を剥奪することになりますが
如何なさいますか!」
と、一喝した。
かなりカッコいいと思う。
子供の方は親が悪いと思ったのか
受験資格の剥奪を恐れたのかは不明だが
バスから降りてきて親を説得し
次のバスを待つことにしたらしいのだが
今度は女性が発車させたことに対して
文句を言ってきた。
こうなると、女性も吹っ切れたみたいで
「わかりました。
では、運行に支障をきたしますので
貴女方は最後尾にお回りください。」
と親御さんに言い
「今でしたら一番前に居るので
確実に座って受験会場まで行けるのに。
君、残念でしたね。」
と、子供の方にも言ったとか。
子供の方が謝りまくって並び直すのは勘弁してもらった。
親はそれでもブチブチ言っていたので
「お子さんを心配されるのはわかります。
しかし、貴女のしていることは
貴女のお子さんも含めた受験生に対する
明らかな受験妨害です。
当大学ではホームページ及び受験案内に
係員の指示に従わない場合は
受験生から受験資格を剥奪することを明記しています。
この場合ですと、貴女の行為によって
お子さんの受験資格を剥奪することになります。
それでも続けますか?」
同僚君がその場で確認したら本当に書いてあった。
「すみませんが、それをお借りしますね。」
と、同僚君から借りた受験案内の当該箇所を指差し
「このように、ここに書いてある通り
脅しではなく事実です。
私達は受験を滞りなく進めるために居るのです。
また、毎年貴女のように騒がれる親御さんもいますが
その結果、悪質な妨害行為と判断され
去年は3人が受験資格を剥奪されている
とだけお教えしておきます。」
たしか、3人くらいだったと言っていたらしいが、
何年も前のことで、うろ覚えらしい。1人や2人ではなかったが、
5人以上でもなかったとも言っていた。
本当に受験資格を剥奪された前例があるとなると
親も流石に青くなって
それだけは止めてくれと謝ったので
同僚君が乗ったバスに関してはスムーズに進んだ。
どうやら、モンペに対しては
親の行いが子供の不利益にしかならないことを教えたうえで
強気の対応をするのが最善のようだ。
それにしても、係員さんマジカッケー。




